来月15日から郡山市でIAEA(国際原子力機関)の国際会議が開かれますが、
「IAEAは原発推進機関なので福島県は協力すべきではない」と主張する市民団体が「フクシマ・アクション・プロジェクト」を結成し、監視行動を展開することになりました。
1957年に米国の主導で設立されたIAEAは、アメリカの原子力政策に沿った運動を進めているとされ、チェルノブイリ原発事故の際にも、事故報告書をまとめるのに関与して、事故原因を「オペレーターの四重、五重の信じられないような個人的ミス」によって起きた※1 とまとめたり、事故の犠牲者の数を4,000人※2と過少に推定したりしました。
※1 原発は安全に設計されていたとするため。9? 年間服役した同発電所の幹部が出所後に暴露しました。
※2 当時も数万人とする予測がありました。その後70万人とする説が出、既に100万人以上が亡くなっているとする説もあります。
以下に朝日新聞の記事を紹介します。
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IAEA国際会議に市民団体が監視行動へ
朝日新聞 2012年11月26日
●来月15日から、郡山・東京で
郡山市で来月開催される日本政府と国際原子力機関(IAEA)の国際会議を批判する市民団体が「フクシマ・アクション・プロジェクト」を結成した。「IAEAは原発推進機関。県は協力すべきではない」と主張する。同時期に東京で「脱原発世界会議」を開くとともに県内各地で様々な監視行動を展開する。
来月15~17日に開かれるのは「原子力安全に関する福島閣僚会議」。県の誘致を受け、開催が決まった。県は東京電力福島第一原発事故後の環境・健康対策や復興・振興策としてIAEAの研究拠点を三春町に誘致、会議の期間中に共同研究プロジェクトの協定をIAEAと結ぶ方針だ。
IAEAについては、欧米の在野研究者から「IAEAは商用原子炉への規制力は弱く、安全性をないがしろにしている」と批判されてきた。
脱原発世界会議に参加するフランスのエネルギーコンサルタント、マイケル・シュナイダー氏は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故直後にもIAEAが同様の国際会議を開いていたと指摘。「そこで原発の安全確保より利便性の追求を優先させる議論をしていたことは驚きだった。予防原則の確立を骨抜きにするつゆ払いを演じている」という。
同プロジェクトはプルサーマル計画に反対した佐藤栄佐久前知事を顧問にし、武藤類子・福島原発告訴団長らが共同代表になって発足。12月15日に「脱原発をめざす首長会議」、16日には独仏の専門家らも参加する市民会議を郡山で開く。このほか、閣僚会議への被災者の参加や、市民団体の意見発表の場を認めるよう、国や県に求めている。(本田雅和)