植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
石破氏が自民総裁選の決選投票を逆転で制することが出来たのは、旧岸田派の票が石破氏に流れたことと、菅氏も小泉支持議員に決選投票では石破氏支持を指示したからでした。
いまメディアによって驚くような石田首相叩きが展開されている背景には、高市氏を推した勢力が激しい石破茂攻撃を展開していることと、日本支配を容易にする(小泉)首相誕生を希望した米国の意向があると述べています(高市氏が圧倒的に党員票を集めることが出来たのは、青山繁晴議員が毎年獲得してきた「ネトウヨ」党員の支持によるものと言われています)。
高市氏は「金融緩和と積極財政」=「弱肉強食化を推進するアベノミクス」の支持者で「ネトウヨ」党員もそれを熱烈に支持していますが、激しいインフレと日本円暴落をもたらす「アベノミクス」は、ハゲタカ資本などが熱望しこそすれ、日本にとって「害悪」に他ならないことは、植草氏が常々述べているところです。
そして来る選挙では主権者は ・自公、・立民を軸にする第二自公、・反自公の第三極、の三者のなかから支援対象を選択する必要があるものの、野田佳彦氏が新党首に就任した立民は掲げる政策路線は自公と相違がなく、自公、第二自公とは異なる「反自公の第三極」勢力の躍進が求められると述べています。
併せてSmart FLASHの記事〝「詐欺集団」「騙された」石破茂 「裏金議員」公認に国民激怒…総選挙で単独過半数割れなら総裁選やり直しの仰天プランも″を紹介します。
自民党関係者が明かしたこととして、「党役員では、森山裕幹事長が絶大な権力を持っている。そもそも総選挙の日程は岸田政権下ですでに決められていて、石破さんだけが知らなかった。そして、幹事長人事は森山さんでいこうと党内では決まっていた。安倍政権から続いた官(邸)高党低が完全に一変し、今は岸田前首相をはじめとする党内の権力が非常に高まっている。そういう意味では、石破さんは気の毒」などと、記されています。
また日経新聞によれば石破首相は6日、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる不記載があった議員の衆院選の対応について、党の処分が継続中なら政治倫理審査会で説明責任を果たしている場合を除き非公認にする、不記載議員は公認する場合も比例代表への重複立候補を認めない、などを骨子とする方針を固め、「結果として相当程度の非公認が生ずることとなるが、国民の信頼を得る観点から公認権者として責任を持って、9日には最終的に判断していく」と語りました。併せて紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
心に刺さらぬ野田新代表の言葉
植草一秀の「知られざる真実」 2024年10月6日
衆議院が10月9日に解散され、総選挙が10月15日に公示、10月27日投開票の日程で実施される見通し。
重要なことは日本の主権者が、この選挙にどのように挑むのかである。
自民党総裁選では石破茂氏と高市早苗氏との間で決選投票が行われた。
1回目投票では高市氏が首位に立ったが決選投票で逆転された。
この総裁選は自民党長老の闘いの場でもあった。
当初、当選が有力視された小泉進次郎氏を推したのは菅義偉氏。
小泉氏を決選投票に勝ち残らせるために死力を尽くしたと見られるが小泉氏は3位に後退して初戦敗退した。
自民党副総裁として高いポジションを維持してきた麻生太郎氏は麻生派が支援する河野太郎氏、上川陽子氏、小林鷹之氏が決選投票に残れない情勢を踏まえ、河野太郎氏を見捨てて高市早苗氏支持を指令した。
高市早苗氏は決選投票に残ることができたが決選投票で敗北した。
石破氏を当選させる原動力になったのは岸田派。
派閥を解散したが岸田氏の指示により旧岸田派の票が石破氏に集められた。
この結果、石破氏が決選投票で逆転勝利した。
菅、麻生、岸田の3長老のなかで岸田氏が勝利を収めたと言える。
菅氏は決選投票で石破支持を指示して辛うじて主流派に加わることに成功した。
麻生氏は高市氏が敗北したことを受けて主流派の地位から転落した。
石破新体制が発足したがメディアが驚くような石破叩きを演じた。
背景に日本を支配する米国の意向がある。米国は日本支配を容易にする首相誕生を希望した。
小泉進次郎氏が最適であり、石破茂氏はコントロールが容易でないことから警戒された。
その石破氏が勝利したために激しい攻撃が展開されている。
また、高市早苗氏推しの勢力が激しい石破茂攻撃を展開している。
この勢力は金融緩和と積極財政を主張し、同時に日本の弱肉強食化を推進する。アベノミクス残党勢力だ。
黒田日銀の常軌を逸した金融緩和は激しいインフレと日本円暴落をもたらした。
激しいインフレは債務者に利得を与える。
同時に企業の実質賃金コストを引き下げることから大資本が歓迎する。
日本円暴落は日本乗っ取りを狙うハゲタカ資本が待望するもの。
輸出製造業も日本円暴落で濡れ手に粟の利益を享受する。
ハゲタカ資本、外資、輸出製造業とこの勢力が癒着している疑いが濃厚である。
ところが、高市氏が敗北して石破氏が勝利した。
石破氏勝利で一時的に円高・日本株安が生じたため、この勢力が「石破ショック」と騒ぎ立てて石破新体制を攻撃した。
しかし、石破首相は前のめりの金融引き締め政策をけん制し、為替は再び円安に回帰した。
米国経済指標の影響もあって日本株価は9月27日の高値に接近。
「石破内閣で株価暴落」という図式が消えてしまった。
重要な問題は財政政策の中身を抜本的に改革すること。これが大きな課題として残っている。
主権者は自公、立民を軸にする第二自公、反自公の第三極、の三者のなかから支援対象を選択する必要がある。
立民は野田佳彦氏が新党首に就任したが、掲げる政策路線は自公と相違がない。
消費税減税を否定している。原発を容認している。軍拡を肯定している。
野田氏が指し示す方向は「第二自公」である。
野田氏の方が石破氏よりも右に位置していると見られている。
この野田氏は共産党との共闘を否定している。
また、2009年には消費税増税阻止を声高に叫びながら、2012年に公約違反の消費税大増税法制定を強行した「実績」を有する。
野田氏が石破氏に「公約違反」を攻め立てても、本人が公約違反の標本のような存在だから説得力がない。
自公、第二自公とは異なる「反自公の第三極」勢力を全面支援する主権者が多数存在する。
この勢力の躍進が求められる。
(後 略)
「詐欺集団」「騙された」石破茂 「裏金議員」公認に国民激怒…総選挙で単独過半数割れなら総裁選やり直しの仰天プランも
Smart FLASH 2024.10.04
「これでは岸田さんが退陣した意味がない」
報道機関各社が発表した石破新内閣の支持率が軒並み低調であることがわかり、自民党議員のひとりが、こうため息をついた。単純な比較はできないものの、固定電話以外への聴き取り調査を開始した2002年以降の内閣の発足時の結果としては、最低水準にあるという。
石破茂首相は10月3日、「政権発足時として高くないことは真摯に受け止めなくてはならない」と話し、さらに「裏金の問題について国民のいろいろな思いが払しょくできていない」と述べた。
「総裁選時、石破さんは早期の解散総選挙には否定的でした。ところが、総裁就任直前になって、代表質問を終えたら解散すると宣言した。当初、予算委員会での審議を経た11月初旬の解散を想定していたので、ズレとしては1カ月程度ですが、愚直さ、実直さを評価されていた石破さんですから、有権者の印象はよけいによくないでしょう。
さらに、致命的とも言えるのが10月3日に朝日新聞が報じた問題です。石破さんは、派閥の裏金事件で処分を受けたいわゆる“裏金議員”に次期衆院選で公認する方針だというのです。石破さんは6日に該当議員への聴き取りをするそうですが、それでガス抜きになるとは思えません」
SNS(X)にはそんな失望感のコメントが数多く投稿された。
《石破氏て、権力持ったら、今までの歴代よりももっと自民党的だった》
《見損なったな〜!騙された感じだな〜?石破茂自民党総裁は「狸親父」》
《どうやって信頼できると思ってるの?恐ろしいほどの言動不一致やな》
《裏金議員公認や比例重複も公認とかもはや政治家じゃなく詐欺集団ですやん》
石破内閣の面々は副大臣と政務官がほぼ留任だったことから、「岸田内閣の居ぬき」と自民党関係者は明かす。
「党役員では、森山裕幹事長が絶大な権力を持っているんです。そもそも総選挙の日程は岸田政権下ですでに決められていて、石破さんだけが知らなかった。そして、幹事長人事は森山さんでいこうと、党内では決まっていた。安倍政権から続いた官(邸)高党低が完全に一変し、今は岸田文雄前首相をはじめとする党内の権力が非常に高まっています。そういう意味では、石破さんは気の毒ですね」(同関係者)
衆院選の投開票日は27日。あと3週間余りだが石破内閣が浮揚する要素はほとんどない。党内では宇野宗祐内閣を超える超短命内閣となる可能性も囁かれる。
「自民党の衆議院議員は258人。裏金議員を公認しなければその時点で、単独過半数を大きく割り込みます。なので、石破さんも公認せざるを得ないのは理解できます。とはいえ、これで仮に単独過半数割れになれば、退陣は必至です。
党内では、単独過半数割れした場合、林芳正官房長官が臨時代理として内閣を継承し、再度、議員投票で総裁を決め直すというプランまで浮上しています。その場合、次の総裁は加藤勝信氏に内定しているという話もあります。いずれにせよ、石破さんは追い込まれているのは間違いない」(同前)
いったい何のための総裁選だったのかー。
政治資金不記載、萩生田・高木氏ら非公認に 首相が方針
日経新聞 2024年10月6日
自民党の森山幹事長らと協議後、党本部で記者団に話す石破首相(6日午後、東京・永田町)
石破茂首相(自民党総裁)は6日、派閥の政治資金パーティーをめぐる不記載があった議員の衆院選(15日公示―27日投開票)の対応方針を説明した。党の処分が継続中なら政治倫理審査会で説明責任を果たしている場合を除き非公認にする。不記載議員は公認する場合も比例代表への重複立候補を認めない。
党本部で森山裕幹事長らと協議後、記者団に語った。
首相は①党が「選挙における非公認」以上の重い処分を決定した議員 ②「非公認」より軽い処分が継続中で政倫審での説明責任を果たしていない ③地元で十分に理解が進んでいない ―の3つのいずれかの条件で非公認とする考えを示した。
①は党員資格停止中の下村博文元文部科学相、西村康稔元経済産業相が該当する。処分期間を終え4日付で資格が復活した高木毅元復興相も対象になる。
②はいずれも党役職停止中の旧安倍派の萩生田光一元経産相、三ッ林裕巳氏、旧二階派の平沢勝栄元復興相が当てはまる。
首相は不記載があった議員は公認する場合も比例代表の重複立候補を認めないと説明した。これらの方針を決める立場の自民党総裁・四役も比例重複はしない。
首相は記者団に「結果として相当程度の非公認が生ずることとなるが、国民の信頼を得る観点から公認権者として責任を持って最終的に判断していく」と強調した。9日の党選挙対策委員会で最終的に決定する方向だ。
(後 略)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。