2024年10月23日水曜日

自民と第二自公の二大体制最悪/石破新首相が大功績上げる可能性(植草一秀氏)

 植草一秀氏が掲題の2つの記事を出しました。
 今回の衆院選で、以前は自公を合せても過半数を大幅に割り込むという予想もあれば、逆に過半数達成は確実などと色々な予想が立てられましたが、直近では自公が過半数を維持するかは「微妙」というところに来ているようです。
 いずれにしても自民が大幅に後退することは明らかなのですが、自民党一党支配が崩壊することで、日本支配を永続させようとする米国支配勢力としては何よりも対米自立を指向する革新政権が誕生することを恐れているとして、植草氏はこの段階で「彼らが目指しているのが対米隷属二大政治勢力体制」だと述べています。
 それに対して、いま求められていることは 自公と第二自公に対峙する「真正野党」勢力を育てることで、「原発廃止」・「消費税減税廃止」・「平和主義堅持」の基本政策を掲げる「第三極」を伸長させることであると述べています。必然的に共産、れいわ、社民を軸に投票先を選定することになります。問題は玉石混淆の立民党ですが、上記の基準で候補者毎に個別に選り分けるしかありません。

 2つ目のタイトル「石破新首相が大功績上げる可能性」については真意が分かりにくいかも知れませんが、自民で当選できない候補者の多くが旧安倍派議員なので、総選挙によって自民党内勢力分布が一変する可能性が高く、旧安倍派議員が大幅に落選するなら石破首相はこのことだけで高く評価されるが、さらに旧安倍派勢力が不満を爆発させて 自民党を破壊する行動に打って出るならば、石破新首相の功績はさらに高く改革派国民から評価されることになるという意味です(^^)
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自民と第二自公の二大体制最悪
               植草一秀の「知られざる真実」 2024年10月21日
10月27日に投開票日を迎える衆院総選挙。石破茂首相は自公での過半数確保を勝敗ラインに設定した。統一協会問題、裏金自民党組織犯罪事件に対する主権者の厳しい批判を踏まえると、過去の総選挙とは異なり、極めて高いハードルと言える
自民党は裏金議員を中心に厳しい選挙戦を強いられている。自公で過半数議席を確保できるかどうか。「微妙」との選挙情勢分析も流布されている。

安倍内閣時代には「もり・かけ・さくら」という重大な犯罪行為事案が発覚した。
そして、自民党の巨大な組織犯罪である裏金事件、統一協会との深い癒着問題の中核を占めるのが自民党旧安倍派である。
安倍派を中心に自民党議席が大幅に減少することは当然と言えるし、望ましいことである。
与野党が伯仲する国会でなければ事実上の自民党一党独裁政治が実行されてしまう。
この意味では与党勢力の縮減は望ましいことではある。

しかし、今後を展望する場合には、十分に警戒するべき事項が存在する。この点を見落としてはならない。それは、日本支配を永続させようとする米国支配勢力が、自民党衰退の流れが強まるなかで、新たな工作を展開していること。
自民党一党支配が崩壊して革新政権が誕生することを米国支配勢力は恐れてきた。
「悪夢の民主党政権」という言葉が用いられるが、この言葉の本当の意味は、革新政権であった鳩山由紀夫内閣の誕生が彼らにとって「悪夢」だったということ。鳩山内閣は対米自立を指向した。「米国の言いなりにならない日本」を目指した。
鳩山内閣が存続し、2010年参院選で民主党が勝利していたなら、この国のその後の歴史は完全に今とは異なるものになっていた。
この「悪夢」を二度と繰り返してはならない。これが「悪夢の民主党政権」の意味である。

自民党一党支配が崩壊するなかで対米自立を指向する革新政権が誕生することを米国支配勢力が恐れている。これを背景に彼らが目指しているのが対米隷属二大政治勢力体制だ。
自公勢力が縮小するなかで、自公と類似した第二自公勢力を伸長させて、自公と第二自公による二大勢力体制を構築する。目指す方向が転換したと見られる。

自公に対峙する第二自公勢力とは立憲民主、維新、国民民主による連合体。自公とほとんど違いがない維新や野田佳彦氏の言動は石破自民と公明の連立内閣よりも右に偏向していると言ってよいだろう。
安倍国葬の頃からかつての民主党政権を木っ端みじんに破壊した野田佳彦氏を再浮上させる工作が急激に進行した。米国支配勢力傘下のマスメディアが第二自公勢力伸長に注力している
自公と第二自公による二大勢力体制が構築されれば、米国による日本支配構造は盤石のものになる。日本の主権者はこの危険を認識する必要がある

いま求められていることは何か。
自公と第二自公に対峙する「真正野党」勢力を育てることだ。
原発廃止・消費税減税廃止・平和主義堅持 の基本政策を掲げる「第三極」を伸長させることが必要。
立憲民主・維新・国民民主が候補者を擁立している選挙区に共産・れいわ・社民の候補者が擁立している場合、日本政治刷新を求める主権者は後者に投票するべきだ。
立憲民主党候補者への投票は上記の基本政策へのスタンスを厳正に見極めて、第二自公候補でない場合に限定して実行するべきだ。
自公と第二自公による与野党伯仲を手放しで歓迎できない。

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石破新首相が大功績上げる可能性
               植草一秀の「知られざる真実」 2024年10月22日
日米の重要選挙が最終局面を迎えている。
米国大統領選は州ごとに配分された選挙人を各州の勝利者が総取りして獲得選挙人数を競う方式。選挙人総数は538人。過半数の270人の選挙人を獲得した候補者が次期大統領に選出される。
全米に50の州が存在するが共和党が強い州と民主党が強い州が存在する。
現時点でハリス候補が225、トランプ候補が219の選挙人を確保する公算が高い状況。
残る95の選挙人の獲得が勝敗を分ける焦点になる。
選挙ごとに勝敗が入れ替わる傾向が強いのが「激戦州」で「スイングステイト」と呼ばれる。
ミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニア、ネバダ、ジョージア、アリゾナ、ノースカロライナの7州が「激戦7州」として知られている。
2016年選挙ではトランプが7州の5州で 2020年選挙ではバイデンが7州の5州で
勝利して大統領に選出された。
“Real Clear Politics”が各種調査を集計して情勢を随時更新、公表している。
10月22日時点の公表数値では激戦7州のすべてでトランプがリードしている。

本年夏にバイデンが出馬辞退し、ハリスが民主党候補に指名された。
その後に実施されたテレビ討論でハリスが得点を上げ、ハリスが優位に立ったが時間の経過とともに情勢が再逆転しつつある現時点では激戦7州のすべてでトランプが優位に立っている。
ただし、リードはわずかであり、現時点で投票先を決めていない有権者が一定数存在すると見られることから、結果を断定的に予測できる状況ではない。
また、かねてより「不正選挙」の疑惑が指摘されており、この点も含めて結果は投票日まで特定できない状況になっている。

主要メディアの多くがハリスを支援する情報流布を展開している。
米国を支配する巨大資本がハリスの大統領就任を希望していることは明白。
巨大資本の完全支配下に入っていないトランプの勝利を阻止するための工作は投票日まで展開されると予想される。
トランプは欠点の多い人物だが大資本隷属からやや距離を取っている点でハリス候補よりは望ましい側面を有している。
日本の主要メディア記事見出しは「激戦州で接戦」となっているものが多いが、激戦7州のすべてでハリスリードであるなら見出しを「すべての激戦州でハリスリード」としているだろう。
現実がトランプリードであるため、見出しが「接戦」とされていると見られる。

日本の総選挙では統一協会問題と裏金不正組織犯罪の影響で自公に強い逆風が吹いている。
石破首相が設定した「自公で過半数」のハードルは極めて高く、これをクリアできるかどうか。
予断を許さない状況に移行している。

裏金不正事件に対する主権者の目は極めて厳しい。
統一協会問題も調査は不十分であり、関係遮断が断行されたのかどうか、疑念が渦巻いている。
自民党は裏金議員について 12名を非公認とし、3名が比例単独立候補を辞退、34名は公認するが比例重複立候補を認めない措置を取った。
大規模な対応を示したと言えるが世論の批判は極めて強い。自民党が大幅に議席を減らす情勢になっている。

当選できない候補者の多くが旧安倍派議員であり、総選挙によって自民党内勢力分布が一変する可能性が高い。このことは極めて望ましい。総選挙で旧安倍派議員が大幅に落選するなら、石破首相はこのことだけで高く評価される。
さらに、旧安倍派勢力が不満を爆発させて自民党を破壊する行動に打って出ることも考えられる。
自民党が破壊されるなら、石破新首相の功績はさらに高く改革派国民から評価されることになる。

主権者は総選挙で、まず旧安倍派議員を排除し、その上で第二自公を目指す維新と国民民主を排除し、投票先を選択するべきだ。
共産、れいわ、社民を軸に投票先を選定するべきだ。
立憲民主党候補については、原発廃止・消費税減税廃止・安保法制廃止を明示する候補者に限って投票するべきだ。
今回の衆院選を通じて日本政治の大地殻変動が始動する可能性が見え始めている。

  (中 略)

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  (後 略)