2015年2月9日月曜日

湯川遥菜さん、後藤健二さん追悼する集会 全国8カ所で

 イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人殺害事件を受け、インターネット上の呼びかけに応じた人たちが全国各地に集まり、2人の死を悼みました。

 東京の渋谷駅前の広場には数百人が集まり、広場の一角は身動きが取れないほどになりました。

 参加した人たちは、後藤健二さんと湯川遥菜さんの名前を記した紙やキャンドルなどを持ち、2人の死を悼みました
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湯川遥菜さん、後藤健二さん追悼する集会 全国8カ所で同時に
Christian Today 2015年2月8日
 北海道から九州まで全国各地で8日夕方、過激派組織「イスラム国(IS)」によって殺害された湯川遥菜(はるな)さんと後藤健二さんを追悼する集会が開催された。集会はツイッターなどで呼び掛けられたもので、東京の渋谷駅前で行われた集会では、「I AM KENJI」「May Rest In Peace. in memorry of Kenji Goto Haruna Yukawa」などと書かれたプラカードやペンライトを持った人々が集まり、2人の死を悼んだ。
 
 横浜市の男性会社員(32)は、 シリアで2011年1月に内戦が始まる約2カ月前まで中東を巡る一人旅をしており、シリアやヨルダンにも訪れたことがあるという。内戦勃発後も、シリアの情勢を伝えるニュースなどを見て、その中で後藤さんの名前を見ることもあったと言い、「さすがに今回は心が痛い。日本の流れがあまりよくない中で、少しでもこういう人の死をいたわれれば」と語った。普段はこうした集会に参加することはないというが、「これはある意味、人の死を悼むそれだけの集会のようなので参加した」という。また、一人旅で訪れたシリアの町々も被害が深刻だと言い、「少しでもよい方向に、平和にいければと常に考えています」と語った。

 
 埼玉県にある障がい者支援の福祉施設で働いているという男性(46)は、湯川さんと後藤さんの死について、「自己責任」と責める風潮があることについて触れ、「(こうした風潮は)福祉の世界でも同じです。しかし、たとえば、年を取って認識が難しくなったり、障がいを負って不自由になったのは、その人の責任ではないのです」と指摘。殺害された2人にしても、障がい者にしても、国やわれわれが守っていく責任があると語った。一方、自身はクリスチャンではないものの、親類にクリスチャンがおり、共感するところがあったと言い、後藤さんがクリスチャンであったことは今回の事件で知った話した。
 
 
長野県から来たというパートの女性(44)は、後藤さんが約4年半前に ツイッターに残したコメントを印刷して参加した。このコメントは、「目を閉じて、じっと我慢。怒ったら、怒鳴ったら、終わり。それは祈りに近い。憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。-そう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった」というもので、これまでに4万人以上が共有し、テレビや新聞などでも取り上げられた。
 
 コメントは今回一緒に来れなかった夫が印刷したといい、「ここ(ツイッターのコメント)に書いてある通り、後藤さんは、テロと戦争したくて、テロとの戦いをしたいわけではないと思いますので、2人が亡くなってすごく残念で悲しく思っています」などと語った。
 
 2人の殺害のニュースを聞き、「言葉もなかったです」と言う東京都内の主婦(61)は、「人を助けたいと思っている方が、ああいう形で、国家から見捨てられるような形で、異国の地でお亡くなりにならなければならない、まだお若い方がと思うと、無念と申し訳ない気持ちでいっぱいです」と語った。また、殺害された日本人2人だけではなく、現地では空爆や紛争により、子どもや弱い立場の人々が犠牲になっているとして、「こういう状況を私たちは忘れてはいけないし、できることはないか、祈るだけではなくやっていきたいと思っています」と語った。
 
 ツイッターに投稿された情報によると、追悼集会は札幌、仙台、東京、千葉、名古屋、京都、大阪、福岡の全国8カ所で、8日午後5時から同時に行われた。渋谷では、集会前まで降っていた雨は集会時には止んだものの、一部の地域では雨の中、参加者がロウソクに火をともし、2人の死を悼んだ。
              NHKの画像より↓
日本人殺害事件 2人の死を悼む集会
  
「国民はテロとの戦いをする気はない」 後藤さん、湯川さん追悼集会
田中龍作ジャーナル 2015年2月8日
 イスラム国による湯川遙菜さんの殺害が明らかになって15日が経つ。後藤健二さんはちょうど1週間だ。
 今夕、札幌、仙台、東京、京都、福岡など全国各地で2人を追悼する集会が開かれた。
 
 渋谷のハチ公前にはプラカードや花束を手にした人々が次々と集まった。開始から1時間も経たないうちに500人余りの参加者がハチ公前広場を埋めた。
 「I am Kenji」「May Rest in Peace=安らかに眠れ」…後藤さんと湯川さんの死を悼むメッセージが、キャンドルの灯りに照らし出された。
 「テロとの戦い」「自己責任」…讀賣新聞をはじめとする記者クラブメディアによって作り出される世論が、国民の思考を停止させる。
 2人の死を悼んでハチ公前に足を運んだ人々に話を聞いた。
 「どこまでが自己責任なのかは、恣意的に決められている。後藤さんは日本人だから殺されたのではないか。日本(安倍官邸)の外交に問題があるのではないか」。(30代女性・会社員)
 
 「私を含め日本国民はテロとの戦いをする気はそもそもない。(その気があるのは)安倍さんだけだと思っている。日本はいつの間にか有志連合に入っていた」。(60代男性・都内在住)
 
 今回の惨劇を“有効活用”しているのが安倍首相だ。集団的自衛権の行使を加速させ、憲法改正の発議も政治日程に入れた。
 
 後藤さんは平和の尊さを訴えながら中東の大地に果てた。愚かな首相と愚かなマスコミが、後藤さんの願いとは逆方向に日本を持って行こうとしている。
 
 「I am Kenji」「I am Haruna」。二人の霊が迫って来るようだった。=8日夕、渋谷 写真:筆者=