2015年2月18日水曜日

翁長知事、辺野古沖のブロック設置停止を指示

 翁長沖縄県知事は沖縄防衛局が名護市辺野古沿岸部の海底に設置したコンクリート製の「トンブロック」(10~45トン)がサンゴ礁を傷つけている問題で、16日、防衛局に設置作業の停止と設置したブロックを移動しないよう指示しました
 また、防衛局にブロックの図面や座標・水深、重量などの資料やブロック設置前後の海底写真を23日までに提出することを求め、従わない場合は許可を取り消すことがあると通知しました。
 
 沖縄県は27日から約10日間、現地を調査し、サンゴ損傷の有無などを確認します。
 これにより「無許可の岩礁破砕」が確認されれば「原状回復」を指示し、もしも従わなければ「岩礁破砕の本許可取り消し」の可能性もあります。 
 
 世耕官房副長官は同日「県から設置は手続きの対象にならないと示され、従っている」と反論したようですが、前知事時代海域の岩礁破砕を許可した際、「公益上の事由により、指示する場合は指示に従うこと」や「条件に違反した場合は許可を取り消すことがある」などの条件を付していて、反論になっていません。
 
 またそれとは別に、名護市は16日、辺野古基地に隣接する米軍キャンプ・シュワブ陸上部の文化財発掘調査に向け、事前手続きとなる現場確認作業を開始しました。3月6日までに計10日間、実施します
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翁長知事、辺野古沖のブロック設置停止を指示
琉球新報 2015年2月17日
 翁長雄志知事は16日、県庁で記者団に対し、米軍普天間飛行場の移設計画に伴い沖縄防衛局が名護市辺野古沿岸部の海底に設置したコンクリート製の「トンブロック」(10~45トン)がサンゴ礁を傷つけている問題で、防衛局に設置作業の停止と設置したブロックを移動しないよう同日指示したことを明らかにした。
 
 移設阻止へ初めて知事権限を行使した形だ。県が岩礁破砕を許可した区域の外でブロックを投下している可能性が高いとして、指示に従わない場合は「取り消しも視野にある」と明言した。
 政府は「法律にのっとって適正に事業を進めている」(中谷元・防衛相)と作業の正当性を主張している。
 県は防衛局に対し、昨年8月の岩礁破砕許可で認めた範囲の外での作業停止や資料提出を求めた。県は防衛局の資料提出などを受け、原状回復命令を下すことも視野に、27日から約10日間、現地を調査し、サンゴ損傷の有無などを確認する。
 
 翁長知事は記者団に対し「調査を見合わせるよう防衛局に配慮を要請したが今回の結果につながり大変遺憾だ」と話した。岩礁破砕許可の取り消しを判断すれば移設計画の行方に大きく影響しそうだ。
 県は防衛局にブロックの図面や座標・水深、重量などの資料やブロック設置前後の海底写真を23日までに提出することを求め、従わない場合は許可を取り消すことがあると通知した。
 県は前知事時代の昨年8月、172ヘクタールの海域の岩礁破砕を許可した際、県漁業調整規則に基づき「公益上の事由により、指示する場合は指示に従うこと」や「条件に違反した場合は許可を取り消すことがある」などの条件を付していた。
 県の作業停止指示などに対し、世耕弘成官房副長官は16日の記者会見で「県から設置は手続きの対象にならないと示され、従っている」と主張。「適切かつ丁寧に手続きを行った上で作業を実施してきた。甚だ遺憾だ」と述べた。
 防衛局は1月27日からブロック設置作業を開始したが、市民団体などの調査でサンゴの損傷が明らかになり、県が問題視していた。県の指示に対し防衛局側は「内容を確認中」としている。
 県漁業調整規則の根拠法である水産資源保護法を取り扱う水産庁は、これまで岩礁破砕の許可を取り消した事例は「把握していない」と話している。
 
 
辺野古停止指示 今後の流れは?
沖縄タイムス 2015年2月17日
 沖縄県は27日から名護市辺野古沿岸で現地調査に入る。沖縄防衛局の設置したコンクリートブロックがサンゴ礁を破壊した状況を実際に確認する。これまでは陸上からの目視のみで、海中調査は初めてになる。 
 
 調査を予定している海域は日米両政府が昨年7月に設定した臨時制限区域(561ヘクタール)の内側で、常時立ち入り禁止のため、米軍の許可を得て、防衛局職員の同行のもとで海に出て、潜水する見通し。 
 県は「岩礁破砕行為がなされている蓋然(がいぜん)性(確度)が高い」としており、防衛局に対し、ブロック撤去など原状回復を命じるとみられる。従わない場合、許可の取り消しもあり得る。 
 一方、防衛局が問題視されている海域での岩礁破砕の許可申請を提出する可能性もある。その時点で、県は審査し、許可、不許可を判断する。
 
岩礁破砕問題で想定される県の動き
 
 
遺跡調査で立ち入り 名護市、シュワブ内で確認作業
琉球新報 2015年2月17日
 【名護】名護市は16日、米軍普天間飛行場の同市辺野古への移設予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブ陸上部の文化財発掘調査に向け、事前手続きとなる現場確認作業を開始した。3月6日までに計10日間、実施する。新基地建設計画に関連して市が基地内に立ち入って文化財調査をするのは初めて。
 16日は市文化課と基地対策係の職員らがシュワブ内に入り、移設関連工事の影響を受ける遺跡5カ所を視察した。
 市は工事に関する詳細な説明を求めていたが、沖縄防衛局側から図面などは示されず、口頭説明だけだったという。
 17日以降、市は各遺跡で詳細に調査し、新年度に予定する試掘調査の場所や数などを検討するという。