橋下徹氏が、今度の衆院選で当選した「れいわ」の大石あきこ氏を目の敵にして、同氏を攻撃するツイートを、一時は「秒刻み」「分刻み」で連発したということです。憤激にかられたにしても余りにも異常なことです。ネット上では、橋下氏のことを「大石パニックおじさん」と からかう声が上がっているということです。
それに対して大石氏も次のようにツイートしています。
〈橋下徹が私に粘着するせいで、すごく注目浴びてしまった。もう、粘着するなよ! 絶対に粘着するなよ!〉
そこには余裕があり橋下氏のパニックぶりがネタになっています。こういう論争??では、やはり余裕をもっている方に軍配が上がり、「勢いよく言い募れば勝ち」というのは幼稚な考えです。
橋下氏が大石氏に「粘着」するのには理由があって、そもそも二人の出会いは2008年に橋下氏が大阪府知事として初登庁した日の朝礼で、選挙中から繰り返していた公務員叩きをぶったのに対し、当時大阪府の職員であった大石氏が、「サービス残業をどれだけしていると思っているんですか」と声を上げ、橋下氏の言動について「府民と職員の分断だ」と厳しく批判したのでした。
維新は大阪都構想について住民投票で否決されたにもかかわらず、昨年 二度目の住民投票に挑戦して再び否決されました。これには「れいわ」の山本太郎氏と大石氏が中心となって都構想反対の街宣を盛んに行なったのが大きかったということです。
また衆院選当日の特番で橋本氏が、山本代表に対して、インタビューの相手なのにもかかわらず話すスキを与えず、所得税率やインボイス制度をめぐって事実とは異なるデタラメを主張しながら、山本氏に対して「詐欺師」と名誉毀損まがいの攻撃を繰り広げて顰蹙を買いましたが、それを根に持っていたからなのかどうか。
大石氏が指摘するように橋下氏は「粘着質」の性格のようです。
LITERAが取り上げました。
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橋下徹が「れいわ」大石あきこ議員に粘着攻撃で「大石パニックおじさん」の異名! 吉村知事の文通費問題を暴いた因縁の相手
LITERA 2021.11.29
自分たちこそが税金の私物化をしていながら、連日、文通費問題で“身を切るアピール”を喧伝しまくっている維新。“創業者”である橋下徹・元大阪市長も一緒になって、メディアで文通費問題をやたらと取り上げ、維新を持ち上げる一方で、自民党ではなく野党を攻撃し続けてきた。
だが、その橋下氏がここにきて醜態を晒している。
橋下氏が自らのの責任や偏向ぶりを指摘されないようアリバイ的に維新の国会議員に対しても批判を始めたところ、橋下氏を維新所属の足立康史衆院議員がツイッターで〈コメンテーターの筋違いの批判〉〈大阪維新の会の応援だけをするとテレビに出れなくなるから、党国会議員団の批判をしてバランスを取ってるのでしょう〉などと、まさにその意図を暴露。これに対し橋下氏が〈世間のことを何も知らない国会議員〉などと応戦し、足立議員が〈経験不足はお互い様。このコメンテーターの限界は〉と反撃する舌戦に発展したのだ。
さらに、このバトルには元維新の丸山穂高・元衆院議員も入ってきて、〈政党交付金と立法事務費の違いも分からず取り敢えずツイートしてる元知事に言われてもなw はいはい、文句あるなら国会議員の一回でもやってから文句言えよ〉と、橋下氏の口癖を使ってからかっていた。
丸山・元議員は暴言で維新を除名されているし、足立議員も過去にも橋下氏とバトルになったことがあるうえ、今回は自分たちにふりかかっている交付金の使い方やセルフ領収書の問題をごまかしたいという意図があったのだろうが、元身内の議員に痛いところを突かれ、こんな低レベルなバトルを繰り広げるとは、橋下氏も落ちたものである。
しかし、橋下氏はその少し前に、もっとひどい醜態をさらしていた。れいわ新選組の大石あきこ衆院議員の維新批判に対し、過剰反応としか思えない攻撃を執拗に繰り返し、ネット上では、橋下氏のことを「大石パニックおじさん」とからかう声まであがるほどの状態になっていたのだ。
大石議員は先日の総選挙で当選したばかりの新人議員だが、実は、橋下氏とは浅からぬ因縁がある。
大石議員は元大阪府職員で、2008年橋下氏が大阪府知事に就任し初登庁した日の朝礼で、選挙中から繰り返していた公務員叩きをぶったのに対し、「サービス残業どれだけしていると思っているんですか」と声を上げ、橋下氏の言動について府民と職員の分断だと厳しく批判したことでも知られる。
橋下徹が因縁の相手・れいわ大石議員に執拗な攻撃!公職選挙法無視のデタラメ批判も
まず、橋下氏が〈立憲民主も国民民主もれいわも共産も起きてまっか?山本太郎さんも4時間で200万円相当の収入を丸取りでっか?丸取りならあんたらの言うこと信用ならんで!〉などと野党を挑発したのに対し、大石議員は〈維新を倒すための戦費として私は100万円でも何でも使います〉と挑発返し。
さらに、吉村知事自身が「衆院議員在職1日で文書費100万円」を受け取っていた問題の裏を取って、告発したのだ。
大石議員は15日、ツイッターで〈吉村知事が衆議院議員を退職した2015年10月1日。10月の文通費100万円を受け取ったか、衆議院担当部署に問い合わせたら「100万円受け取った」「返金してない」との回答でした。〉と投稿、維新の姿勢についても〈吉村さんと維新はこの6年間、何をやってたんですか?「やる気がないのに騒いでいるだけ」なのが明らかになりました〉〈吉村知事が1日で文通費100万円もらった件、「6年も前」「記憶があいまい」とおっしゃるんですが、維新HPの文通費報告ページに吉村さんの当該月がありません。小さな話と言うのならば、この件、他党ディスりと本質そらしが目的だったのでしょう〉と喝破した。
ところが、こうした大石氏の維新へのカウンター、デタラメ暴きに橋下徹は16日になって、常軌を逸しているとしか思えない攻撃を始める。
吉村氏の「1日で文通費100万円」を大石氏が最初に指摘したという都合の悪い事実には一切触れないまま、前述の〈維新を倒すための戦費〉ツイートだけをあげつらって、〈これがれいわ新選組の国会議員の実態〉〈あんたらが使うそのお金、誰が負担してるの?もっと納税者に対して謙虚になれよ!この人、元公務員。こういう人たちは、府市民のことよりも自分たちの待遇向上が第一の傾向あり〉などと秒刻みで反論。
また〈維新以外の野党はどうなってんの?れいわ新選組の大石議員は100万円は丸々いただくんだって。れいわの非常識度が炸裂!〉と分刻みで同じことを2回連続でツイートした。
そのあとも、「立民、文書交通費の日割り支給目指す 法案作り議論へ」という「大石」も「れいわ」もまったく出てこない産経の記事をリツイートし、〈法案作りだけ?今回の100万円は丸々ポケットに入れるの?こんな状況で100万円を悪びれもなく丸々いただくと宣言するれいわ新選組の大石議員の異常さ、非常識さが際立つ〉と大石議員を名指しでディスるなど、とにかくなんでもかんでも“大石憎し”で個人攻撃に結びつけようとしているのが誰の目にも丸わかりの状態になっていた。
しかも、橋下氏は一連の大石攻撃で、完全なデタラメまで垂れ流していた。同じ16日夜ツイッターでこんな投稿をしたのだ。
〈しかも、このれいわ新選組の大石議員。比例でギリギリの当選で、10月31日には当選が確定していない。1日未明に当選が確定。それなのに10月分の文通費100万円を丸取り。0日で100万円!れいわ新選組とその議員の非常識は異常。しかも元公務員。〉
改めて説明するまでもないが、議員の任期開始はマスコミの打つ当確時間や選管の得票数確定のタイミングとはまったく関係なく、全員一律で選挙期日あるいは前任者の任期満了日翌日と決まっている。
当たり前だろう。誤報もありうるメディアの報道や地域ごとの開票作業の進捗状況によって、個々の議員の任期期間開始がいちいち左右されていたら、議員の任期制度がめちゃくちゃになってしまう。ところが、公党の代表も務めたことのある橋下氏は大石憎しで、公職選挙法、いや、普通の社会人でもわかるような理屈を無視して、あたかも当確の時間により任期スタートが違ってくるようなデマを平気で拡散したのだ。
『めざまし8』は大石議員をVTRでだけ出演させ、橋下徹に後出しで批判させ放題
こうした卑劣で執拗な大石攻撃はツイッター上だけではない。11月18日、橋下氏がレギュラーコメンテーターを務める『めざまし8』(フジテレビ)に大石氏が出演した際のこと。番組では「橋下徹氏と応戦“文通費問題”めぐり」「橋下氏とれいわ議員が応酬」などとテロップが打たれ、ネットニュースなどは、あたかも番組でバトルが起きて、橋下氏が大石氏を論破したかのように報じていたものもあったが、この日の『めざまし8』はバトルでもなんでもなかった。
橋下氏がリモート生出演しているのに対し、大石氏はVTR出演のみ。大石氏が文通費について「小さい政党なのでお金は必要」「使途を広げたうえで、公開すべき」などと話す映像を見て、リモート生出演していた橋下氏が「制度をわかっていない。もっと勉強しないと」などと、まともな反論ができないときに使ういつものセリフで、一方的に断罪したのである。
生出演していれば大石議員は、橋下氏の「勉強しろ」に反論しただろうし、この日番組では一切取り上げられなかった吉村知事の「1日で100万円」問題など橋下氏に都合の悪いことも話しただろうが、そうした機会はもちろん全く与えられなかった。
実は、当の大石議員も放送の前日夜、こういう一方的な内容になることを予告するツイートをしていた。
〈今日、めざまし8のテレビ取材を受けました。明朝(11/18)、放映予定。取材者によれば「たまたま橋下徹も出演する日」とのこと。たまたまちゃうやろ。笑 質問は「文通費100万円、日割り返金になったらどうする?」など、大政党の腐敗には目を向けてくれなさそうでした。さて明日は何が起きるかな!〉
〈一応補足しておきますと、明日11/18朝8時からの「めざまし8」では、私の出番は今日収録したVTR出演です。スタジオ生放送はダメとのことでした。番組は、大石あきこのVTRを観て、「日本のオピニオンリーダー」橋下徹さんが、スタジオで好き放題パニクる、みたいなものだと思います。〉
ようするに、大石議員はスタジオ生出演したいと申し入れたが、拒否されたらしい。生放送での大石氏との直接対決を避けたのが、制作側の判断なのか橋下氏の希望なのかはわからないが、そのやり方を見れば、番組サイドがあらかじめ、橋下氏に一方的に大石議員の批判をさせる仕掛けにしようとしたのはみえみえだ。
しかも橋下氏は、この『めざまし8』での大石議員とのやりとりを「橋下氏は「制度知らない、しっかり勉強を」」とあたかも橋下氏が論破したかのように報じる記事をわざわざリツイート。〈れいわの大石議員は小選挙区ではボロ負け。比例でかろうじて当選。しかも投開票日10月31日の翌日11月1日にやっと当選。これで10月分の経費100万円を受け取る異常さ〉と、前述のデマを繰り返したのだ。
橋下徹は関係のない企業主催の講演会でも山本太郎・大石あきこ批判
さらに、橋下氏は最近、なんの関係もない企業の講演会でも、れいわ攻撃、大石攻撃を行なっていた。
野村不動産ソリューションズのオンライン講演会でのこと。橋下氏は「コロナ禍を乗り越えて日本経済が進む道」というテーマで、11月中旬に1時間程度オンライン講演を行っているのだが、それは岸田政権の新しい資本主義を批判し、竹中平蔵と新自由主義を擁護して、“既得権”を批判するといった内容。いまの日本社会は既得権益がはびこっており、一部の人の懐にお金が貯まる仕組みになっているとし、「お金をばらまくにしても血管の中の目詰まりを取ってから、血液を流さないと血管の中を通らない」という。そして橋下氏が言うには、その目詰まりの象徴こそが、なんと「文書通信交通滞在費」だというのだ。
この人、何を言っているのか。文通費を仮に全面的に廃止したところで、日本の財政改善はもちろん、維新が総選挙で掲げていた給付金の財源にすら足らない。それがどういう理屈で「文通費がなくなれば日本経済がよくなる」ということになるのか。「○○すれば、がんが治る」「○○のおかげで、結婚できました」のようなオカルトレベルの話じゃないか。
これだけでも意味不明なのだが、さらにこんなことを言い出した。
「あの、山本太郎だけはね、高額所得者からもっと税金取ってそれで困った人に配るんだー!大企業からグーンと税金とってもっと困ってる人に配るんだー!ワンワン言ってるわけですよ。もちろんね、富んでる人が経済的に苦しい方に富を移すっていうのは、所得の再分配政策として当然のことですよ。やらなきゃいけませんよ。それだったら、まずお前からやれって言うんですよ」
「この人たちがですよ、4時間分でもらう100万円、困った人たちに配分しなきゃいけないのに、れいわ新選組の大石っていう国会議員は『100万円、きっちりと使わさせていただきます』と平気で言ってるんですよ。」
言っておくが、この日の講演は不動産会社のビジネス向け講演会だ。橋下氏の講演料は1時間100万円以上といわれるが、そんな講演でまさか「文通費がなくなれば日本経済がよくなる」とか「山本太郎や大石あきこが金払え」とか安いワイドショーみたいな話を聞かされるとは……。
しかも、その根拠はめちゃくちゃ。文通費100万円の寄付を「分配」って、この人は国の機能と寄付の違いもわかっていないらしい。
だいたい、山本太郎に「お前から分配をやれ」と言うなら、橋下氏も講演料を寄付したらいい。今回は民間企業主催の講演会だが、橋下氏は維新の議員から依頼を受けた講演会でも同じく100万円以上の講演料を取っていることが明らかになっている。だとしたら、セルフ領収書によって維新議員の政治団体に流れた文通費が橋下氏の講演会の原資になっている可能性だって十分あるのだ。
実は、橋下徹と維新は、「れいわ新選組」をもっとも恐れている
いずれにしても、何の関係もない企業の講演会でまで、わざわざ名前を持ち出して攻撃するほど、橋下氏は大石議員という存在に苛立っているようだ。
いや、大石議員だけではない。橋下氏はこの文通費問題で大石議員から鋭い指摘をされる前から、れいわ新選組の山本太郎代表のことを蛇蝎のごとく嫌ってきた。
総選挙当日の特番でも、山本代表に対して、インタビュー相手なのに話すスキを与えず、所得税率やインボイス制度をめぐって事実とは異なるデタラメを主張しながら、山本氏に対して「詐欺師」と名誉毀損まがいの攻撃を繰り広げていた(山本氏が橋下氏なら名誉毀損で訴えていたかもしれない)。
これはおそらく、それだけ橋下氏が「れいわ」や山本太郎代表のことを「維新にとって脅威」と考えているからではないか。
周知のように、公共サービスを削って市場原理主義的な社会をめざす維新にとって、所得の再分配や弱者への社会保障充実を謳う「れいわ」は、政策的に真逆の存在だ。
ところが、国民に対するポピュリズム的なアプローチは維新と非常に似ていて、橋下氏や吉村知事ら維新系の政治家に共通する「攻撃に負けない強度、図太さ」をもっている。
実際、橋下氏にこれだけ攻撃されても、大石議員はまったく負けていない。
たとえば、前述の『めざまし8』出演後も大石議員は、橋下氏が自身の「制度知らない、しっかり勉強を」という発言を報じた記事をリツイートしたうえで、大石議員の当確が出たのが11月1日未明だったことをあげつらった橋下氏に対し、〈もうウケるwww 橋下徹、選挙制度しっかりべんきょせえ!〉と逆に笑い飛ばした。さらには、〈橋下徹が私に粘着するせいで、すごく注目浴びてしまった。もう、粘着するなよ!絶対に粘着するなよ!〉と、ダチョウ倶楽部風にツイートしてみたり、橋下氏のパニックぶりを完全にネタにしている。
こうした強度は山本氏も同様で、その姿勢に惚れ込んで「維新を食い止められるのは、れいわだけ」という無党派層も徐々に増えている。
実際、昨年の大阪都構想をめぐる住民投票で、維新が進めていた都構想が否決されたが、この結果は、山本氏、大石氏が中心となって都構想反対の街宣を盛んに行なっていたことが大きく影響したといわれた。
そして、維新の一人勝ち、リベラル政党が全て退潮したといわれた今回の衆院選でも、れいわは議席を増やした。
大衆の空気を読むのが天才的にうまいといわれる橋下氏のことだから「放置しておいたら、れいわは維新を脅かす存在になる」と察知し、「いまのうちに潰しておけ」と必死になっているのではないだろうか。わずか5議席の政党にあんなヒステリックな対応をしているのも、その危機感の表れだとすれば、たしかに納得がいく。(編集部)