16日、環境省が行った水生生物(魚類、貝類、水生昆虫、藻類ほか)の放射性セシウム汚染の春季調査(6/3~7/11)の結果が報告されました。
それによると新田川で採取したイワナ※からは1キログラム当たり1万1400ベクレルを検出したということです。
※ヤマメなどとともに河川上流の清流域に生息する魚
この調査は、昨年12月~今年2月分の冬季調査(7月に発表)に続く2回目のもので、魚の種類が異なっていたりして比較がしにくいのですが、減っている傾向などは勿論認められず、この先どういう風に推移するのかも全く不明です。
詳細は下記の資料を参照して下さい。
◎環境省報道発表資料
◎水生生物放射性物質調査結果一覧(河川①②、湖沼、海域)
(調査結果一覧は発表資料の添付資料)
以下に東京新聞の春季調査の記事と、比較のために7月に発表された冬季調査結果についての共同通信の記事を紹介します。
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イワナから1万1千ベクレル 環境省、福島県内調査で
東京新聞 2012年11月16日
環境省は16日、東京電力福島第1原発事故を受け、福島県周辺の河川や湖、海域の魚類や昆虫に含まれる放射性セシウム濃度の測定結果を発表した。福島県南相馬市の新田川で採取したイワナから、国が定める一般食品の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の百倍を超える1キログラム当たり1万1400ベクレルを検出した。
このほか、真野ダム(飯舘村)のコクチバスで4400ベクレル、ナマズで3千ベクレル。いわき市沖のアイナメからは290ベクレルが検出された。
7月に公表した昨年12月~今年2月分に続き2回目の調査。環境省は「前回同様、海域よりも河川や湖で濃度が高い傾向があった」としている。
川魚から最高2600ベクレル 環境省、福島周辺でセシウム調査
共同通信 2012年7月2日
環境省は2日、東京電力福島第1原発事故を受けて実施した福島県周辺の河川や湖、海域の魚類や昆虫に含まれる放射性セシウム濃度の測定結果を発表した。福島県南相馬市の真野川で採取したハゼ科の魚、シマヨシノボリから1キログラム当たり最高2600ベクレルを検出、海よりも河川や湖の魚類の方がセシウムの濃度が高い傾向がみられた。
魚類を含む一般食品の国の新基準値は1キログラム当たり100ベクレルで、2600ベクレルはそれを大幅に上回る数値。
環境省は「海水魚と淡水魚で、セシウムが蓄積される仕組みに違いがあることが影響しているようだ」と指摘。調査は、昆虫や藻などが魚類の汚染とどう関連しているかを探ることが目的で「冬場の調査で採取した数が少なく、はっきりした傾向は分からなかったが、継続的に調査を進めたい」としている。
調査は昨年12月~今年2月に実施。河川と湖では、福島県内の計5カ所で、コイなど延べ23種の魚類から1キログラム当たり61~2600ベクレルを検出。カゲロウなど延べ15種の水生昆虫で同330~670ベクレルだった。海域では、福島県いわき市や宮城県亘理町沖の計3カ所で延べ31種の魚類から同2.15~260ベクレルを検出した。
一部の魚介類で放射性ストロンチウムも測定し、いわき市沖のツガルウニから最高10ベクレルを検出した。環境省は「原発事故の影響と考えられるが、殻ごと測ったため特に値が高くなった可能性がある」としている。このほか、スズキやイワナなどから0.028~1.6ベクレルのストロンチウムを検出した。