昨年10月7日のハマスによる奇襲を受けたイスラエルが、パレスチナのガザ地区への軍事侵攻を始めてから7日で1年になります。
イスラエルはハマスの奇襲に全ての原因があるという口実で、ガザの人たちに対し言語に絶する大虐殺を続けています。それはイスラエルが受けたとする被害とはあまりにも不釣り合いな報復であり、ハマスの奇襲を奇貨としてそれを口実にパレスチナ人に対するジェノサイド(集団殺害)を行っているとしか受け取れません。
いうまでもなく民間人を無差別に殺害することは国際法や国際人道法に違反しています。
米国をはじめとする西側諸国が当初からそれを容認して来たことは理解に苦しむところですが、西側の国民の間に政府を非難する声が高まるなかでようやく西側のリーダーたちの発言のニュアンスも変わっては来ました。
とはいえ米国とイスラエルとの「不正常な関係」は理解の埒外で、米国は「中東戦争の起爆剤」にするべくイスラエルを「養成している」という一部の見方は、最近の一連の動きと整合するものです。
⇒(9月30日)イランに罠を仕掛けたワシントン イランは餌に食いつくだろうか?
しんぶん赤旗に掲題の「すいよう(=水曜)特集」記事が載りました。ガザ地区の現状を説明するイラストを中心とするものですが、それは転載出来ないため 地の文章を中心に紹介します。
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イスラエルの軍事侵攻1年 『ガザに安全な場所がない』『すいよう特集』
しんぶん赤旗 2024年10月2日
昨年10月にイスラム組織ハマスによる奇襲を受けたイスラエルがパレスチナのガザ地区への軍事侵攻を始めてから7日で1年になります。
<ガザの人道状況> … (イラスト表示からテキスト文を抜粋)
約4万1500人が死亡
約9万6000人が負傷
190万人が避難民に
避難所のスペース 1人につき1・5平方m
住居用建物の6割以上が損壊
(数値は9月25日現在。国連の発表から作成)
ガザ保健当局は9月半ば、8月末までに軍事侵攻で殺害された人のうち身元が確認できた住民3万4344人の名簿を発表しました。過半数が女性や子どもです。649ページある名簿の最初の14ページは、1歳未満の子ども710人で埋まっています。
ハマスの奇襲は無差別のテロ行為であり、許されません。しかし受けた被害とは不釣り合いな規模の報復であり、民間人を無差別に殺害することは国際法や国際人道法に違反しています。
国連や人道支援団体の関係者は「ガザに安全な場所はない」と語ります。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、9月下旬時点でイスラエル軍はガザのほぼ全域で軍事作戦を行ったり住民に退避命令を出したりしていまず。人道支援に使える道路も限られています。
イスラエルの蛮行を許している最大の原因は米国政府の姿勢にあります。バイデン政権は対イスラエル武器支援を続けています。国連安保理では拒否権を行使して停戦決議案を何度も葬り去りました。ロシアのウクライナ侵略を非難するー方でイスラエルを擁護するダブルスタンダード(二重基準)も批判されています。
一方で、国連総会(193カ国)は昨年12月に約8割の国の賛成で停戦を求める決議を採択。国際司法裁判所もイスラエルに対してジェノサイド(集団殺害)防止の措置を取るよう命令を出すなど、国際社会はイスラエルと米国へ批判を強めています。(年表参照)
(年表) イスラエルに批判を強める国際社会
日 付 出 来 事 【2023年】 10月 7日 イスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲。イスラエルが報復攻撃開始 |