TPPは最初から、日本にとって百害あって一利もないものと言われてきました。7月下旬に実際に交渉のテーブルに着いてからも、それを改善できるような状況には全くないことが確認されました。
そうであれば国益を守るためには脱退しかないのに、一向にそんなそぶりは見えません。
それどころか茂木経産大臣は、19日、来日したフロマン米通商代表といち早く会談して、TPP交渉の年内妥結に向けて日米で協力することを決めたということです。
一体何を考えているのでしょうか。
「大学教員の会」が見かねて、20日、「TPP交渉が米国ならびに内外の一握りの多国籍企業に日本の国民益を売り渡す屈辱的な壊国交渉であることが一層明白になった」として、安倍晋三首相に「TPP交渉からの即時脱退を求める要望書」を提出し、衆参両院の農林水産委員長にも要望しました。
首相にもしも一片の良心があるならば是非とも従って欲しいものです。
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TPPは「壊国交渉」大学教員の会 首相に「脱退」要請
しんぶん赤旗 2013年8月21日
「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」の醍醐聰東大名誉教授らは20日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相に「TPP交渉からの即時脱退を求める要望書」を提出し、衆参両院の農林水産委員長に要望したと発表しました。
安倍首相への要望書では、環太平洋連携協定(TPP)の日米事前協議に関連し、日本郵政が米国保険会社アフラックのがん保険を全国の郵便局で販売することを受け入れたことは全面屈服だと指摘。「TPP交渉が米国ならびに内外の一握りの多国籍企業に日本の国民益を売り渡す屈辱的な壊国交渉であることが一層明白になった」として、「TPP交渉からの脱退」とともにTPP交渉と並行して行われる日米2国間協議を「直ちに打ち切る」ことを求めています。
衆参農林水産委員長への要請では、農産品5品目の「聖域」扱い、残留農薬・食品添加物の基準、漁業補助金の維持、ISD(投資家対国家紛争処理)条項に合意しないことなどを求めた委員会決議が守られるよう政府を厳格に監視するよう求めました。
これに対し、野村哲郎参院農林水産委員長は「参加各国に委員会決議を英訳して送付した。『脱退』は大変なことだが、公共企業の扱いをめぐってアメリカと対立しているマレーシアやベトナムの動きに注目している。交渉が行き詰まって暗礁に乗り上げるのがベストと考えている」と述べたといいます。
大学教員の会は、全国で約900人の大学人が参加。今後は、9月にシンポジウム、秋に大規模な集会を呼びかけるなど、TPP反対の国民世論を盛り上げるとしています。