安倍首相は2日、内閣法制局長官の後任に小松一郎駐仏大使(62)を起用する方針を固めました。8日にも閣議決定される予定です。
小松氏は第1次安倍内閣当時、安倍首相が有識者懇談会に諮問した集団的自衛権行使の「4類型」の立案にかかわった人で、この人事によって、これまで一貫して「憲法9条によって集団的自衛権行使は認められない」としてきた内閣法制局の見解を変えさせようとする意図が露骨に感じられます。
ついに安倍首相は極めて危険な構想に向けて奔りだしました。
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法制局長官に小松駐仏大使=集団的自衛権積極派
時事通信 2013年8月2日
安倍晋三首相は2日、山本庸幸内閣法制局長官(63)を退任させ、後任に小松一郎駐仏大使(62)を起用する方針を固めた。8日にも閣議決定する。小松氏は外務省出身で、首相が検討する集団的自衛権行使容認のための憲法解釈の変更に前向きとされる。法制局勤務の経験がない小松氏の抜てきは、首相が今後取り組む安全保障政策の見直しに向けた布石と言えそうだ。
山本氏は、先月19日に最高裁判事を定年退官した竹内行夫氏(元外務事務次官)の後任に転出する。
小松氏は外務省国際法局長を務めるなど条約に精通。第1次安倍内閣当時、米国に向かう可能性のあるミサイルの迎撃など、首相が有識者懇談会に諮問した集団的自衛権行使の「4類型」の立案にかかわった。
首相は先月27日のマニラでの記者会見で「集団的自衛権行使に関する検討を進めていく」と表明しており、第2次内閣でも有識者懇談会の作業を加速させる意向だ。集団的自衛権の行使について政府は、現憲法が認める「自衛のための必要最小限の実力行使」を超え、許されないとの立場を取ってきたが、こうした見解を修正するかどうかが焦点となる。
小松氏は、一橋大法学部を中退して1972年に外務省に入省。国際法局長、スイス大使を経て2011年9月から駐仏大使を務めている。