2021年11月5日金曜日

無理な同居が不幸の原因(植草一秀氏)

 立民党の枝野代表がようやく10日に辞任することになりました。しかしもしも次の代表も、共産党憎しの同盟系の意識をそのまま引き継いでいる連合の意向に服するようであれば、野党統一路線にかかった暗雲は払えないし、野党連合が与党の暴走を阻止できる勢力になることも困難です。

 植草一秀氏は「無理な同居が不幸の原因」とする記事を出し、立民党がこの混乱から抜けきれないなら、新たに革新連合を創設することが必要になり、共産党、れいわ、社民と立民党内の革新勢力が大同団結する必要があると述べました。
 当面は立民党の代表選を注視し、新代表と連合との関係を見極める必要があります。
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無理な同居が不幸の原因
                植草一秀の『知られざる真実』 2021年11月 4日
「共産党と共闘する勢力」と「共産党と共闘しない勢力」との間にある違いは何か。
違いが重要で決定的なら、両者が同居することに矛盾と無理がある。
「共産党と共闘しない勢力」の代表が「連合六産別」と「国民民主党」。
この人々の主張は次の傾向を持つ。
  1.戦争法制=安保法制を容認
  2.原発稼働を容認
  3.新自由主義経済政策を容認=消費税増税を容認
これが基本政策。
これに対して「共産党と共闘する勢力」の主張には次の傾向がある。
  1.戦争法制=安保法制に反対
  2.原発稼働ゼロ
  3.共生の経済政策=消費税減税・廃止
これが基本政策。
根本的な相違がある。この勢力が同居していることに矛盾がある。
2017年に旧民進党が立憲民主党と国民民主党に分離したとき、矛盾解消が期待された。
立憲民主党が「共産党と共闘する勢力」として分離・独立したと理解された。
実際、立憲民主党は共産党の選挙協力を得て議席を増やした

ところが、紆余曲折があった。背景に「共産党と共闘する勢力」が拡大することを阻止しなければならないという既得権勢力の思惑があった。
1960年に民社党が創設された。
日本の革新勢力が一枚岩で連帯することを阻止するための工作だった。
民社党の創設に資金支援したのがCIA。
民社党の支援母体とされたのが大企業御用組合連合体である「同盟」だった。
日本の革新勢力が大同団結して選挙に臨むと、いつでも政治刷新、政権交代が生じ得る。
実際、2009年には鳩山内閣が誕生した。日本の既得権勢力にとっての「悪夢」だった。
この「悪夢」を繰り返さないこと。これが日本の既得権勢力の至上命題である。

旧民主党=旧民進党が分離・分裂して、「共産党と共闘する勢力」と「共産党と共闘しない勢力」に分かれることは、既得権勢力にとって極めてリスクが大きい。
立憲民主党と国民民主党に分離・分割されて、この方向感が鮮明になった。
「共産党と共闘しない勢力」としての国民民主党が弱体化して立憲民主党が拡大した
この状況を踏まえて、日本の既得権勢力が立憲民主党に手を入れた。
立憲民主党をかく乱し、立憲民主党が「共産党と共闘する勢力」として純化することを阻止しようとした。
工作部隊の先頭に立ったのが「連合」。
「連合」は旧同盟系組合と旧総評系組合が核になって構築された連合体だが、その主導権を確保したのは旧同盟系組合である「六産別」電力、電機、自動車、鉄鋼、機械、金属、繊維、流通等の大企業御用組合連合だ。
連合加盟組合員数は約700万人。そのうちの約6割に当たる約400万人が「六産別」組合員。全労働者の6%に過ぎない。

全労働者の6%に過ぎない大企業御用組合連合が立憲民主党に介入し、立憲民主党が振り回されている。
CIAをバックボーンとする彼らの目的は対米隷属・新自由主義追求日本政治を堅持すること。この目的から、日本の革新勢力の大同団結を妨害している。
立憲民主党がこの混乱から抜けきれないなら、新たに革新連合を創設することが必要になる。
共産党、れいわ、社民と立憲民主党内の革新勢力が大同団結することが必要になる。
立憲民主党が第二自公の方向に進むなら国民民主党と差異がなくなる。
両者が合流しても主権者の強い支持は得られない。
政治刷新を求める日本の主権者は、第二自公勢力と明確に訣別する判断を示すことが必要になる。

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