2024年10月4日金曜日

イスラエル軍、レバノンに地上侵攻 新局面に/中東戦火拡大に危機感 国連総長

 イスラエル軍は1日、レバノンヘの空爆を続行する中で地上作戦を開始し、戦況は新たな局面を迎えました。イスラエルは18年前の2006年にもレバノンに地上侵攻しましたが、その時はヒズボラに撃退されました。
 ヒズボラは「地上戦への備えができている」「戦闘は長期に及ぶかもしれないが、2006年の時と同様、われわれが勝利する」と宣言しました
 国連のグテレス事務総長は1日、この侵攻に対して「エスカレーションに次ぐエスカレーションだ」「これは中止されなければならない。絶対に停戦が必要だ」と述べました。
 欧州連合(EU)のボレル外相は同日、 への投稿で「攻撃と報復の危険な悪循環は、制御できなくなる危険がある」として地域規模の即時停戦を求めました
 英国のスターマー首相は同日、記者からの質問に「イスラエルとイスラエルの自衛権を支持する」と述べました。またマクロン大統領も同日、イスラエルの安全保障を支援する声明を出しました。いずれも米国と軌を一にするもので、イスラエルの侵攻(中東での戦乱拡大)を止めようとするものではありません。

 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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レバノン地上侵攻 新局面に イスラエル軍、18年ぶり 空爆続行、24時間で95死亡
                       しんぶん赤旗 2024年10月2日
【エルサレム=時事】イスラエル軍は1日、レバノン南部への地上作戦を開始したと発表しました。同国のイスラム教シーア派組織ヒズボラに関連する標的への「限定的な作戦」といいます。ヒズボラは昨年10月以降、パレスチナのイスラム組織ハマスと連帯してイスラエルと交戦。地上作戦開始で戦況は新たな局面を迎えました。
 イスラエル軍のレバノン地上侵攻は、2006年以来18年ぶり。軍は声明で、今回の作戦について「詳細な情報に基づき、限定的、局所的かつ標的を絞った急襲作戦だ」と説明しました。攻撃対象は対イスラエル境に近いレバノン南部の村々といいます。
 ヒズポラの精神的支柱で最高指導者のナスララ師は9月27、イスラエルの空爆で殺害されました。ナンバ2のカセム師は30日公開のビデオ声明で、ヒズボラ部隊が「地上戦への備えができている」と強調。「戦闘は長期に及ぶかもしれないが、(イスラエルがレバノンに地上侵攻した)06年の時と同様、われわれが勝利する」と宣言しました。

難民キャンプ建物を攻撃
 イスラエル軍はレバノンヘの空爆も続けています。レバノン保健省が1日未明に発表したところによると、過去24時間で、レバノン南部、東部ベカー渓谷、首都ベイルートに対するイスラル軍の攻撃により、少なくとも95人が死亡、172人が負傷しました。
 治安関係者によると、イスラエル軍は一晩中、ベイルート南部郊外を空爆。イスラエル軍がベイルートの南、ヒズポラのインフラあるとする建物の近くの地域から避難するよう住民に警告。ロイター記者は、その約1時間後、閃光(せんこう)と一連の大きな爆音を目撃しました。
 イスラエル軍はまた、南部の都市シドンに近いパレスチナ難民キャンプの建物を攻撃しました。レバノン最大のパレスチナ人キャンプヘの最初の攻撃となりました。パレスチナの治安当局者2人によれば、パレスチナのファタハ運動の軍事組織であるアル・アクサ殉教者旅団のレバノン支部の司令を標的にしたもの。消息は不明です。
 イスラエル軍はシリア首都ダマスカスも空爆。民間人3人が死亡、9人が負傷しました
                               (ロイター)


中東戦火拡大 国連総長停戦訴え エスカレーーションに危機感
                       しんぶん赤旗 2024年10月3日
 イスラエルがレバノン地上侵攻を開始したその日のうちにイランがイスラエルヘのミサイル攻撃に踏み切ったことで、中東でさらに戦火が拡大する可能性が高まっています。国連のグテレス事務総長は1日、「エスカレーションに次ぐエスカレーションだ」と非難し、「これは中止されなければならない。絶対に停戦が必要だ」と述べました
 グテレス氏は同日、イラエル軍のレバノン地上攻を受け、「レバノンでの全面戦争はなんとしてもさけなけれぱならない」との声明を発表。直後に、イランのイスラエル攻撃が起きました
 欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策上級代表(外相)は同日、(旧ツイッター)への投稿で「攻撃と報復の危険な悪循環は、制御できなくなる危険がある」として、地域規模の即時停戦を求めました。
 英国のスターマー首相は日、仏、独の首と電話会談し、当事者の自制の必要性で致しました。英首相府が発表しました。スカイニューズによると、スターマー氏は記者からの質に、「イスラエルとイスラエルの自衛権を支持するとも表明しました。
 フランスのマクロン大統領は1日、国防・国家安全保障会議を開き、声明を発表。イランのイスラエルヘの新たな攻撃を強く非難しましたイスラエルの安全保障を支援し、イランの脅威に対抗するため、中東に駐留するフランスの軍事資源を動員したと述べました。

イスラエル軍 レバノン南部に増派
 イスラエル軍は2日、レバノン南部でのシーア派武装組織ヒズボラに対する地上作戦に新たに歩兵部隊と機甲部隊を増派すると発表しました。ロイター通信が報じました。
 1日にイランからのミサイル攻撃を受けたイスラエルは、ガザでの戦闘に加え、レバノン南部での軍事駐留を拡大しており、中東地域がさらなる紛争に巻き込まれる恐れが高まっています。
 米国のウェブメディア「アクシオス」は2日、イスラエルが数日以内にイランの石油生産施設やその他の戦略的地点に対して「大規模な報復」を行うとのイスラエル当局者の発言を報ました。
 イスラエルは、ヒズボラの拠点であるベイルート南郊の空爆を続けました。スラエルは、ぽ地域の住民に新たな避難命令を発しました。この間の大規模な空爆でほとんどの住民は同地域を離れています。
 ヒズボラは、南部のアダイセに侵入してきたイスラエルと2日未明に戦闘となり、イスラエル軍を退けたと発表。レバノンの保健省によると、1日の死者は55人、負傷者は156人に上りました。