2015年2月15日日曜日

憲法集会の後援、神戸市また断る 横浜教委も映画の後援を

 護憲派市民団体が5月2日に開催を予定する「神戸憲法集会」について、神戸市と同市教育委員会が後援依頼を断りました。昨年5月と11月の開催分についても市と市教委が共に不承認としています。
 憲法を尊重擁護すべき立場の市の職員などが「護憲」をまるで異端であるかのように見做すのは実に不思議な話ですが、こうしたことは安倍政権になってから顕著になりました。
 
 横浜では、沖縄の住民運動を記録したドキュメンタリー映画「標的の村」の上映会、横浜市教育委員会が一旦は後援していましたが、後援の表記をしないよう主催団体に要請していました。今月上旬、市内外から電話やEメールで「後援はふさわしくない」などの抗議や意見が約20件あり、市議からも問い合わせがあったからということで、後援自体は取り消していませんが表記は困るということです。
 なにやら組織的な工作が行われている感じがします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
憲法集会の後援、神戸市また断る
神戸新聞 2015年2月14日
 護憲派の市民団体などでつくる実行委員会が5月2日に神戸市内で開催を予定する「神戸憲法集会」について、同市と同市教育委員会が後援依頼を断っていたことが分かった。
 
 憲法記念日に合わせ、実行委が沖縄の大学教授の講演などを企画し、昨年12月に市と市教委に申請。両者から「後援を差し控える」という内容の今月2、3日付の書面が届いた。理由は明記されていなかったが、市と市教委の担当者は、取材に「総合的に判断した結果」などと話した。
 憲法集会の後援をめぐっては、昨年5月と11月の開催分についても市と市教委が共に不承認としている。実行委は、両者に説明を求める方向で検討しているという。(小川 晶)
 
 
沖縄住民運動のドキュメンタリー映画「標的の村」 後援表記の削除 要請
東京新聞 2015年2月14日
 米軍新型輸送機オスプレイの配備をめぐる沖縄の住民運動を記録したドキュメンタリー映画「標的の村」の上映会について、後援した横浜市教育委員会が、外部から抗議を受け、後援の表記をしないよう主催団体に要請していたことが分かった。後援自体は取り消していないが、「市教委の中立性を損なうおそれがある」とし、事実上後援をしていないようにする形だ。
 
 映画は琉球朝日放送制作で、オスプレイの沖縄配備に伴う着陸帯(ヘリパッド)建設反対運動を通じて、米軍基地の問題を訴える内容。上映会は、市内の映画愛好家らでつくる横浜キネマ倶楽部が主催し、二十八日に同市西区で開催する。
 市教委によると、後援は同団体の申請を受けて昨年十一月に決めていたが、今月上旬、市内外から電話やEメールで「後援はふさわしくない」などの抗議や意見が約二十件あった。市議からも問い合わせがあったといい、チラシの内容などを検討した結果、ウェブサイト上の開催告知や上映会当日に、後援名義を使わないよう主催者に求めた。映画そのものは見ていないという。
 市教委の後援の要綱では、申請に虚偽があった場合などを除き、取り消すことはできない。チラシの回収などは求めていない。市教委生涯学習文化財課の担当者は「後援を決めた時点では、内容を詳しく把握していなかった。賛成・反対どちらにしろ、市教委が偏っているようにとられるのは望ましくない」と話している。
 横浜キネマ倶楽部によると、要請を受け入れてウェブ上から市教委後援の表記を削除、当日にうたわないことも了承したという。
 一方、同映画配給会社・東風(東京・新宿区)によると、この映画は二〇一三年夏以降、全国約四百カ所で上映されている。公立中高生が沖縄への修学旅行前の事前学習で鑑賞した例もあるという。木下繁貴代表は「作品も見ずに判断するのは疑問。中立というが、社会問題を市民が考えるきっかけとなる場に、市教委が後援することは理にかなうのではないか」と話している。