2013年4月17日水曜日

橋下徹氏の96条改定論のデタラメさ

 
 伊丹、宝塚市の両市長選で、「維新と大阪都構想から兵庫を守ろう」との声維新の2氏が惨敗両市の市民から『大阪都構想拒否の意思表示を受けると、今度は橋下氏は「道州制ほどの大改革をやるのに、都道府県や市町村の同意を全て取り付けるなど不可能」だからと、「憲法改正から道州制を実現する」という主旨の連続ツイートをしているということです恐るべき変わり身の速さです。

 彼の場合は大阪都構想も、道州制も、首長公選制も、カジノも、次々とぶち上げるだけで具体的な案はひとつも出て来ません。変わり身の速さだけでは政治家は信頼を失うばかりで,、これでは維新ブームる一方なのも当然です。

 それに「憲法を変えて道州制を導入しよう」という発想は、大阪市条例を勝手に変えて職員に「君が代」の斉唱を強制できたという彼の成功体験(?!に拠っているのでしょうが、なんとも恐ろしい感覚です。

 想田和弘氏がご自身のブログ「観察 映画の周辺」に、橋下徹の96条改定論の欺瞞」(15日付)と題する秀逸な記事を載せました。
 
 以下にその全文とNHKニュースを紹介します。
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橋下徹の96条改定論の欺瞞 
想田和弘 2013年4月15日

橋下徹が96条改定についてトンチンカンな連投ツイート。「絶対に憲法改正が不可能な96条」というが、嘘を言ってはいけない。両院の/以上での発議と国民投票の過半数で憲法は改定できる。改定できないのは、そこまでの国民的な合意がないから。「国民の判断を信じる」というなら正々堂々と合意を作ればよい。

橋下は「96条改正は憲法観の問題ではない」とも言うが、詭弁を使ってはいけない。96条の改正要件が厳しいのは、「憲法とは権力を縛るもの」という立憲主義的憲法観を具現化するため。このハードルを緩くすることは立憲主義を弱める行為。つまり96条は「憲法とは何か」という憲法観そのものの問題

96条で改正要件が厳しく設定されてるのは、橋下みたいな権力者が現れて好き放題に憲法を変えられたら民主主義が終了してしまうから。つまり96条は権力暴走を防ぐ安全装置。それを橋下が解除しようというのは、実は自然な話だ。彼は暴走したい人間なので。

橋下の詭弁に騙されて96条の改正要件のハードルを下げたらどうなるか。橋下が大阪で条例を好き勝手に変えるように、権力者が自分らの都合の悪い事情に出くわすたびに改憲発議をするようになる/なら普通の法律改正と同じだから改憲発議は頻発する。そのたびに国民投票することになる
そしてそのたびに、憲法の条文は改定の危機に晒される。これでは立憲主義は危うくなる。そうした事態を防ぐためにこそ、96条の改正要件は厳しく設定されているのだ。そういう筋論や理念を全部無視して、単なる形式論に貶めようとするのは橋下徹のいつもの手口。
絶対に騙されてはならない。  (ツイートをまとめました)

橋下氏 道州制実現へ改憲必要
NHK NEWS web 2013年4月15日
日本維新の会の橋下共同代表は、記者団に対し、「地方分権が進まないのは憲法に問題があるからだ」として、道州制の導入などの地方分権を進めるためにも、憲法改正が必要だという考えを示しました。

この中で、橋下共同代表は、憲法と地方分権の関係について、「憲法92条で都道府県と市町村が地方公共団体に位置づけられているので、いまの憲法の下では道州制を一気に進めるのは引っかかりが出てくる可能性がある。地方分権と言いながらこれまで進まないわけだから、憲法に問題がある」と述べました。
そのうえで、橋下氏は「憲法を改正し、地方分権や道州制を規定し直して、国の統治機構を変えることを、参議院選挙で争点化して、国民に判断を求めたい」と述べ、道州制の導入などの地方分権を進めるためにも、憲法改正が必要だという考えを示しました。

一方、浅田政務調査会長は、15日夜、記者団に対し、「われわれが訴える道州制をどう実現するのかを考えると、92条など地方自治の基本原則を定めた憲法第8章を変える必要がある」と述べました。