先の衆院選で自民党は議席を減らしましたが「絶対安定多数261議席」は維持しました。それに加えて自民党よりも過激な新自由主義者集団:日本維新の会が躍進し、自民・公明・維新の3党で改憲発議に必要な3分の2の議席を超えたため、にわかに改憲勢力の動きが活発化しています。
維新の会と国民党は9日、幹事長と国会対策委員長らが協議し、改憲に向けた議論を加速するため衆参の憲法審査会を毎週開いて議論するよう他党に求めることを決めました。
これに呼応する形で公明党の北側一雄・憲法調査会長も11日、国会の開会中 衆参両院の憲法審査会を毎週開催すべきだということは従来から主張してきたと述べました。公明党は護憲・平和の党ではなかったのでしょうか。
北側氏は自民党が新安保法案(戦争法案)をまとめた際に自民党と具体的な詰めを行った人で、彼自身は文言の修正に努力したと誇っていますが、大もとの骨格を維持したまま細部の文言を修正してみたところで恣意的な法文解釈を厭わない自民党にとっては別に構わないことでした。
公明党がそうした人物を担当者にしているのは問題で、真に護憲・平和の党であって欲しいものです。
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首相先頭に 改憲大合唱 総裁任期中の発議狙う
しんぶん赤旗 2021年11月12日
先の総選挙で、憲法改悪を推進する自民・公明両党と日本維新の会が改憲発議に必要な3分の2の議席を得たことをうけ、改憲勢力の動きが活発化しています。岸田文雄首相をはじめ、改憲に前のめりな発言が総選挙直後から止まりません。
岸田首相は10日の記者会見で、「党是である憲法改正を進めるため、党内の体制を強化するとともに、国民的議論のさらなる喚起と国会における精力的な議論を進めるよう指示した」と表明しました。「国会での発議のために国会の議論を進めていく」とも述べ、改憲への強い執念を示しました。
先の衆院選では自民、公明両党と、日本維新の会などの改憲勢力が合わせて定数の3分の2を超えました。岸田首相は、今回の衆院選の結果もふまえ、改憲に向けた党内体制の強化などについて、「党内の憲法改正に従来から熱心に取り組んできたメンバーと話し合っている」などと述べました。記者から維新などとの協力について問われ、「政党の枠組みでどうこうというのではなくて、結果を得るためにどうするべきなのか、しっかり検討し、努力をしていきたい」などと答え、総裁任期中の憲法発議を目指す考えをあらためて強調しました。
細田衆院議長 職権逸脱 茂木幹事長、憲法審開催求める
細田博之衆院議長は10日、国会内での就任記者会見で、衆院で改憲勢力が3分の2超の議席を占めたことについて、「率直な意見交換をし、議論が前向きに進むことが必要だ」と述べました。公正・中立であるべき議長が“改憲議論を前向きに進めてほしい”と呼びかけたことは、議長の職権を逸脱するものです。
岸田首相は「党是である憲法改正を進めるため、国会における精力的な議論を進める」とくり返し表明しており、細田氏の発言はこれに呼応するものです。細田氏は安倍政権のもとで自民党の憲法改正推進本部長を務め、「9条への自衛隊の明記」「緊急事態条項創設」などの自民党改憲案をまとめた中心人物で、この間は衆院の憲法審査会長を務めていました。
同日、自民党の茂木敏充幹事長は改憲について「党内議論から国会での審議に移っていく。衆参の憲法審査会で具体的な議論に入ることが必要だ」と述べ、憲法審査会の開催を求める姿勢を示しました。
総選挙後、加速する憲法改悪推進の動き
1日 岸田文雄首相「憲法改正を積極的に進めたい」
2日 維新の会・松井一郎代表が来年の参院選と同日で改憲の国民投票を実施すべきと
の考えを示す
4日 自民・茂木敏充幹事長「維新も含めさまざまな政党と(改憲の)議論を進めたい」
7日 維新・吉村洋文副代表と国民民主党の玉木雄一郎代表がフジテレビ番組で憲法審
査会の開催をそろって主張
9日 自民・茂木、維新・馬場伸幸の両幹事長が会談。馬場氏が憲法審査会の定例日開
催を求め、茂木氏が臨時国会で前に進めると応じる
維新と国民が幹事長・国対委員長会談を開き、憲法議論の活性化へ連携していく
ことで一致
10日 岸田首相「憲法改正を進めるため、党内の体制を強化するとともに、国民的議
論のさらなる喚起と国会における精力的な議論を進めるよう指示した」「国会で
の発議のために国会の議論を進めていかなければならない」
細田博之衆院議長「国民世論もかなりの方が議論を望んでいる」「率直な意見
交換をして前向きに進むことが必要」
茂木幹事長「党内議論から、主戦場が国会での審議に移っていく」「(衆参の
憲法審査会で)具体的な議論に入ることが必要」
11日 安倍晋三元首相「憲法改正は立党以来の党是。この議論の先頭に、清和会は立と
う」(清和会会長就任あいさつで)
公明・北側氏「憲法審の毎週開催、ずっと言ってる」
産経新聞 2021/11/11
公明党の北側一雄副代表は11日の記者会見で、岸田文雄首相が表明した憲法改正に向けた自民党内の体制強化に関し「大事なことは議論をしっかり前に進めること。週1回の憲法審査会をしっかり実行していただきたい」と注文した。
北側氏は「憲法審査会を積み重ねていく中で、憲法改正をすべき対象やテーマなど議論がだんだん集約されてくる」と指摘。「(公明)党内の意見集約も図り(議論を)さらに詰めていきたい」と語った。
立憲民主党と共産党がこれまで憲法審での議論にほとんど応じてこなかった経緯を踏まえ「われわれは憲法審査会は毎週やろうとずっと言っている。憲法論議は政局から少し離れ、静かな環境の中で着実に議論しましょうというのがわれわれの立場だ」とも述べた。