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日本政治立て直すために主権者が真摯に考察する
植草一秀の「知られざる真実」 2015年2月11日
政治権力者に対する批判を許さない空気が醸成されている。これをファシズムと呼ぶ。
イスラム国による邦人人質事件に対する安倍政権の対応は失敗の連続だった。
「テロに屈しない」と「人命第一」はそもそも二律背反であるにもかかわらず、安倍首相はその両方を掲げた。
しかし、実態は、「人命軽視」と「軍事国家推進への口実作り」に過ぎなかった。
昨年8月に発生した邦人人質事件に対して、安倍政権は有効に対処できず、邦人が殺害されたとの情報が流布される事態を招いた。
安倍政権の政策対応失敗の真実を明らかにして、その責任を問うのが国会の役割である。
ところが、いまの日本の国会は、その責任さえ果たさない。
邦人人質事件の検証を行う責任は国会にある。
国会は国政調査権を活用して、問題の真相を明らかにするべきであるが、その役割を果たそうとしていない。
日本政治はいま、崩壊の危機に直面している。
安倍政権は国会多数議席を確保したことを幸いに、主権者の意思を尊重しない政治運営に突き進んでいる。
国会議席の多数を確保したとしても、主権者の生命、自由、幸福を追求する権利にかかる重要事案に対しては、国政上、最大の配慮をすることが求められるが、安倍政権は「数の論理」を振りかざして、独断専行を強めつつある。
原発、憲法、TPP、消費税、基地、格差の各問題が、主権者の多数意見に反する方向に推進される危険が高まっている。
安倍政権の暴走を止めなければならない。
他方、この現状を許している責任の一端は、野党の側にある。
野党の姿勢は不明確で、維新、民主などは、結局のところ、安倍政権与党の補完勢力に成り下がってしまっている。
維新などは、大阪都構想実現で安倍政権の支援を受ける代わりに、日本を戦争推進国家にするための憲法改定に協力する方向を示唆し始めている。
民主党も原発、憲法、TPP、消費税、基地のすべての問題において、自公の与党勢力と明確に対峙する姿勢を示していない。
つまり、これらの勢力は、安倍政権の暴走をストップさせようとする主権者の受け皿にはなり得ない存在なのである。
原発、憲法、TPP、消費税、基地、格差の各問題について、安倍政権の基本方針に明確に反対する主権者は、間違いなく全体の25%を超えていると考えられる。
この25%の主権者が大同団結することが求められている。
25%の意味は、政権を奪取できるハードルという意味だ。
自公の与党勢力は国会多数議席を確保して、権力の座にふんぞり返っているが、主権者のなかで選挙で自公に投票した者の比率は25%にしか過ぎない。
ただ、この25%が、現在の選挙制度の特性を精査して、最も効率の良い選挙戦術を採用して対応しているから、国会多数議席を確保しているのである。
他方、安倍政権の基本方針に反対する政治勢力はどうか。
295ある衆議院の小選挙区に候補者を乱立させて、主権者の投票が分散される結果が誘導された。
これでは、自公与党勢力に塩を送っているようなものだ。
とりわけ、自公補完勢力というべき民主や維新を、メディアが反自公勢力と位置付けるために、反自公の考えを持つ主権者の投票が、こうした自公補完勢力に吸引されてしまう結果が誘導されている。
こうした現状を背景に、日本政治の行方を考える勉強会が、2月20日(金)午後5時から7時の日程で、衆議院第一議員会館で開催される。
日本政治の現状を憂い、日本政治の正しいあり方を考察するための、ひとつの出発点になる勉強会である。
心ある市民の積極的な参加が強く望まれる。
「日本政治の行方を考える市民と国会議員の勉強会」
日時 2015年2月20日(金)17時~19時
場所 衆議院第一議員会館 多目的ホール
発起人 伊東 章(弁護士)
伊藤 成彦(文学研究者)
植草 一秀(評論家)
白井 聡(政治学者)
辻 惠(弁護士)
参加希望者は住所、氏名、電話番号を明記の上、東京銀座総合法律事務所 辻 恵弁護士(元衆議院議員)FAX03-3573-7189 宛てに、FAXにて参加申込みをしていただきたい。
(以下は有料ブログのため非公開)