2014年2月7日金曜日

また「併走する米艦が攻撃されたときに何もしないでいいのか」 と

 安倍首相は6日の参院予算委で、自衛隊艦船と共同活動中の米艦が攻撃されたケース自衛隊が反撃しなかったら、「日米同盟に対するダメージは計り知れない」と述べ、集団的自衛権行使の必要性を強調しました。
 
 この「併走する米艦艇が他国から攻撃を受けたときに、日本は何もしなくていいのか」という表現は、センセーショナリズム(煽情主義)に走る安倍首相が繰り返し用いているところです。
 しかし飛来する他国のミサイルや航空機が、米艦だけを対象に攻撃して来ることを識別するのは勿論不可能です。従って自衛隊は当然、日本の艦艇に向けられた攻撃として対応することになります。
 これが(集団的自衛権ではなく)「個別自衛権の発動で対処できる」という考え方で、与党の一翼を担っている公明党の委員長もTVでそう発言しています。
 
 ところでその距離ですが、かつて防衛省の高官は、2500キロ離れた「グアムにいる米艦艇が攻撃されても同じである」と発言しました。あまりにもスケールが大きすぎて(^○^)あっ気にとられてしまいますが、これこそは『併走する』などという情緒的な発言の彼方にある真実を明示しています。
 
 また安倍首相はかつて、「アメリカの青年たち(=米軍人)が日本のために血を流すのに、日本はそうしなくても良いのか」という発言を良くしていました。しかしこれには後日譚があり、さる米高官がある会議で「アメリカ軍は日本のために血を流すつもりはない」と明言したということです。その場に同席していた森本氏(元防衛大臣)は驚いてその真意を米高官に確認したということですが、それ以後政府関係者は、「日本人が血を流すような気持ちがなければ、アメリカが日本を防衛する筈がない」という言い方に変えました。
 安倍首相の煽情主義の破綻というべきです。
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容認せねば日米同盟に打撃も=集団自衛権で安倍首相-参院予算委
時事通信 2014年2月6日
 安倍晋三首相は6日午後の参院予算委員会で、集団的自衛権に絡み、自衛隊艦船と共同活動中の米艦が攻撃されたケースを例示した上で、「(自衛隊が反撃を)やらなかったことによる日米同盟に対するダメージは、計り知れないものになる」と述べ、行使できない状態が続けば米国との同盟関係に影響が出るとの認識を強調した。日本維新の会の中野正志氏への答弁。 
 共産党の仁比聡平氏が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設を断念するよう迫ったのに対し、首相は「日米同盟の果たす抑止力を維持することは、政府の責任として果たしていかなければならない」と述べ、計画通り履行する考えを強調。普天間の空中給油機の運用機能を山口県の岩国基地に移すことなども挙げ、「(沖縄の基地)負担は大幅に軽減される」などとして理解を求めた。