イスラエルに武器支援を続け、ガザでのジェノサイドに加担するバイデン米政権に、市民の怒りが拡大しています。しんぶん赤旗が米国の運動の到達点と今後について、米シンクタンク「政策研究所」の中東専門家フィリス・ベニスさんに聞きました。
グテレス国連事務総長は8日、ガザでの衝突が2年目に入ったことを受け「この戦争の遂行方法には根本的な誤りがある」、「ガザは苦しみの震源地と化した」「ガザでの全ての国際人道法違反を強く非難する」と強調しました。
イスラエル国会の外交・国防委員会は6日、UNRWAの同国内での活動を認めず、他の国連職員が持つ免責などの特権をUNRWA職員には適用しないという法律を今月下旬に審議しようとしています。
国連事務総長のグテレス氏は、「UNRWAがなければ、ガザで食料や避難所、医療を提供することが不可能になる」「法案は国連憲章に反し、国際法上のイスラエルの義務に違反する」として、ネタニヤフ首相に対し、成立を阻止するよう求めました。
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米政府の虐殺加担に怒り (シリーズ ガザと世界1年)
しんぶん赤旗 2024年10月10日
イスラエルに武器支援を続け、パレスチナ自治区ガザでのジェノサイド(集団殺害)に加担するバイデン米政権に、市民の怒りが拡大しています。米国の運動の到達点と今後について、米シンクタンク「政策研究所」(IPS)の中東専門家フィリス・ベニスさんに聞きました。
(ワシントン=柴田菜央)
米シンクタンク「政策研究所」 フィリス・ベニスさん
停戦を求める運動は、驚くべき規模で広がっています。いままでパレスチナのことや米国の武器輸出について考えたことのなかったような人たちが、日々ネットやスマホでジェノサイドの生々しい状況を目にし、ユダヤ人コミュニティーでも大きな変化が生まれています。
ユダヤ人の私が子どもの頃は、ユダヤ人ならイスラエル支持が当たり前で、ほかに選択肢はありませんでした。しかし、いまの若者は、ユダヤ人としてのアイデンティティーを社会正義を求める時代の流れの中でとらえています。白人警官による黒人の殺害事件や気候危機に対して声を上げるように、パレスチナ人の人権も求めて立ち上がっているのです。
政府止める責任
バイデン政権に抗議する政府職員の辞職も相次ぎました。これはかつてないことです。
バイデン大統領は、いまでこそ「停戦が必要だ」と繰り返しますが、最初はそれすら言いませんでした。イスラエル擁護に批判が高まり、11月の大統領恵に向けた与党民主党の予備選で同氏ではなく「該当者なし」への投票を呼びかける運動が巻き起こってから、ようやく「停戦」を口にするようになりました。
それでも、武器輸出政策は全く変えていません。200億ドル(約3兆円)の武器売却を承認しています。これは犯罪であり、私たち国民をジェノサイドの共犯者にしています。
イスラエルは国際社会の中で明らかに孤立しています。私たちには、イスラエルの無法行為を可能にしている米政府を止める責任があります。
連邦議会で、民主党のサンダース上院議員がイスラエルへの武器売却の中止を求めて他の議員とともに決議案を提出しました。非常に重要な動きです。
議員の中には、イスラ工ルは間違ったことをするはずがないと思っている人がいまだに多くいます。その中でもサンダース議員は、米国が大量の武器を送ることが誰の命も守らず、イスラエルの戦争犯罪に加担するだけだという市民の訴えを真剣に受け止めています。
市民は、サンダース議員に感謝の手紙を送ったり、複数の議員に決議案の共同提案者になるよう請願したりしてきました。
今こそ結集の時
大統領選と同時に議会選が行われるいまこそ、結集する時です。各議員に決議案を支持しなければ選挙で投票しないと迫る運動など、さまざまな取り組みが進行中です。
ガザ軍事作戦は「根本的な誤り」
しんぶん赤旗 2024年10月10日
【ニューヨーク=時事】グテレス国連事務総長は8日、イスラエルとイスラム組織ハマスによるパレスチナ自治区ガザでの衝突が2年目に入ったことを受け「この戦争の遂行方法には根本的な誤りがある」と述べ、即時停戦を改めて求めました。ニューヨークの国連本部で記者団を前に声明を読み上げました。
グテレス氏は、衝突で子どもや女性を合む4万人以以上が死亡し、今も住民が繰り返し避難を強いられているガザは「苦しみの震源地と化した」と強調。「民間人は保護されなくてはならない」と訴え、「ガザでの全ての国際人道法違反を強く非難する」と語りました。
UNRWA活齢禁止審議 イスラエル 国連総長が法案批判
しんぶん赤旗 2024年10月10日
【ニューヨーク=時事】イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が2年目に入り、パレスチナ自治区ガザの人道支援で国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の重要性が増しています。ところがイスラエルは、ハマスとの関係を指摘しUNRWAの活動を事実上禁止する法案を審議。グテレス国連事務総長は8日、法案が成立すれば「大惨事になる」と批判し、活動継続を訴えました。
『国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
イスラエル建国に伴い発生したパレスチナ難民支援のため1949年に設立された
国連機関。パレスチナ自治区ガザやヨルダン川西岸、レバノンなど5地域で福祉や教
育を提供しています。
職員約3万人の大半がパレスチナ人。昨年10月のイスラエルとイスラム組織ハマ
スの衝突以降、犠牲となった職員は220人を超えます。(時事)』
イスラエル国会の外交・国防委員会は6日、UNRWAに関する二つの法案を承認。同国内での活動を認めず、他の国連職員が持つ免責などの特権をUNRWA職員には適用しないという内容で、現地メディアによると今月下旬以降、国会で審議を継続します。
これについてグテレス氏は、記者団を前に「UNRWAがなければ、ガザで食料や避難所、医療を提供することが不可能になる」と強調。法案は「国連憲章に反し、国際法上のイスラエルの義務に違反する」として、イスラエルのネタニヤフ首相に対し、成立を阻止するよう求めました。
UNRWAを巡っては今年初め、一部職員が昨年ガザのハマスによるイスラエル奇襲に関与した疑惑が浮上。その後、独立調査団が組織の改善策を勧告し、関与したとされる職員は解雇されました。
しかし9月末、イスラエルによるレバノン空爆で死亡した職員がハマス幹部だったと判明。イスラエルは「ハマスのテロリストに侵略されている」(ダノン国一大使)としてUNRWA解体を求める姿勢を崩していません。
グテレス氏は8日、法案に懸念を表明する書簡をネタニヤフ氏に送ったと明らかにしました。ただ、イスラエルはグテレス氏の入国を禁止するなど国連との関係が悪化の一途をたどっており、ネタニヤフ氏が従う可能性は低いのが実情です。
「ヒズボラ弱体化」ネタニヤフ氏強調 イスラエル攻撃正当化
しんぶん赤旗 2024年10月10日
【エルサレム=時事】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズポラヘの攻勢を強めるイスラエルのネタニヤフ首相は8日、ビデオ演説し、9月末に爆殺したヒズボラの最高指導者ナスララ師の後継者を殺害したと語りました。その上で、「ヒズポラは弱体化している」と強調しました。
ネタニヤフ氏は演説で、イスラエル攻撃を続けるヒズボラに対する自衛権を主張し、軍事作戦を正当化。パレスチナ自治区ガザを引き合いに、レバノン国民に「破壊と苦しみ」に満ちた長期戦に陥る前にヒズボラに立ち向かうよう呼び掛けました。
イスラエル軍は8日、過去24時間で、レバノン南部の125ヵ所の標的に空爆を加え、戦闘員少なくとも50人を殺害したと発表しました。
一方、米国防総省は8日、翌日予定されていたガラント氏の訪米が延期されたと発表しました。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。