衆院憲法審査会は18日、憲法の第7章「財政」について議論を行いました。
自民、民主、日本維新の会は複数年度にまたがる予算編成を可能とするように憲法を改正すべきだと主張しましたが、共産党は「これはかつて戦費調達のために国債を乱発したことへの反省だ」と指摘し、改憲の必要はないとしました。
玉串料など習俗的行事への公費支出問題では自民党は緩和を主張ました。
憲法89条に「公金は公の支配に属しない教育や博愛の事業に対しこれを支出してはならない(要旨抜粋)」とあることに関して、現状の私学助成を認める点では全党が一致しましたが、自民党、維新の会、生活の党などは89条の改憲を主張しました。それに対して共産党は改憲の必要なしとし、公明とみんなの党も改憲には消極的でした。
次回は4月25日に行われます。
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衆院憲法審査会 私学助成で議論
NHK NEWS web 2013年4月18日
衆議院の憲法審査会は、今の憲法の条文には明記されていない私立学校に対する国の助成について議論を行い、ほとんどの党が助成を認めるべきだという考えを示したものの、憲法を改正して明文化するかどうかは意見が分かれました。
憲法89条は、『公の支配』に属さない慈善や教育などの事業に対し公金などを支出してはならないと規定していて、私立学校に対する国の助成はこの条文に違反するのではないかという指摘もあることから、18日の衆議院の憲法審査会では、私学助成について議論が行われました。
この中で、自民党は「条文を読むと、私立学校への国の助成が違憲であるという疑いが拭い切れない。私立学校の建学の精神に照らせば、『公の支配』というのも、適切な表現ではない」と述べました。
民主党は「さまざまな議論があることは承知しているが、民主党は、この点について立場を明らかにしていない」と述べました。
日本維新の会は「条文の文言と実態の運用がかい離しているので、憲法89条を改正して、私学への助成ができることを憲法上も明確にすべきだ」と述べました。
公明党は「私学助成の必要性は、実務でも学説でも肯定されている。党内には、憲法に明確に規定すべきだという意見がある一方で、法律で対応すればいいという意見もある」と述べました。
みんなの党は「過去の憲法解釈や政府見解、判例などからも、改正の必要はないと考えるが、党内には、89条から『教育』の文言を除くべきだという意見もある」と述べました。
生活の党は「憲法と現実とのかい離という疑念から議論が行われてきた。憲法の条文上も私学助成が可能であることが明確になるよう、89条の改正を検討すべきだ」と述べました。
共産党は「私学助成は、教育を受ける権利を定めた憲法26条の立場からも、憲法上の当然の要請だ。憲法違反という解釈の余地はなく、あえて憲法を改正する必要はない」と述べました。
憲法審査会:予算の複数年度編成巡り議論
毎日新聞 2013年04月18日
衆院憲法審査会は18日、第7章「財政」について審議した。1年度分のみ予算編成する現行の「単年度主義」を巡り、自民党、民主党、日本維新の会の3党の委員が複数年度にまたがって予算を編成できるよう憲法を改正すべきだと主張した。
自民の伊藤達也氏は単年度主義について「編成の硬直化や年度末の無理な執行などの弊害が指摘されている」と表明。民主の篠原孝氏は「複数年度の財政計画を国会に報告し、承認を得ることを憲法に明記すべきだ」と訴えた。
一方、共産党の笠井亮氏は「単年度主義は戦費調達のために国債を乱発して国家財政が破綻したことへの反省から設けられた」と述べ、現行制度を維持するよう主張。公明、みんな、生活の3党は明確な意見を示さなかった。 【仙石恭】