ノーベル賞の推薦は2月1日で締め切られましたが、「ノーベル平和賞ウオッチャー」として知られる国際平和研究所のハルプビケン所長は、2015年の平和賞の予想を発表し、日本の「九条の会」を4位の候補として挙げました。
昨年は憲法九条が最有力と予想していたのでやや落ちましたが、多数の候補の中から4番目に推されたのは大変に喜ばしいことです。
なお同所長は、九条が選ばれる場合授賞対象として「九条の会」が最も可能性が高いとし、国民全体の授賞はあり得ないとしています。
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9条の平和賞受賞 今年は候補4番目 オスロの研究所長予想
東京新聞 2015年2月3日
【ロンドン=共同】「ノーベル平和賞ウオッチャー」として知られる国際平和研究所(オスロ)のハルプビケン所長は、二〇一五年の平和賞予想を発表し、日本の護憲派市民団体「九条の会」を四位の候補として挙げた。同所長は一四年の平和賞で、憲法九条を守る日本国民を最有力と予想していた。
同所長は「(集団的自衛権の行使を容認した)安倍政権による九条の解釈変更には、武力衝突の兆しだとの懸念が出ている」とし、東アジアの緊張の中、平和賞が戦争抑止の原点に戻るのは時宜にかなっているとあらためて訴えた。
九条が選ばれる場合、授賞対象として最も可能性が高いのは、大江健三郎氏らの「九条の会」だと分析。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)などが注目を浴びる可能性もあるとした。
日本では、九条を保持してきた国民全体を平和賞に推薦する市民運動がある。だが同所長は共同通信に対し、国民全体の授賞はあり得ないとの見方を示し、一五年の予想候補も「九条の会」に修正したと説明した。
最有力と予想したのは、アフリカから危険を冒して欧州に向かう移民の救援を続けるイタリア在住のカトリック聖職者ムシエ・ゼライ氏。
二位にクレムリンを批判してきたロシア紙「ノーバヤ・ガゼータ」、三位にイラク戦争開始以来の死者を集計する非政府組織(NGO)「イラク・ボディー・カウント」、五位に性暴力問題に取り組むコンゴ(旧ザイール)の産婦人科医ドニ・ムクウェゲ氏ら二人を挙げた。