2015年2月20日金曜日

安倍首相を徹底的に批判している人もいると天木氏

 安倍政権のメディア監視と報道干渉の姿勢は本当に常軌を逸しています。
 これほどメディアの報道にいちいち神経を尖らせて、少しでも気に入らないと放送中でも直接現場にクレームの電話を入れ、それで埒が明かないと上層部にクレームをつけるというような政権はかつてなかったのではないでしょうか。
 
 その結果メディアはすっかり萎縮して、TVの出演者に対して事前に局の担当者が「安倍批判はしないでくれ」と念を押すなどという、あきれるような事態になっているそうです。
 トップが首相との会食に呼ばれ続けているとこうなってしまうのでしょう。
 
 国会でも、安倍首相は野党議員から中東での言動を批判されると興奮状態に陥って、「イスラム国を批判するのがいけないというのか」というような反応を見せています。
 しかも首相を批判すると、それがケシカランとばかりに非難中傷の電話やメールが殺到するということです。きっと組織化されているのでしょう。
 こんなことがいつまでも続きそれが増幅すれば、やがては「政府を批判するものは国賊だ」というような主張が認知される風潮も起きかねません。
 
 それに負けて批判を抑えるようになったらそれこそ官邸の思う壺で、あっという間に戦前の、ロクにものが言えない世界に逆戻りします。
 
 何ものをも怖れずに安倍批判を続けている天木直人氏が、自身が真っ青になるほどに激しい安倍批判をした人がいると、ブログに書いています。
 そして「その気になればいくらでも安倍批判はできる。それが出来ないのは、批判する側に、失いたくない何かがあるからだ。保身が働くからだ」と述べています。
 
 またかつて外務省官僚で現在は著述の仕事をしている佐藤優氏も、暮れに池上彰氏との対談で、安倍氏は「単細胞」でなくて「半細胞」だと、その知的レベルを批判したということです。
 
 いずれも胸のすくような堂々たる批判で、こういう批判をしている人もいるということは知っておくべきです。
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「安倍首相の中東外遊を批判すると潰される」は本当か
天木直人 2015年02月17日
 邦人人質の命が危険にさらされている事を知っておきながら、のこのこと中東まで出かけて行って、おまけに不用意な演説やイスラエルとの親密ぶりをアピールしてイスラム国の敵となり、邦人を犠牲に追いやった。
 これは誰も否定できない安倍首相と外務省の大失策である。
 しかし、そんな安倍批判をしたら潰される、と皆が言い出している。
 政治家までも委縮しているかのごとくだ。
 おかしくはないか。
 
 たしかに安倍批判に対する圧力はある。
 メディアが出演者に対し番組の中では安倍批判を止めてくれと言ったり、安倍批判をした者が番組から降ろされる事件も起きた。
 私のところにも安倍批判を行うとてきめんに嫌がらせのメールが来る、ヤフーからの配信も一方的中止された。
 しかし、それぐらいで潰されたと思ったり騒いだりするのは、そう思う方に甘さがあるからだ。
 その気になれば安倍批判はいくらでもできる。
 
 その証拠に、右翼月刊誌サピオの3月号で落合信彦氏がこれ以上ないぐらい激しい安倍批判をしている。
 
 いわく、愚かなリーダー
 いわく、カネにものを言わせた「地球儀外交」の末路
 いわく、安倍晋三のバカげた功名心が「人質事件」を起こした
 いわく、アメリカや中国とはまともな外交が出来ないくせに、小国で歓待されていい気になっているのだから情けない
 いわく、この事件の責任は、誰よりも安倍晋三にある
 いわく、よりによってイスラエル国旗に前でスピーチした。アラブの敵だと言っているようなものだ。
 いわく、安倍よ、頼むからこれから外国旅行で国民の税金だけは使わ ないでくれ。その金は東北再建のためにつかってくれ。
 
 もう引用はいいだろう。
 私も同じような事を書いているが、こうしてあらためて読むと、私も真っ青なほどの激しい批判を紙面一杯に書き続けている。
  
  ここまで言われては安倍首相が可愛そうなくらいだ。
 それでも落合氏が冤罪で捕まったという話は聞かない。
 そうなのだ。
 繰り返して言う。
 その気になればいくらでも安倍批判はできる。
 それが出来ないのは、批判する側に、失いたくない何かがあるからだ。
 保身が働くからだ。
 安倍批判をして潰されるとやたらに騒ぐのは、本気で安倍批判をしていない事を自ら認めているようなものである(了)