沖縄に、「基地建設を止めたい」「若者に基地や政治を考えてほしい」と、昨年11月の沖縄県知事選挙から集まり行動を続ける、十数人の学生・青年がいます。「ゆんたくるー」です。
「ゆんたくるー」という名前は、沖縄の方言「ゆんたく」=“にぎやかにおしゃべりする”に英語の“乗組員”を意味する「クルー」を合わせたものです。
東京で「辺野古基地反対」で立ち上がった学生たちとも連携し始めています。
辺野古で米軍新基地建設に向けた工事の動きが激しくなった今は、基地見学バスツアーの企画とともに、毎週水・土曜日には辺野古の抗議テントに集まり、カレーパーティーやそばパーティーを行って、若者が来やすい座り込みを模索しています。
しんぶん赤旗が沖縄基地反対で立ち上がる若者たちの様子を伝えました。
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ゆんたくるー SASPL 立ち上がる若者
沖縄基地反対の思い発信 行動する大切さ実感
しんぶん赤旗 2015年2月15日
昨年の沖縄県知事選と総選挙で、「基地NO」の民意がはっきりと示されているにもかかわらず、安倍政権が強行する辺野古米軍新基地建設に、全国の若者が「いてもたってもいられない」と立ち上がっています。沖縄と東京でそれぞれ立ち上がった学生たちが、「基地反対」の思いを力強く発信し、連携し始めています。「ゆんたくるー」と「ex‐SASPL(サスプル)」です。 (土田千恵)
沖縄に、「基地建設を止めたい」「若者に基地や政治を考えてほしい」と、昨年11月の沖縄県知事選挙から集まり行動を続ける、十数人の学生・青年がいます。「ゆんたくるー」です。
「ゆんたくるー」という名前は、沖縄の方言で“にぎやかにおしゃべりする”という意味の「ゆんたく」と、英語で“乗組員”を意味する「クルー」を合わせたものです。
知事選や総選挙の際は「翁長雄志さんを応援したい」「若者の投票率を上げたい」という思いで、沖縄の中でも特に緊迫している辺野古や、東村高江のヘリパッド(米軍オスプレイ着陸帯)建設現場を見学するバスツアーなどを行いました。
辺野古で米軍新基地建設に向けた工事の動きが激しくなった今は、基地見学バスツアーの企画とともに、毎週水・土曜日には辺野古の抗議テントに集まり、カレーパーティーやそばパーティーを行って、若者が来やすい座り込みを模索しています。
「やんばるの森にしかいない豊かで貴重な虫や植物が、基地で奪われるのを止めたい」というのは、メンバーの一人の女性(24)=大学院生=です。「あと少し人がいれば、工事材料の搬入トラックを止められたのに、と悔しい場面が何度もありました。若い人にもっと現場に来てほしい。そのためにも、まずは基地のことを知ってもらう機会を増やしたいんです」と話します。
「基地と隣りあわせで、沖縄ばかり苦しんでいることに、違和感を感じた」と話すのは、京都府宇治市出身で沖縄の大学に通う女性(21)=大学2年生=です。「基地は全国の問題。沖縄の人たちだけでなく、県外からも声をあげないと変わりません」と訴えます。
「ここに来て、実際に行動することの大切さを実感しました。『基地や戦争はいやだ』と思うだけじゃなく、何かしないといけない。そう思える機会を少しでも増やしたいです」
「ゆんたくるー」は今後も座り込みを続け、バスツアーを定期的に開いていく予定です。
得意分野生かし連携
学生たちも、沖縄・辺野古への新基地建設に反対して立ち上がっています。秘密保護法に反対して東京で数千人規模のデモなどを主催し、2014年12月に解散した「特定秘密保護法に反対する学生有志の会(SASPL=サスプル)」です。
「自由と民主主義の緊急学生行動(ex‐SASPL)」として、3月末まで、人を入れ替えながら常に3人ほどのメンバーが基地前の抗議テントに滞在する予定です。座り込みへの参加はもちろん、これまで培った映像技術を使い、現地の動画や基地問題のPRポスターを発信しています。
「選挙で沖縄県民が『基地はいらない』という結果を出したのに、工事を推し進めている様子がニュースやツイッターで流れてきて、いてもたってもいられなくなって来ました」と女性(21)=大学3年生=は語ります。「秘密保護法に反対し始めたころ、『知る権利を持っていても、行使しなければ意味がない』と気づきました。基地問題でも萎縮せず、ここで体験した情報を発信していきます」
東京都大島出身の女性(21)=大学2年生=は「南の島、沖縄。あこがれの場所だし、実際来てもすごくいいところです。そんな沖縄を苦しめ続ける基地に怒りを感じる」と話します。「座り込みはつらいこともあるけど、抗議するのに一人一人の力が大きいし、『来てくれてうれしい』といってくれる沖縄の学生もいる。少しでも力になりたいです」
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沖縄と東京、それぞれで立ち上がった若者たち。「ex‐SASPL」は「ゆんたくるー」のイベントに参加しつつ、現地の若者との交流を深めています。「ゆんたくるー」は「ex‐SASPL」とともにPRポスターの作り方を模索するなど、それぞれの得意分野で連携し合っています。
今後もそれぞれが行動しながら、PR動画なども作成していく予定です。
交流する「ゆんたくるー」と「ex‐SASPL」の学生たち=沖縄県東村高江