2013年8月6日火曜日

昨年度の天下りは1356件


 昨年度の国家公務員の天下りは届出のあった分だけで1356件に上ることがわかりました。
 やはり電力会社が有力な天下り先であり、その内訳が例示されています。

 公務員にも再就職の自由はありますが、問題は天下り先に対して便宜の供与や予算の配分が行われている点であり、野田前首相が前々回の衆院選のときに「シロアリへの12兆円の予算の配分」と呼んだ、もたれあいの構造です。
 ただし野田政権時代にも事態は全く改善されずに、むしろシロアリは増殖したといわれています。

 天下りは勿論国家公務員に限るものではなくて、あらゆる階層において、全国津々浦々に、長い歴史のなかで作り上げられてきた天下り先のネットワークが張り巡らされています。
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昨年度の天下り1356件
     九州電力に警察署長 パチンコ業界にもゾロゾロ
しんぶん赤旗 2013年8月5日
 昨年4月1日からことし3月末までの1年間に届け出があった国家公務員の再就職は、1356件にのぼることが、4日までにわかりました。うち営利法人は434件、関係の深い公益法人へは191件など、おいしい天下りぶりが浮き彫りになりました。

 省庁別では、財務省338人、国土交通省248人、法務省126人、経済産業省96人、厚生労働省87人、農林水産省52人など。国交省大臣官房付の奥平聖氏が西日本高速道路の特別顧問など、それぞれ関係の深い業界への天下りがみられます。
 このなかには、東京電力福島第1原発事故(2011年3月)当時、経産省事務次官だった松永和夫氏が損害保険ジャパンの顧問、消費税増税の“立役者”、勝栄二郎財務次官が大手IT関連企業「インターネットイニシアティブ」の特別顧問(ことし6月26日、代表取締役社長に就任)など、本紙既報分も含まれています。

 昨年7月まで検事総長だった笠間治雄氏は、笠間法律事務所を開業するかたわら、寝具類の製造・販売・賃貸・洗濯のワタキューセイモア、医療用食品販売の日清医療食品の両社の特別顧問に就任しました。
 複数の天下りをしたのは、久保信保・消防庁長官(昨年9月退任)が、三菱UFJ信託銀行の業務顧問、人材派遣大手のパソナグループの特別顧問に、宮越極・関東管区警察局長(昨年4月退任)が、大成建設の監査役、日本生命保険の顧問に、それぞれ就任しています。

 電力会社への天下りも目立ちます。(表参照)
 カジノ合法化への動きが急ですが、パチンコ、ゲーム関係への天下りも。
 パチンコ業界の「健全な発展に寄与すること」を目的に設立され、貯玉第三者管理「安心貯玉」を運営する「ジャパンネットワークシステム」(本社・東京、資本金13億7500万円)には、東京国税局厚木税務署長が常勤監査役に、北海道・旭川中央警察署長が北海道営業所顧問に、それぞれ就任しています。
 関東管区警察局長は、日本電動式遊技機工業協同組合顧問、皇宮警察本部吹上護衛署長は、全日本遊技事業協同組合総務部長といったぐあいです。
 
 
電力会社への天下り
《九州電力》
 林野庁熊本森林管理署長 ⇒ 熊本支社嘱託
名古屋海上保安部長 ⇒ 海事担当部長
熊本南警察署長 ⇒ 渉外課長
国土交通省大臣官房付 ⇒ インターナショナル・アドバイザー
鹿児島県警本部生活安全部長 ⇒ 鹿児島支社課長
大分中央警察署長 ⇒ 特別管理職
《四国電力》
国立病院機構高松医療センター院長 ⇒ 総合健康開発センター所長
《中部電力》
三重県警本部警備部長 ⇒ 三重支店総務部調査役
《東北電力》
 神戸海上保安部長 ⇒ 火力原子力本部燃料部調査役

企業から飲食接待 経済産業省幹部を懲戒処分
 経済産業省は4日までに、所管する企業から飲食接待を受けたとして、国家公務員倫理法違反で、関東経済産業局の安藤久佳局長(53)を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分としました。同席していた部下3人も内規にもとづき処分しました。
 同省によると、安藤局長は同省資源エネルギー庁の資源・燃料部長を務めていた昨年から今年にかけ、利害関係者である複数の企業から3回にわたり、計約5万7000円の飲食の提供を受けました。