2013年4月9日火曜日

自民は96条改正を参院選公約の柱に

 
 憲法96条を改悪して両院とも過半数の賛成で憲法改正の発議ができるようになれば、与党側はあらゆる改憲の発議ができるし、政権が変わるたびに改憲が発議されることにもなりかねません。国民の権利をうたう憲法がそんなにコロコロ変わっていいはずがありません。
 いま自民党や維新の会などが96条の改憲に熱心なのは、それが何よりも9条の改憲への近道であるからです。

 自民党の石破幹事長は8日、「憲法96条の改正を夏の参議院選挙の党の公約の柱とする」考えを明らかにしました。また菅官房長官公明党を念頭に「参院選後96条の改正を実現したうえで、憲法に環境権を加えることを目指すえを示しました。

 公明党はそれに対して「環境権を加えることには多くの議員が賛成するので96条の改正は必要ない」とし、菅官房長官の意図を慎重に見極めたいとしています。
 
 生活の党の小沢代表は「(96条の改正に関し手続き部分だけ先行するのは邪道だ。憲法の在り方、国家像を明示して議論すべきだ」と批判しました。
 
 また、共産党の市田書記局長は「安倍政権は改正発議要件緩和で外堀を埋め、9条改正で国防軍を書き込むという政治日程を考えている」と指摘しました。
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石破氏 96条改正を参院選公約の柱に
NHK NEWS web 2013年4月8日
 
自民党の石破幹事長8日の)記者会見で、国会が憲法改正を発議する要件を定めた憲法96条の改正を夏の参議院選挙の党の公約の柱とする考えを示しました。
 
憲法96条は、国会が憲法改正を発議するには、衆参両院のそれぞれで、すべての議員の「3分の2以上の賛成」が必要と定めていて、安倍総理大臣はこの条文を改正して要件を緩和することに優先的に取り組む考えを示しています。
これについて自民党の石破幹事長は記者会見で、「これまで『3分の2以上の賛成』での発議が実現したことはなく、国民による投票は一度もできていない。最終的に改正の是非を決めるのは主権者の国民であり、国民が権利を行使するための環境整備を行うべきだ」と述べ、96条の改正を目指す考えを示しました。
そのうえで石破氏は、「96条の改正は夏の参議院選挙で自民党が掲げる公約の大きな柱になる。国民に問うべき重要な問題だ」と述べました。

官房長官 「環境権」を憲法に
NHK NEWS web 2013年4月8日
 
菅官房長官は午後の記者会見で、夏の参議院選挙のあとに野党側に協力を求めて、国会が憲法改正を発議する要件を定めた96条の改正を実現したうえで、憲法に「環境権」を加えることを目指す考えを示しました。
 
この中で、菅官房長官は、「今の憲法の基本路線を守りながらも、まず96条を改正しなければ前に進まない。ほかの政党とも協力して改正する方が国民にも理解してもらえる」と述べ、夏の参議院選挙のあとに、野党側に協力を求めて、国会が憲法改正を発議する要件を定めた96条の改正を実現したいという考えを示しました。
そのうえで、菅官房長官は、「環境問題は、今の憲法ができた当時はまったくなく、『環境権』を、『加憲』などの形で、憲法の中に入れていくのは当然のことだ」と述べ、今の憲法に足りない部分を補強する「加憲」によって、「環境権」を新たに盛り込むべきだという考えを示しました。
菅官房長官としては、連立を組む公明党が憲法96条の改正に慎重な姿勢を示していることから、公明党が掲げる「環境権の加憲」に触れることで、96条の改正に理解を得ようというねらいがあるものとみられます。

公明 96条巡る発言に警戒感
NHK NEWS web 2013年4月9日
 
国会が憲法改正を発議する要件を定めた憲法96条を巡って、菅官房長官が、改正したうえで、憲法に「環境権」を加えることを目指す考えを示したことに対し、公明党からは、「96条の改正に慎重な公明党の協力を得るねらいがあるのではないか」などと警戒する声が出ており、真意を慎重に見極めたいとしています。
 
憲法96条は、国会が憲法改正を発議するには、衆参両院のそれぞれで、すべての議員の「3分の2以上の賛成」が必要と定めていて、安倍総理大臣がこの条文を改正して要件を緩和することに優先的に取り組む考えを示していますが、公明党は「9条の改正につながりかねない」として慎重な立場です。
こうしたなか、菅官房長官は8日、夏の参議院選挙のあとに、96条の改正を実現したうえで、憲法に「環境権」を加えることを目指す考えを示しました。
これに対し、公明党からは「公明党が憲法に加えることを検討している環境権を取り上げることで、96条の改正に協力を得るねらいがあるのでははないか」などと警戒する声が出ています。
また、党幹部の1人は、「憲法に環境権を加えることには多くの国会議員が賛成するはずであり、96条の改正は必要ない」と指摘しており、公明党は菅官房長官の発言の意図を慎重に見極めたいとしています。

96条改正は「邪道」=小沢氏
時事通信2013年4月8日
 
 生活の党の小沢一郎代表は8日の記者会見で、憲法改正手続きを規定した96条の改正に関し「手続き部分だけ先行するのは邪道だ。憲法の在り方、国家像を明示して議論すべきだ」と批判した。
 戦争放棄をうたった9条についても「自民党が変えようと言うなら、私どもは意見を言っていく」と述べ、一線を画す考えを示した。 
 
 また、共産党の市田忠義書記局長は同日の会見で、「安倍政権は改正発議要件緩和で外堀を埋め、9条改正で国防軍を書き込むという政治日程を考えている」と指摘した。