TPP担当の甘利経済再生相は18日、環太平洋連携協定(TPP)の日米協議について「双方が歩み寄るのが大原則。平行線のままでは意味がない」との認識を示しました。
アメリカは一時、昨年中の妥結を模索していましたが、いまは大幅に妥協するくらいなら妥結は急がないという方針に変えたとも言われています。
甘利氏の発言は、農産品の重要5項目でもアメリカの受け入れるレベルに妥協をして、何とかTPPを妥結させるという風に受け取れますが、なぜそんな必要があるのでしょうか。
18日午後の自民党農林関係合同会合では、中谷元氏が「交渉前に所管大臣が余計な発言をして、統率できるのか」などと批判し、官僚経験者の斎藤健農林部会長は「米国は、日本を押しまくれば最後は降りると考えている」と述べました。
極めて当然の指摘です。
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TPP交渉、平行線のままでは意味ない=甘利経済再生相
ロイター通信 2014年2月18日
[東京 18日 ロイター] 甘利明経済再生相は18日、環太平洋連携協定(TPP)の日米協議について「双方が歩み寄るのが大原則。平行線のままでは意味がない」との認識を示した。閣議後の記者会見で語った。
甘利再生相は会見の中で、コメや牛、豚肉など5項目の関税品目に関し、「ひとつ残らず微動だにしないということでは交渉にならない」と指摘。この交渉で金メダルを取れるか、と問われ「どの国も金メダルは取れないが、入賞する」と述べた。
甘利TPP相、重要5項目で一部品目関税引き下げも視野に交渉の考え
FNN 2014年2月18日
TPP(環太平洋経済連携協定)のアメリカとの協議について、甘利TPP担当相は、コメなど重要5項目で、一部品目の関税を引き下げることも視野に、交渉にあたる考えを示した。
甘利TPP担当相は「5品目(項目)中のタリフライン(品目)、1つ残らず微動だにしないのでは、交渉になりません」と述べた。
甘利TPP担当相は、閣議後の会見で、コメなど重要5項目の一部品目での関税引き下げ提案も視野に、アメリカとの交渉を進める考えを示した。
日米協議では、大江首席交渉官代理が、来日したアメリカ通商代表部のカトラー次席代表代行と、外務省で2時間にわたり会談した。
会談後、大江首席交渉官代理は「まだ、結論が出るというところまでは程遠い」と述べたうえで、「シンガポールでの閣僚会合の最終日ギリギリまで協議を続ける」と意欲を示した。
シンガポールでは、17日から首席交渉官会合が始まり、閣僚会合での合意に向けて詰めを急ぐことを、全体会合で確認した。
18日は、2国間での個別会合が、精力的に行われている。
一方、TPPの日米協議について、経済同友会の長谷川代表幹事は「間合いを詰める機運が出てきたのは喜ばしい」と評価しながらも、シンガポールの閣僚会合で一気に解決するのは難しいとの懸念を示した。
甘利発言に異論続出=「TPP譲歩」を批判-自民農林族
時事通信 2014年2月18日
甘利明TPP担当相が環太平洋連携協定(TPP)交渉をめぐり、米国に譲歩案を示す考えを表明したことに関し、自民党の農林族議員から異論が続出した。18日午後の党農林関係合同会合で、中谷元農林水産戦略調査会長が「交渉前に所管大臣が余計な発言をして、(交渉を)統率できるのか」などと批判。出席議員から大きな拍手が起きた。
会合では、重要農産品5項目の関税維持を求めた国会決議と発言の整合性を問う声や、「(5項目のうち)コメや砂糖を守って、牛肉、豚肉を差し出すのか」といった発言が出た。経済産業省出身で、官僚時代に対米交渉の経験がある斎藤健農林部会長は「米国は、日本を押しまくれば最後は降りると考えている」と指摘した。
政府でTPP交渉を担当する渋谷和久内閣審議官が会合に呼ばれ、「皆さんの意見を大臣に伝える」と釈明に追われた。