籾井NHK会長は31日に衆院予算委員会に呼ばれましたが、そこでも就任記者会見での発言と矛盾した上、再び理解しがたい発言を連発しました。
籾井会長は25日の就任記者会見で、従軍慰安婦について「どこの国にもあった」と繰り返し発言した後、慰安婦関連の発言に限定して「全部取り消します」と撤回しましたが、予算委では「記者会見で(慰安婦問題以外の発言も)全部取り消した」と説明しました。
さらに「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」との発言についても、予算委では「(右左を)赤と白と置き換えていただければ」と発言しました。理解に苦しむ発言です。
「視聴者コミュニティ」共同代表の醍醐聡・東大名誉教授は「籾井会長は就任記者会見での発言の問題点を整理できていないまま、国会答弁に臨んだためおかしな発言になった。トップとしての資質を欠いている」と指摘しました。
特定秘密保護法についての「もう通っちゃったものはしょうがない」などの発言も、まことに見識を欠くものです。
3日の衆院予算委に再び参考人招致される他、衆院総務委や参院予算委でも野党側から招致を求められる可能性があります。これ以上「トップとしての資質に欠ける」との批判が強まれば進退問題にも発展することになります。
そもそも慰安婦問題について「個人的な意見なので全て取り消す」として発言を取り消しましたが、一体、慰安婦問題において「個人的な意見と公人としての意見は異なる」などという言い訳が通用するものでしょうか。
当人が理性と感情の相克に陥るというような特殊な事情でもない限り、歴史的事実である「従軍慰安婦制度」については、それがあったのか否か、当然と思うのか否かという「認識と判断」の問題であって、「個人(私人)」と「公人」とで意見が異なるなどということはあり得ません。逆に「個人と公人で意見が異なる」などとと述べること自体、自らが二重人格者であると表明することに他なりません。
最早、籾井氏は公人として立ち居振舞うことなどは出来ない筈です。それでもなおその地位に留まり続けるというのはどういう感覚なのでしょうか。一刻も早く辞任すべきです。
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NHK会長:進退問題ヤマ場 国会招致、3日は衆院予算委
毎日新聞 2014年02月02日
就任記者会見での発言が問題になっているNHKの籾井勝人(もみいかつと)会長は、今週も国会に参考人として招致される。先月31日の衆院予算委員会では就任記者会見での発言と矛盾した上、理解しがたい発言を連発、識者や野党から「トップとしての資質に欠ける」と批判が強まっている。進退問題に発展するか焦点になる。
3日の衆院予算委に再び参考人招致される他、週内に予定される衆院総務委や参院予算委でも野党側から招致を求められる可能性もあり、6日には定例記者会見も控える。NHKが事前に準備した回答案で乗り切るのは困難な見通しだ。
籾井会長は先月25日の就任記者会見で、旧日本軍の従軍慰安婦について「どこの国にもあった」と繰り返し発言した後、慰安婦関連の発言に限定して「全部取り消します」と撤回した。ところが、特定秘密保護法についての「通っちゃったんで、もう言ってもしょうがない」との発言を含め、同31日の衆院予算委で「記者会見で全部取り消した」と説明。就任記者会見での自らの発言内容を誤って認識していることを露呈した。
さらに国際放送で領土問題を扱う場合「政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」との就任記者会見での発言について、予算委では「(右左を)赤と白と置き換えていただければ」と、問題点の正確な認識を疑わせる発言も出た。
籾井氏の辞任を求める要望書を提出している「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表の醍醐聡・東大名誉教授は「籾井会長は就任記者会見での発言の問題点を整理できていないまま、国会答弁に臨んだため、おかしな発言になったのだと思う。この点一つをとっても、明らかにトップとしての資質を欠いている。不用意な発言による混乱は今後も続くだろう」と指摘する。辞任要求は人権団体の「アムネスティ・インターナショナル日本」「日本マスコミ文化情報労組会議」などからも出ている。【青島顕、臺宏士】