2013年4月22日月曜日

湯の町湯沢平和の輪 2013年度総会アピール

 
 21日の「湯の町湯沢平和の輪」2013年度総会で採択された総会アピールの全文は下記のとおりです。
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
湯の町湯沢平和の輪 2013年度総会アピール(全文)

 昨年12月に行われた総選挙で自民党が単独過半数を獲得し、かねてから「戦後レジームからの脱却」を標榜して憲法「改正」に執念を燃やしてきた安倍晋三総裁を首班とする第2次安倍内閣が誕生しました。そして政権与党である自・公の議席が衆議院の3分の2を超え、この7月に行われる参議院選挙の結果によっては、国会での改憲発議を可能にする条件が整うという極めて危険な状況となっています。

 既に2007年、第1次安倍内閣の時に、憲法改正国民投票法が強行成立させられ、改憲原案の審査権限をもつ憲法審査会が稼動していて、9条改憲に向けて外堀が埋められた状態となっていますが、現在改憲の発議要件を衆参各議院の総議員の「3分の2以上の賛成」から「過半数の賛成」へと緩和する憲法96条の「改正」が次のステップとして目指されています。これは、9条改憲に向けて内堀を埋めるものとして極めて重大な動きです。

 解釈改憲の動きもまた重大です。これまで現憲法のもとでは集団的自衛権の行使は認められないとしてきた解釈を自ら踏みにじって、「認められる」とする解釈に転換し、自衛隊から“専守防衛”の足枷を外して米軍とともに地球的規模で海外での軍事行動を行えるようにしようというのです。この動きは、憲法9条を完全に骨抜きにする「究極の解釈改憲」とも言うべきものです。

 9条改憲へのこうした動きは、はかり知れない犠牲と被害をもたらしたアジア・太平洋戦争の痛苦の経験を踏まえて「日本国民は、・・・われらとわれらの子孫のために、・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、・・・この憲法を確定する」(憲法前文抜粋)とした憲法制定の初心、原点に照らせば、到底許されるものではありません。まして憲法96条を「改正」して改憲要件を緩和し、容易に憲法が変えられることが出来るようにするなど、立憲主義そのものを空洞化させるもので、とんでもないことです。

 私たちはこの国の主権者として、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と定めた憲法99条を国務大臣や国会議員にきっちりと遵守させ、憲法9条(戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認)の規定にしっかりと従わせる必要があります。それは、今を生きる私たちの、子供や孫たちに対する責任とも言えるのではないでしょうか。

 平和憲法が危急にあるこの時、お互いに知恵を出し合い力を合わせて、「国の未来の在り方対する主権者の責任」(「九条の会」アピール)を果たしていこうではありませんか。
                                                            2013年4月21日                
湯の町湯沢平和の輪 2013年度総会