ドイツの社会民主党(SPD)と、緑の党、自由民主党(FDP)の3党は、連立政権樹立のための協定で、来年3月の核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加する方針を決めました。北大西洋条約機構(NATO)加盟国で同会議に参加を表明したのは、ノルウェーに続いて2カ国目です。協定文書では、「われわれの目標は核のない世界であり、核兵器のないドイツである」として、ドイツ国内にある戦術核兵器の引き揚げの要求も示唆しました。画期的なことです。
それにしても日本は、核兵器を「作らず、持たず、持ち込ませず」とすることを公言していますが,実態はどうなのでしょうか。日本は唯一の戦争被爆国でありながら「米国の核の傘に入っている」ことを理由に核兵器禁止条約に参加していません。参加国からはせめて条約締約国会議にオブザーバーで参加することを求められていますが、それにも応じようとしていません。岸田総理と遠い親戚にあたる、カナダ在住の広島出身の被爆者・サーロー節子さんも10月、せめてオブザーバー参加を求める書簡を岸田首相に送っています。
日本共産党の志位委員長は25日の記者会見で、ドイツの連立政権樹立に向けた3党の協定に、核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加する方針を盛り込んだことについて問われ、「心から歓迎したい。非常に重要な合意が3党の間でなされた」と述べました。
しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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独、核禁条約会議参加へ オブザーバー 国内核兵器引き揚げ示唆
しんぶん赤旗 2021年11月26日
NATO2カ国目
【フライブルク(ドイツ南西部)=桑野白馬】ドイツの社会民主党(SPD)と、緑の党、自由民主党(FDP)の3党は、24日に発表した連立政権樹立のための協定で、来年3月にウィーンで開催予定の核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加する方針を示しました。
北大西洋条約機構(NATO)加盟国で同会議に参加表明するのは、ノルウェーに続いて2カ国目です。
協定文書では、「核不拡散条約の再検討会議の結果と照らし合わせ、同盟国との緊密な協議を行いつつ」としながらも、「核兵器禁止条約締約国会議に、禁止条約の(メンバーとしてではなく)オブザーバーとして参加し、条約の意図に建設的に付き添っていく」と表明しました。
また、「われわれの目標は核のない世界であり、核兵器のないドイツである」として、ドイツ国内にある戦術核兵器の引き揚げの要求も示唆しました。
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長は、この動きを歓迎。ツイッターで「より多くの国が無責任な武器の拡散を拒否し、より合理的で持続可能な安全保障政策を取り始めるよう願っている」と投稿しました。
ドイツ新政権 核禁会議参加 心から歓迎、日本政府の立場問われる
しんぶん赤旗 2021年11月26日
志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は25日、国会内での記者会見で、ドイツ新政権を樹立する見通しの社会民主党(SPD)と緑の党、自由民主党(FDP)の3党が、核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加を政策合意書に盛り込んだことについて問われ、「心から歓迎したい。非常に重要な合意が3党の間でなされた」と述べました。
志位氏は、「NATO(北大西洋条約機構)加盟国での核兵器禁止条約へのオブザーバー参加は、ノルウェーに続いて2カ国目だ」として、「軍事同盟に入っている国であっても禁止条約の義務を履行しさえすれば条約に参加できる」と強調。日本政府は、核兵器禁止条約に参加しない理由として「法的理由で入らないということではない」――「政治判断」だと述べていると指摘し、「わが党は、国民多数の合意で日米安保条約を廃棄していくという立場だが、日米安保条約は核兵器禁止条約に参加することを法的に禁止しているわけではない。日米安保条約の是非を超えて、核兵器禁止条約には参加できる」と強調しました。
志位氏は、「核抑止論から離脱さえすれば、参加できる。ノルウェー、ドイツと続いたわけだから、日本政府の立場が問われている。唯一の戦争被爆国の政府として、まずは締約国会議にオブザーバーで参加することを強く求めたい」と述べました。