2024年10月19日土曜日

再び同じことをしながら「もう二度としない!」と叫ぶイスラエル人/米英はイスラエルを応援

 米メタ社のインスタグラムとフェイスブックから掲載の禁止を迫られているケイトリンが、掲題の記事を出しました。痛烈なイスラエル批判です。それにしても悪の権化とでも呼ぶべきイスラエルを、米英は何故徹底的に支えようとするのでしょうか。

 イスラエルによる虐殺を支援しているアメリカとイギリスはイエメンの首都サナアの周辺をそれぞれ数回にわたって空爆しました。アメリカ空軍はB-2ステルス爆撃機を使用しました。それは地中貫通爆弾で地下の兵器貯蔵庫を破壊するためです。
 彼らはまた絶えず自分たちの正当性を聖書に求めようとしていますが、そんな利己的で一方的な手法で良いのでしょうか。
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再び同じことをしながら「もう二度としない!」と叫ぶイスラエル人
               マスコミに載らない海外記事 2024年10月16日
   パレスチナ人は、横たわって死ぬ以外に一体何をすべきか教えてくれれば、私はハ
  マスを非難する。パレスチナ解放のための(A)暴力を伴わず(B)効果的で(C)公
  正で(D)お人好しでも愚かでもない一貫した計画を示して欲しい。それから私に言
  って欲しい。        ケイトリン・ジョンストン 2024年10月12日

 物語マトリックスの端からのメモ

 パレスチナ人が横たわって死ぬ以外に、一体何をすべきか教えてくれれば、私はハマスを非難する。パレスチナ解放のための(A)暴力を伴わず(B)効果的で(C)公正で(D)お人好しでも愚かでもない一貫した計画を示して欲しい。それから私に話して欲しい。

 私が好きな10月7日の残虐行為プロパガンダの嘘は、女性の乳房をハマスが切り取り、それでサッカーをしたというものだ。なぜなら乳房に触れたことのない奇妙なイスラエル人禁欲主義者だけが解剖学的に不可能なことを思いつく可能性があるからだ。

 良いニュースもある。イスラエル警察に3日間拘留された後、ジャーナリストのジェレミー・ロフレドが釈放されたとグレイゾーンが報じている。警察は彼のパスポートを依然押収しており、携帯電話を調べる間、10月20日まで出国を禁じている。このニュースに注目しよう。

 我々は、人々の中でも最悪の連中に率いられている。この一年、このことを絶えず思い起こさせられた。ライブ・ストリーミングされる大量虐殺を欧米諸国政府が支持し擁護する時に、社会の中で最も残酷で、最も精神病質的に狂った連中に我々は率いられているのだとはっきりわかる。
 この惑星で人類文明が進むべき方向について最も重要な決定を下している連中は、最もその資格がない連中だ。絶対に資格最低だ。そこいらで道を歩いている人から無作為に選んだ人が世界を支配することを認められれば、現在世界を支配している連中よりも、人類に利益をもたらす決定を下す可能性が高い。
 我々の中で最悪の連中に我々は支配されており、我々の中で最悪の連中は、自分たちだけが確実に支配権を握れるよう、できる限りのあらゆる手段を講じている。投票では決して何も変わらぬよう、我々の意見が最小限の影響しか与えないよう、権力を掌握している精神病質者連中の情報権益を推進するよう調整され与えられる情報を、全員が、絶えず摂取させられて、普通の健全な人々の健全で正常な要求は常に破壊され損なわれている。
 このような体制を打倒するのは我々の権利であるだけでなく義務でもある。世界に対しても、支配者連中の邪悪で不健全な意志により、絶えず虐殺され、残虐に扱われ、搾取されている南半球の人々に対しても、我々はその義務を負っている。支配者連中が維持している環境破壊的な経済・政治システムにより我々は絶滅に追い込まれている、この地球で共に暮らす人間以外の全ての生物に対しても、その義務を負っている。
 我々にはこれら怪物を倒す権利があり、連中には我々を阻止する権利はない。連中は我々人類の中で最悪だ。連中の支配は終わるべきだ

https://twitter.com/caitoz/status/1844857223174094924

 普通の人:何千人もの子供を殺し、病院を爆撃し、ジャーナリストを暗殺し、囚人を強姦し、拷問し、民間インフラを意図的に標的にするのは間違っている。
狂人:でも、一年前に悪いことが起きたのだ。

 「二度としない!」とイスラエル人は再び同じことをしながら叫んだ

 更に良いニュースもある。ロシア領の奥深くの攻撃にイギリスの長距離兵器を使用するというウクライナのゼレンスキー大統領の要請をイギリスが拒否したのだ。どうやらロシアの警告は、イギリスを危機から引き戻すに十分だったようだ。今我々が心配しなければならないのは、ワシントや他のNATO諸国がその一線を越えることだけだ。

 ボブ・ウッドワードの新著によると、2022年のある時点で、ウクライナ戦争でロシアが核兵器を使用する確率は50%にも達するとアメリカ諜報機関が評価しているという。彼らは、通貨投げの確率で、全ての陸生生物の命を賭けているのだ。
 これは極めて重大な犯罪行為だ。人類に対する犯罪で、生命そのものに対する犯罪だ。

 アメリカ・メディアが何年もトランプとプーチンの架空陰謀にこだわっていたのを覚えておられるだろうか。ニューヨーク・タイムズの情報筋によると、アメリカ諜報機関は、メディアの圧力を利用して、計画しているモスクワ侵攻の道を開けると計算しているという。
 先週公開された「ウクライナに対するトランプ大統領見解の背後にあるもの:プーチン大統領の策略と政治的恨み」と題された記事の中で、ニューヨーク・タイムズは次のように報じている。  

「ロシアと対峙するアメリカ諜報員の視点から見ると、トランプがプーチンを支持しているようにみえることやロシアとの関係改善に関心があるという報道は、連中がモスクワに対抗するため舞台裏で行っていることを隠蔽するのに都合の良い口実となった。」

 だから、ずっと、これを言ってきた我々にとって、これは強力な根拠となる

 ガザは言説支配の力と、その限界の両方を示す素晴らしい例だ。言説支配の力は、多くの明らかな悪を伴う史上初のライブ・ストリーミングによる大量虐殺への同意を生み出したが、その明らかな悪は、多くの人々を目覚めさせることにもなっている
 子どもが密集している地域に強力な爆弾を投下するのは善で容認できると誰もが信じ込まされていることが言説支配の力を物語っている。10月7日の残虐行為、反ユダヤ主義、自衛、テロについての言説を織り交ぜることでのみ、このように自明に邪悪なことが実際良いことだと皆に考えさせられるのだ。人間は物語を語る動物で、生活は精神的物語に支配されている。従って、不条理な物語を人々に信じ込ませることができれば、不条理な立場や不条理な世界観を支持させられる。
 だが、それは連中の言説を通して人々が見る言説の支配力の限界も物語っている。我々が目にする実に多数の死んだ子どもや、引き裂かれた小さな遺体を抱きしめ泣き叫ぶ母親や父親や、爆撃された病院や、絶望して飢えている民間人がおり、あるのだ。プロパガンダで引き起こされた昏睡状態からハッと目覚め「ちょっと待て、これは邪悪だ! 連中は私にずっと嘘をついていたのか? なんてこった、世界について私が教えられてきたこと全てが嘘だったらどうしよう?」と思うようになる。
 イスラエルもアメリカを中心とする帝国も言説支配の力を理解している。だからこそイスラエルや擁護者連中は、連中とその行為に関する肯定的情報を広めるための広報活動を意味する「ハスバラ」という概念を持っており、だからこそ、アメリカ帝国は史上最も洗練されたプロパガンダ機関を持っているのだ。だが、それにも限界があり、帝国の言説支配によって植え付けられた妄想から人々は目覚め始めている。
 十分な数の人々がプロパガンダから目覚めれば、本当の革命的変化の可能性が開ける。物語のマトリックスの檻の柵強化に、イスラエルとアメリカ帝国が多大なエネルギーを注ぐのはそのためだ。十分な数の人々がお互い現実に目覚められれば、連中にとって終わりだ。そして連中はそれを知っている
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            (後 略)
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/10/12/never-again-cried-the-israeli-while-doing-it-again/


パレスチナなどで住民を虐殺しているイスラエルと戦うイエメンを米英軍が攻撃
                         櫻井ジャーナル 2024.10.18
 パレスチナやレバノンで住民を虐殺しているイスラエルをイエメンのアンサール・アッラー(西側では蔑称のフーシ派を使っている)は攻撃している。そこで、イスラエルによる虐殺を支援しているアメリカとイギリスはイエメンの首都サナアの周辺を6回、サアダ州を9回にわたって空爆したが、攻撃は山岳地帯、サアダの小さな通信網、そして空っぽのキャンプを狙ったもので、兵器庫は攻撃していない。
 その攻撃でアメリカ空軍はB-2ステルス爆撃機を使用した。イエメン軍は過去1年間に11機以上の無人攻撃機MQ-9 リーパを撃墜、アメリカ軍はイエメンの防空能力が高いと判断していると見られている。そのイエメンのアンサール・アッラーは報復を宣言している。
 アメリカやイギリスをはじめとする欧米諸国はイスラエルによる残虐行為を支援してきた。イスラエルの命令に欧米諸国が従っているとする人たちもいるが、中東を支配するため、米英が汚い仕事をイスラエルにやらせているという見方もある。その仕事を請け負っているのがシオニストだが、最近はシオニストの中でも狂信的な勢力が力を持っている。
 そうした勢力に属しているベザレル・スモトリッヒ財務大臣はフランス語チャンネル「アルテ」が制作・放映したドキュメンタリー「イスラエル:権力の極右派」の中で、パレスチナ全土だけでなくシリアまで及ぶユダヤ人国家の設立を目指していることを認めた。ユーフラテス川とナイル川で挟まれた地域、ヨルダン、シリア、レバノン、イラク、エジプトの領土も含む場所は神がユダヤ人に与えたのだと主張する「大イスラエル」構想だ。これは1948年の「建国」時点から消えていない。
 パレスチナに「ユダヤ人の国」を築くというシオニズムは遅くとも16世紀後半に生まれている。エリザベス1世が統治していたイギリスで出現したブリティッシュ・イスラエル主義から派生しているのだ。
 その当時、イギリスのエリート層の中に、自分たちこそがダビデ王の末裔だとする信じる人物が現れた。アングロ-サクソン-ケルトは「イスラエルの失われた十支族」であり、自分たちこそがダビデ王の末裔だというのだ。
 例えばスチュワート朝のスコットランド王ジェームズ6世(イングランド王ジェームズ1世)、あるいはオリヴァー・クロムウェルの周辺にもそう信じる人がいたという。ピューリタンの少なくとも一部はそのように信じていたようだ。

 ちなみに旧約聖書の記述によると、イスラエル民族の始祖はヤコブ。彼には12人の息子があり、それぞれ支族を形成、そのうちユダ族とベニヤミン族の後裔とされる人びとが「ユダヤ人」と呼ばれている。残りは行方不明で、旧約聖書を信じる人びとから「失われた十支族」と呼ばれているのだが、ユダヤ人の定義から外れるので無視されたのだろう。
 キリスト教はユダヤ教から派生したのだが、ヨーロッパでキリスト教が支配システムに組み込まれると、自分たちを神と結びつけるために聖書を都合よく解釈するようになる。もっとも、その前に新旧聖書は改竄されているようだが。
 イギリスのシオニストは自分たちが救済されるためには、パレスチナにユダヤ人を集めなければならないと考えた。そこで彼らはユダヤ教徒のエリートとも手を組むのだが、大多数のユダヤ人からは拒否されていた。
 その後、ユダヤ人の中にもシオニストが増えていくが、ベンヤミン・ネタニヤフ政権の閣僚にはそうした類の人が少なくない。スモトリッヒ財務大臣だけではないのだ。
 例えば、昨年10月、ネタニヤフ首相はパレスチナ人虐殺を正当化するため、「われわれの聖書(キリスト教における「旧約聖書」と重なる)」を持ち出し、ユダヤ人と敵だと記述されている「アマレク人」とパレスチナ人を重ねて見せた
 彼は「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記25章17節から19節)という部分を引用、「アマレク人」を家畜と一緒に殺した後、「イスラエルの民」は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神に命じられたという。
 また、サムエル記上15章3節には、「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。」と書かれている。

 パレスチナ人を皆殺しにするだけでなく、彼らが生活していた歴史を消し去るということだろう。その宣告通りのことをイスラエルは行っている。彼らにとって「アマレク人」はパレスチナ人だけを指しているわけではない。
 アメリカ、イギリス、イスラエルはブリティッシュ・イスラエル主義で結びついている。