2013年4月13日土曜日

自民改憲草案には海外派兵も徴兵制も組込み済み

 
 11日付の日刊ゲンダイに、自民党の改憲草案には国防軍の海外進出や徴兵制度の実施ができる仕掛けが施されているとする、名古屋大学森英樹名誉教授(憲法)指摘が掲載されました。 
 正に絶対に許してはならないことです。 

 民主党の姿勢がさっぱり明らかにならない中で、生活第一は党首が「96条を改定すれば政府が変わるごとに憲法も変わることになりかねない」と発言するなど、反自民・反改憲の姿勢を明確にしています。 12日の記者会見で「首相が占領軍に押し付けられた憲法だから変えると言ったのは論理矛盾」と発言しました。 

 以下に関係の記事を紹介します。 
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安倍自民党がシャカリキになる国防軍の正体
(日刊ゲンダイ2013年4月11日
96条改正案」参院選前に提出も
 北朝鮮危機を足掛かりに改憲派が勢いづいている。自民党の保利耕輔憲法改正推進本部長はきのう(10日)、改憲のルールを定めた憲法96条の改正案提出について、「参院選前も検討する」と言い出した。
 もっとも96条改正は入り口に過ぎない。問題はその先である。 自民党は憲法を変えて何をしたいのか。
 安倍首相がシャカリキになっているのは「国防軍の創設」だ。 自民党の憲法改正草案にも「国防軍を保持する」と明記されている。

 それでは、国防軍とは何なのか。安倍は日の衆院予算委員会で、「集団安全保障の観点から、国防軍が責任を果たす」と話している。 もっとも、これはきれい事に過ぎない。

 名古屋大名誉教授の森英樹氏(憲法)が言う。
 05年の新憲法草案で自衛隊は自衛軍と改められています。 それが12年の憲法改正草案で国防軍になった。自民党の幹部メンバーの発言を拾い集め、名称変更の意味を探ると、自衛軍は自分たちを守ることにしか使われないが、国防軍は国益を懸けて出動していく部隊であることが分かります。 日本の存亡が懸かる事態に直面した場合、先制攻撃も辞さない。制約を失った何でもありの軍隊というわけです」
 日米同盟と結びつけば、イランでもイラクでも出撃だ。非戦闘地域に限定されることもない。最前線の激戦区でもお構いなしで駆り出される 殺し合いに加わるのだ。

 そうなれば、除隊希望者が相次ぐことも考えられる。人員が不足する可能性は高い。考えられるのは「徴兵制」で、憲法草案には、そのための仕掛けも盛り込まれている
 「草案のには『国は国民と協力して領土領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない』という義務規定があります。 裏を返せば、国民にも国への協力を義務付けること。また、前文でも、まぶされている言葉を取り除けば、『日本国民は国を自ら守り』とあります。 これらは法律で徴兵制を導入しても、憲法違反にならないための布石と考えられます。自民党は徴兵制を“考えていない”としていますが、“憲法に違反する”とは言ってません。現行憲法は18条で“何人も奴隷的拘束を受けない”と規定しています。 これが条とともに徴兵制に歯止めをかけているというのが学界での通説ですが、草案では、これらの文言も削除されています」(森英樹氏)
 96条の改正は、時代の針を巻き戻すアナクロな愚行である。
 

「安倍さん、論理的矛盾じゃないか」生活・小沢氏
朝日新聞 2013年4月13日
■小沢一郎・生活の代表 
 日本維新の会の党綱領は、占領時代に占領軍が絶対平和を押しつけた憲法だから変える、と。 安倍(晋三首相)さんもね、同じような趣旨のことを従来から話していますね。 前の安倍政権のとき、私は党首討論で「独立していない占領時代に米国から押しつけられた。 日本国民の自由な意思で作ったのではない。 だから憲法改正だということは、現在の日本国憲法を否定するんですね」と聞いたら、安倍さんは「いや、良いところは残すんだ」という答弁をしたんだよ。 良いところを残すんだったら、占領軍から押しつけられたからけしからんという論理ではない。 押しつけられたものでも良いところは残すんでしょ。 ちょっと論理的に矛盾するんじゃないか。  (大阪市で記者団に)