2012年11月5日月曜日

日本国憲法公布66年目に当たっての憲法会議 「声明」


3日、憲法会議が「憲法への逆流を阻みましょう」とする声明を出しました。
 憲法会議の正式名称は「憲法改悪阻止各界連絡会議」で、憲法の平和的・民主的条項を完全に実施させ、憲法の改悪を阻止することを目的とする組織です。
安保改定反対闘争の余韻がまだ残る1965年に、鈴木安蔵氏・末川博氏など33人の呼びかけで結成されました。中央の他に、各都道府県他にもセンターがあります。 

声明は、「今日、憲法を守り、生かすたたかいは、新たな正念場を迎えている」と書き出され、「日本国憲法は、いま反動的逆流にさらされている」と分析しています。

その一方、「311以降、広範な共同にもとづく国民的運動の大きな高揚も生まれており、その中で、国民の要求の一つ一つが憲法を生かすことによって実現することが明らかになっている」と述べ、「いまこそ憲法への攻撃を許さないたたかいを、力合わせ進めようではありませんか」と結んでいます。
具体的には書かれていませんが、官邸前抗議運動などの各地での反核運動や沖縄を中心とするオスプレイ反対運動などのことを指すものと思われます。 

声明では以下の反動的潮流を挙げています。
野田首相は元々が改憲論者で、隙があれば集団的自衛権の行使を容認しようとして来ましたし、「動的防衛力の構築」でアメリカへの協力を誓い、日米共同離島奪還訓練なども進めています。
自民党の新総裁になった安倍氏は、かつて首相任期中に改憲を行うと宣言し、実際に教育基本法改悪し改憲手続法を成立させました。自民党が4月に発表した「日本国憲法改正草案」では、天皇元首化、「国防軍」の保持、緊急事態条項の創設、公益及び公の秩序による基本的人権の制限等をうたっています。また国連の名の下であれば集団的自衛権行使が可能とする法案の成立も企図しています。
そして国政への進出を決めた橋下・維新の会の諸政策は、多く改憲を必要としています。
さらに「憲法無効」「自主憲法制定」を叫ぶ石原氏も国政に再転進しました。
(なぜか、橋元氏と石原氏は「第3極」の核になるとしてマスコミがもてはやしていますが、事実は「最右翼グループ」が生まれるに過ぎないと指摘されています) 

以下に声明を紹介します。
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【声明】 憲法公布66年に当たって 今こそ憲法を学び、広げる時。
「改憲反対、9条守れ、憲法を生かそう」の世論と運動で憲法への逆流を阻みましょう
2012113
憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議) 

1.日本国憲法公布66年の今日、憲法を守り、生かすたたかいは、新たな正念場を迎えています。
 民主党政権3人目の野田佳彦首相は自らが改憲論者であるだけでなく、名うての改憲論者を引き連れて内閣改造をおこない、集団的自衛権行使容認論議をくりかえすとともにその既成事実づくりを重ねています。自民党新総裁に、かつて「任期中の改憲」をぶち上げ、教育基本法改悪と改憲手続法成立を強行し、国民の猛反発の末、政権投げ出しを余儀なくされた安倍晋三氏が就任しました。加えて、「維新八策」とその中で憲法改正や9条の賛否を問う国民投票をうたうなど反動を丸出しにした橋下・維新の会が、国会に乗り込んでいます。

 憲法は、こうした民主党の自民党化、自民党の一層の反動化、反動的逆流の突撃隊=橋下・維新の会などが相呼応してつくりだしている反動的逆流にさらされています。

2.憲法をめぐる焦点の一つは、集団的自衛権行使容認、9条の解釈改憲の動きです。
 今年76日には政府の諮問機関・国家戦略会議フロンティア分科会が、従来の集団的自衛権行使を禁じた政府見解の変更案を報告、野田首相は報告の尊重を明言しています。しかも、「米軍4年ごとの戦略見直し(2010QDR)」をうけた新防衛計画大綱(101217日決定)は、これまでの「基盤的防衛力構想」を「動的防衛力の構築」に格上げし、今年51日の日米首脳会談で「動的防衛協力」を掲げ、オスプレイの配備・訓練強行や領土問題を口実にした日米共同離島奪還訓練・洋上訓練の企図など集団的自衛権行使の実体づくりが次々強行されています。さらに自民党は、「国家安全基本法案・概要」を決定し(1276日)、国連の名の下に集団的自衛権行使を可能とする方針を示し、今臨時国会の代表質問でも集団的自衛権行使容認を求めています。

3.明文改憲の動きも顕著です。憲法審査会の活動と結び、自民党は12427日、「日本国憲法改正草案」を発表しました。それは天皇元首化や「国防軍」の保持、緊急事態条項の創設、公益及び公の秩序による基本的人権の制限、国民に憲法遵守を求めるなど憲法の原則を覆す内容です。橋下・維新の会は首相公選制や96条・改憲発議要件の緩和などを主張しています。みんなの党や日本青年会議所など改憲を掲げる政党や団体も改憲案を次々発表し、最近では「憲法無効」「自主憲法制定」を叫ぶ石原慎太郎氏らの言動もマスコミにもてはやされています。

4.「311」以降多くの国民は、「黙っていたらいのちも暮らしも平和も守れない」とさまざまな課題・分野で立ち上がり、広範な共同にもとづく国民的運動の大きな高揚を作り出しています。その中では、国民の要求の一つ一つが憲法を生かすことによって実現することが明らかになっています。今こそ、憲法を学び、生かすべきときです。憲法への攻撃を許さないたたかいを、力合わせ進めようではありませんか。

 憲法会議は、憲法を学び、広げ、共同の力で「改憲反対、9条守れ、憲法を暮らしの隅々に生かそう」の世論と運動の発展を呼びかけ、その実現に奮闘する決意です。 

(まず憲法会議のホームページを開き、「声明(113日)」をクリックすると開きます)