衆院憲法審査会は25日、憲法の第8章「地方自治」について討議しました。
自民、日本維新の会、公明、みんな、生活の5党は道州制の導入に前向きな意見を述べました。特に維新の会とみんなの党は、道州制を憲法に明示するべきだと主張しましたが、自民、公明、生活の3党は憲法改正の必要はないとの考えを示しました。
また永住外国人に対する地方参政権の付与については自民党と維新の会が反対しましたが、公明党は「地方レベルの選挙権を認めている国がほとんど。永住外国人が地方税を納めている以上地方議会で選挙権を持つべきだ」としました。
次回は5月9日に憲法改正発議の要件を定めた憲法96条について議論を行います。
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道州制 衆院憲法審査会で議論
NHK NEWS web 2013年4月25日
衆議院の憲法審査会で、道州制の導入を巡って議論が行われ、多くの党が導入に前向きな姿勢を示し、日本維新の会とみんなの党は憲法にも明記すべきだと主張しました。
衆議院の憲法審査会は、25日、「地方自治」を規定した憲法の第8章を巡って議論が行われ、都道府県をより大きく再編成して国の権限や財源を移す道州制の導入について、各党が意見を表明しました。
このうち、自民党は「われわれの憲法改正草案には道州制は直接盛り込まれていないが、現在、道州制を導入する法案を検討している。その中で『道』や『州』の位置づけを定めれば、憲法改正を行わなくても導入は可能だ」と述べました。
民主党は「道州制は広域自治体の形態として想定している。先の衆議院選挙で掲げたマニフェストでも『地方や国民の声を十分に聞きながら、中長期的観点で道州制を検討する』としている」と述べました。
日本維新の会は「道州制の導入は国の形を大きく変えるものであり、憲法にしっかりと規定して、明確に新しい国の形を打ち出していくべきだ」と述べました。
公明党は「道州制の導入は憲法改正を行わなくても立法措置で可能だ。道州制は統治構造を大きく改革し地方分権を推進するもので、その第一歩として基本法を早期に制定すべきだ」と述べました。
みんなの党は「地域主権型の道州制を実現して中央集権体制を打破し、地方を活性化すべきだ。今の憲法でも導入は可能だが、道州制は本来、憲法に明確に位置づけられるべき最重要事項だ」と述べました。
生活の党は「道州制を否定はしないが、今の憲法の範囲内で実現可能な制度を検討すべきだ。道州制は広域の自治体をどう組み立てるのかということに帰着するので、法律の問題だ」と述べました。
共産党は「道州制は、本来の地方自治とは逆の方向で、福祉や教育などを全国一律の水準にする責任を国が放棄し、道州や市町村に全部任せるという問題がある。導入には反対だ」と述べました。
一方、このあと開かれた幹事会では、来月9日に審査会を開き、国会が憲法改正を発議する要件を定めた憲法96条を巡って議論を行うことで、与野党が合意しました。