2014年2月27日木曜日

参院の憲法審査会が開かれました

 26日参議院の憲法審査会今国会では初めて開かれ、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の見直しを巡って意見が交わされました。
 
 集団的自衛権の行使については、民主党、共産党、結いの党、社民党は9条の解釈変更では行使は出来ないと主張し、自民党と日本維新の会は集団的自衛権の行使容認しました。
 公明党はこの問題に言及せず、新党改革・無所属の会も立場を明確にしませんでした。
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集団的自衛権 憲法解釈見直し巡り意見
NHK NEWS WEB 2014年2月26日
参議院の憲法審査会で、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の見直しを巡って意見が交わされ、集団的自衛権は国家固有の権利だとして賛成する意見と、これまでの政府見解を覆すものだとして反対する意見の双方が出されました。
 
参議院の憲法審査会は、26日、今の国会では初めて審査会を開き、安倍総理大臣が意欲を示している集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の見直しを巡って意見が交わされました。
このうち、自民党の丸川珠代氏は、「日本の独立を守り、国際的な協力の下で平和を維持するために抑制的に実力を行使することは憲法の基本的な原理をないがしろにするものではない。集団的自衛権の行使は、憲法解釈の変更で可能になりうる」と述べました。
民主党の小西洋之氏は、「『憲法9条を変える以外に集団的自衛権の行使は可能にできない』というのが確立した憲法解釈だ。合理的な理由なく、ある日突然、内閣が『できる』と言ってしまうことは、憲法規範そのものの存立に関わる」と述べました。
公明党の西田実仁氏は、「今の憲法は優れた憲法であり、平和、人権、民主の3原則を堅持しつつ、環境権など、新たな理念を加えて補強する『加憲』が最も現実的で妥当だと考えている」と述べ、集団的自衛権については言及しませんでした。
みんなの党の松田公太氏は、「『集団的自衛権は、国家の固有の権利なのに行使が認められないのはおかしい。国民的な議論を踏まえつつ、政治が責任ある解釈を行ってしかるべきだ」と述べました。
共産党の仁比聡平氏は、「憲法9条の下で集団的自衛権の行使が認められるはずがない。安倍総理大臣の答弁は、歴代の政府見解を根底から覆すもので、憲法破壊にほかならない」と述べました。
日本維新の会の清水貴之氏は、「集団的自衛権の行使を認めない現状は日本への信頼を大きく損ねている。法律で集団的自衛権の行使の要件を明確にし、国民の納得と国際社会の理解を得るべきだ」と述べました。
結いの党の川田龍平氏は、「時の為政者が、憲法を拡大解釈して憲法の本来の方向性をゆがめるような行為は、憲法99条の憲法尊重擁護義務に違反する」と述べました。
社民党の福島みずほ氏は、「今の憲法の下で集団的自衛権の行使を認める解釈は取りえない。従来の憲法解釈を否定する動きは立憲主義の否定であり、憲法を空洞化しようとするものだ」と述べました。
新党改革・無所属の会の浜田和幸氏は、「憲法を前文から検討し直す時期にきている。集団的自衛権について意見交換し、新しい日本にふさわしい憲法にしていくべきだ」と述べました。
 
 
参院憲法審査会開かれる 
仁比氏 明文改憲条件づくり反対 吉良氏 行政府の暴走に歯止めを
しんぶん赤旗 2014年2月27日
 昨年の参院選挙後、初となる参院憲法審査会が26日、開かれ、日本国憲法に関して各党が意見を表明し、自由討論が行われました。
 
 日本共産党の仁比聡平議員は憲法審査会の開会そのものに反対を表明。審査会が国民主権と憲法96条の理念に反する改憲手続き法によって設けられたものであり、本来動かすべきでないこと、動かせば明文改憲の具体化、改憲原案のすりあわせの場になると主張し、国民が憲法改定を求めていないのに、改憲機運を押し付けることになると批判しました。
 さらに、安倍晋三首相が憲法の最高規範性を失わせる“憲法破壊発言”をエスカレートさせているもとで、審査会を動かせば、集団的自衛権の行使をはじめとする「戦争国家化」への条件づくりにつながると指摘。与党が改憲手続き法改定案提出の動きを見せていることも「憲法破壊と日本国憲法との相いれない矛盾を打開するための明文改憲の条件づくりだ」と批判しました。
 
 吉良よし子議員は、「ブラック企業」に苦しめられる若者、子どもを預ける保育所探しを強いられる母親、低い年金で医療・介護の負担に苦しむ高齢者の実態などを示し、「憲法が掲げている理想に日本の現実を一歩でも二歩でも近づけていくことが政治の果たすべき役割だ」と指摘しました。
 さらに、戦後69年、一人の戦死者も出さなかった憲法9条の意義を強調するとともに、その立場を内閣の一存で投げ捨てようとする安倍政権の横暴を批判。「行政府の暴走に警告を発し、歯止めをかけることこそ、国会・参議院に課せられた使命だ」と強調しました。
 
 一方、自民党は「現行憲法には制定過程に問題があり、正当性がない」(赤池誠章議員)として、明文改憲を主張しました。みんなの党は「集団的自衛権を認めない方がおかしい」(松田公太議員)、維新の会は「(集団的自衛権の)行使は政策の問題であり、国際情勢の変化にあわせて見直すべき」(清水貴之議員)と述べ、明文改憲と合わせて解釈改憲を進める考えを表明しました。