朝鮮日報が「支持率急落の日本民主党、『護憲』を争点に」と題する記事で、自民党の安倍総裁や、なぜか国内のメディアが持ちあげている「日本維新の会」代表の橋下氏と国政に転身した石原氏を「極右勢力」と規定し、支持率が急落している日本民主党が、それらとの差別化を図るために中道・リベラル路線に転換しようとしていると報じました。
また野田佳彦首相が就任して以降、集団的自衛権の導入を示唆するなど、極右的な色彩が強まったとも報じました。
国内メディアとは違いとても明解で説得力のある報道です。
以下に朝鮮日報の記事を紹介します。
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支持率急落の日本民主党、「護憲」を争点に
朝鮮日報電子版 2012/11/05
中道勢力が前面に出て党の右傾化をけん制
憲法改正や軍の保有を主張する自民党などと差別化
日本の与党・民主党が、軍隊の保有を禁止している現行憲法を守ることを、次期衆議院議員総選挙の争点に掲げる意向を示した。現行憲法の改正を通じ、軍隊の保有を可能にすべきと主張する自民党の安倍晋三総裁や「日本維新の会」代表の橋下徹・大阪市長、現行憲法の破棄を主張する石原慎太郎・前東京都知事といった極右勢力との差別化を図るため、中道・リベラル路線への転換を目指すというわけだ。
野田佳彦首相が就任して以降、集団的自衛権(同盟国が攻撃を受けた場合、自国に対する攻撃と見なし、相手国を攻撃できる権利)の導入を示唆するなど、極右的な色彩が強まったことから、民主党内部では「民主党は自民党の亜流か」と批判する声が高まっていた。
同党の細野豪志政調会長は今月3日に行った講演で「戦後の日本の平和主義、専守防衛が間違っていたわけではない。民主党は中道路線を歩んでいく」と述べた。日本は平和憲法に従い、先制攻撃を否定する専守防衛政策を軸とし、集団的自衛権の行使や軍隊の保有を禁止してきた。細野氏はまた、あるテレビ番組に出演し「軽武装にとどめ、国民生活の安全を守ってきた戦後の歴史を肯定するのか、あるいは安倍自民党総裁のように否定するのかが(次期総選挙での)根本的な違いになるだろう」と語った。
一方、岡田克也副総理も記者会見で「民主党の路線は『中道リベラル』と『穏健な保守』だ。(安倍・橋下・石原)3氏は相当右に偏っており、外交も強硬路線だ」と批判した。岡田氏は最近、中国を刺激しないよう、日米合同での実施を検討していた島への上陸訓練を中止させている。
野田首相は就任後、極右的な政策を進める中、支持率が18%まで低下した。これを受け、民主党内部では「これまでの路線では総選挙での敗北が火を見るより明らかだ」との危機意識が高まっている。
そのため、これまで沈黙してきた岡田氏や細野氏などの中道派が前面に出て、路線の修正を主導しているというわけだ。時事通信は「民主党が2009年の総選挙での公約を守れなかったとの批判をかわすため、『中道対保守』を次期総選挙での争点にしようとしている」との見方を示した。
東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員