2013年4月2日火曜日

日本維新の会は憲法観で自滅したと


昨年の総選挙時にマスメディアが持ちあげてやまなかった日本維新の会の党大会が先月30日開かれました。
そこでは新たな綱領が承認されるとともに、橋下・石原両共同代表のインターネット対談では現行憲法を否定し、自民党とともに新憲法制定を目指す姿勢を鮮明にしました。そして事実上自民党の補完勢力であることも明らかになりました。 

それにしても維新の会の綱領にうたわれた現憲法観は酷いものでした。
現行憲法を『日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法』であると、かつて世の顰蹙を買った過激派のような口調で貶めています。
日本は一体いつ『孤立と軽蔑の対象』となったのでしょうか。日本の平和憲法は、戦前に大変な惨禍を与えたアジア諸国をはじめとして各国から称賛されこそすれ、孤立もせず軽蔑もされていません。現行憲法の下で日本はこれまで繁栄し、平和を享受してきました。そのどこが非現実的な共同幻想なのでしょうか。 

これについて天木直人氏がブログで痛烈・痛快に批判していますので、関連する新聞記事とともに紹介します。
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憲法に関する政策綱領発表で自滅した日本維新の会
 天木直人 20130402

 4月1日、民主党が日本維新の会との協力関係を明確に否定する発表をした。
 「維新の憲法観は、民主党と全く異なる」(細野豪志幹事長)というのがその理由だ。
 政治評論家の中には、民主党が生き残るためにはもはや護憲・リベラルにしがみつくしかない。だから協力できないのだ、などと解説する者もいるがそれは違う。

 こんな憲法観を掲げる日本維新の会と協力するようでは、それこそ民主党は完全に終ることになる。民主党は最後のところで踏みとどまったというべきだろう。民主党を褒めるのではない。それほど日本維新の会が公表した憲法観がひどいのだ。
 今一度読み直してみる。
 「日本を孤立と軽蔑の対象におとしめ、絶対平和という非現実的な共同幻想を押しつけた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる」

 これだ。こんな粗雑な言葉の並ぶ文章を党の政策綱領に掲げ続けるのである。そのことだけで恥をさらし続けるようなものだ。この政策綱領は歴史と事実を無視した妄言だ。
 自民党の石破茂幹事長でさえ、「絶対平和主義かどうかは知らない。『憲法が悪かった』と言うべきだと思っていない」と複雑な反応を見せた(4月2日東京新聞)ほどだ。
 これを書いた者は、無知、不勉強で、歴史や真実に謙虚でない者だ。それに同調する者はもっと無知、不勉強で定見のない者たちに違いない。

 それでも選挙で日本維新の会に投票する国民はまだ多くいるかもしれない。いいだろう。しかし、あの政策綱領を掲げ続ける限り、日本維新の会は何を言っても、何をしても、まともな政党にはなれない。せいぜいテレビの娯楽番組で活躍する程度だ。なによりも、世界に通用しない。
 いまどき世界に通用しない政党など長続きするはずはない。悪い事は言わない。あれは4月馬鹿の冗談だったと撤回したほうが愛嬌が出る・・・
 

参院選、民主は維新との共闘断念 全選挙区擁立目指す
東京新聞 201341

 民主党は1日の役員会で、夏の参院選対応をめぐり、日本維新の会などとの野党共闘を進める従来の方針を断念し、全選挙区で独自候補の擁立を目指すことを決めた。憲法改正を求める自民党、日本維新などの勢力が参院で改正発議に必要な3分の2以上の議席を確保することを阻止する目標も確認した。

 細野豪志幹事長は記者会見で「日本維新とは選挙協力しない。これまですみ分けを模索してきたが、方針を転換し候補擁立に最大限努力する」と明言した。
 日本維新とみんなの党は、民主党を除外して改選1~3人区で候補の一本化調整を進めており、共闘実現は困難と判断した。
 

維新は自民補完勢力 = 共産・市田氏
時事通信 201341

 共産党の市田忠義書記局長は1日の記者会見で、日本維新の会の橋下徹共同代表が夏の参院選で自民党などと合わせて憲法改正発議要件である3分の2以上の議席を目指す方針を示したことについて、「第三極どころか、ますます自民党の補完勢力であることがあらわになった」と述べた。

 また、政府が沖縄県の米軍普天間飛行場の同県名護市辺野古への移設を嘉手納基地以南の施設返還と一体で調整していることに対し、「嘉手納以南は普天間とは無関係に返還されるべきで、交換条件にするのはけしからん話だ」と批判した。