2021年11月4日木曜日

憲法公布記念の日に、あらためての憲法擁護の決意を

 文化の日の3日は憲法公布記念の日でもありました。戦前の暗黒の時代を形作った大日本帝国憲法が日本国憲法に一新され、生まれ変わった日でした。

 1日の空白もなくブログ「澤藤統一郎の憲法日記」を書き続けておられる澤藤弁護士の「憲法公布記念の日に、あらためての憲法擁護の決意を」を紹介します。
 併せて3日、国会正門前で開かれた「平和といのちと人権を! 11.3憲法大行動~憲法公布75年 ともに時代を切り拓こう!~」集会(参加者1500人。他にオンライン参加者500人)に参加された「被処分者の会」の近藤徹氏のレポートを紹介します。
  正式名称:「日の丸君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会、
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憲法公布記念の日に、あらためての憲法擁護の決意を
                   澤藤統一郎の憲法日記 2021年11月3日
秋日和の「文化の日」である。いうまでもなく憲法公布記念の日。この憲法、総選挙における改憲派の大勝をさぞかし嘆いていることだろう。

祝日法(国民の祝日に関する法律)では、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」とされている。憲法の理念を、「自由」「平和」「文化」としたのであろう。「自由の日」「平和の日」でもよかったはずだが、どういうわけか「文化の日」。
「自由」と「平和」に並ぶ第3の理念としては、「国民主権」「民主主義」がふさわしい。四字では釣り合わないというのなら、「民権」「民主」。「国民主権の日」も「民主の日」も、すてきなネーミングではないか。「国民が主権者であることを確認して、民主主義の発展をことほぐ日」である。この度の総選挙の結果は、「自由」と「平和」と「民主主義」に影を落とすものとなった

「文化をすすめる」「文化の日」は、その主体も内容もよく分からないが、戦後のこの時代には、「軍国日本」「大国化願望」を否定する文脈で「文化立国」が語られていた。文化とは、「自由」「平和」「民主主義」のいずれをもイメージする言葉であったのだろう。
周知のとおり11月3日は、明治天皇・睦仁の誕生日である。この人、幼くして幕府と西南雄藩連合との政争の具となり、薩長閥に担がれて維新政府の傀儡となった。そして、大日本帝国憲法が制定されるや、神権天皇となり統治権の総覧者となった。おそらくは不本意な人生であったろうが、生涯その矩を超えることはなかったようだ。

日本国憲法は大日本帝国憲法の拠って立つ基本原理を否定するところから出発している。この社会にある旧憲法の残滓と対峙し、これを一掃すべきが、主権者である日本国民の責務と言うべきである。その日本国民は、かつては臣民として主権者たる睦仁や裕仁に臣従を余儀なくされていた。その隷従の時代を懐かしんだり、奴隷主に等しい睦仁の誕生日を祝したりする時代の空気の復活を許してはならない。
にもかかわらず、総選挙での保守側の大勝という衝撃の結果は、私たちのこの社会の民主主義の未熟さを示して余りある。改憲派の議席も3分の2を超えているのだ。流れを上ろうとする水鳥の如く、絶えず全力での水掻きを続けないと、たちまちにして時代は後戻りする。逆コースが現実なものとなりかねない。

秋日和の「文化の日」、あらためてそれぞれが日本国憲法の理念を大切にしようと決意をすべき日でなければならない。


憲法公布75年・憲法を守り抜こう!市民と野党の共闘で参院選勝利へ~平和といのちと人権を!11・3大行動
                                        近藤徹  レイバーネット日本 2021/11/03
                                             (被処分者の会)
憲法公布75年を祝福するような秋晴れの11月3日午後、「平和といのちと人権を!11.3憲法大行動~憲法公布75年 ともに時代を切り拓こう!~」が国会正門前で開かれ、1200人(オンライン参加を含め2000人)が憲法を守り抜く決意を新たにした。

野党が議席を減らし、改憲勢力の自民・公明・維新が3分の2以上(70%超)の議席を獲得した衆議員選挙直後の集会となり、改憲への危機感が漂っていると感じた。特に議席を大幅に増やした維新は自公に改憲のハッパをかける「突撃隊」の役割を果たしている。
憲法を守り抜くため来年の参議院選挙で何としても勝利したい。そのためには市民と野党の共闘を強めることが必要だ。一部のメディア、連合などがしきりに「野党共闘は失敗した」などと声高にキャンペーンを繰り広げている。これに野党の一部が動揺しているのが心配だ。野党共闘攻撃は自公維などが如何に市民と野党の共闘を恐れているかの証に他ならない。「市民と野党の共闘」に確信を持ち参院選勝利に向けて団結を強めよう!

集会では、野党共闘で当選した立憲民主・近藤昭一参院議員、日本共産党・田村智子参院議員、社民・福島瑞穂参院議員が連帯のスピーチをした。いずれも「市民と野党の共闘」こそ憲法・人権・いのちと暮らしを守り、参院選に勝利するカギだと共通して述べていた。
被処分者の会原告・支援者もノボリ旗の下、15名ほど参加した。