朝日新聞、毎日新聞などが「松竹伸幸氏の共産党除名問題」について社説で共産党を批判していることについて、憲法学者の小林節さんが「岸田大軍拡の道を止めようと野党の中核でがんばっている日本共産党へのバッシング」だと批判しました。
⇒(2月16日)小林節さん 敵基地攻撃能力は国を滅ぼす 「結社の自由」侵害は看過できぬ
しんぶん赤旗の「おはようニュース問答」のコーナーに、「大手メディアの共産党バッシングどうみる?」が載りました。
大新聞が敵基地攻撃能力保有でも大軍拡でも問題点をほとんど報道しないのに、共産党を攻撃するというのは困ったことです。
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おはようニュース問答 ワイド版
大手メディアの共産党バッシングどうみる?
しんぶん赤旗 2023年2月18日
晴男 大手新聞の共産党バッシングがひどいな。「異論封じ」とか「強権体質」とか言いたい放題という感じだ。
陽子 松竹伸幸さんという党員の除名問題でしょう。彼が処分されたのは異論を持ったからではないよ。異論を党内のルールに従ってのべることを一度もしないまま、いきなり本や記者会見で攻撃を始めた。これがルール違反だからでしょう。
なぜ「攻撃」という言葉を使うの?
晴男 除名は他の党でもあることだね。ただ、なんで「攻撃」という言葉を使うんだろう?
陽子 松竹さんは、党の規約に対して「異論を許さない政党」であるかのように批判し、綱領に対しても「野党共闘の障害になっている」と批判したんでしょう。どちらも事実に反すること。事実に反する批判を「攻撃」というのは、当然じゃないかな。
晴男 新聞では「善意」で改革提案をしているみたいに書かれているよ。
陽子 本人も盛んに「共産党愛」を強調している。でも、「善意」ならなんで党内のルールに従って意見を表明しなかったのかな。共産党はどの機関にも質問したり、回答を求める権利を保障しているのに。
晴男 そうだね。マスコミをバックにつけている感じも嫌だね。日本記者クラブでの会見とかネット番組への出演とか、有名人扱いもおかしい。ただ、「いきなり除名はどうか」という人もいるらしいよ。
陽子 彼の本が出版されたときに、「赤旗」に綱領や規約から逸脱しているよという警告の論文が出ているし、本人への聞き取りでも問題を指摘したというし…。それでも全く反省しなかったらしいよ。
晴男 それだったら仕方ないな。
安保堅持なら共産党でなくなるね
陽子 彼の主張をみているととても共産党とは思えないことをいっているよね。
晴男 たとえば?
陽子 日米安保条約を堅持せよとか、自衛隊は合憲だとかいう主張よ。「核抑止抜き専守防衛」というややこしい提案もしているけど、要するに米軍の通常兵力は日本を守る「抑止力」として認めよということでしょう。
晴男 えーっ。それじゃあ、沖縄の辺野古新基地をおしつける政府の理屈と同じじゃないか。政府も「抑止力」のために新基地が必要といっていた。
陽子 その通り。新基地だけじゃなく、オスプレイの傍若無人な飛行も認めよとなるし、全国で問題になっている米軍機の低空飛行も「抑止力」のために必要となるじゃない。
晴男 それじゃあ、共産党が共産党でなくなるね。
陽子 ほんとうにそう。アメリカいいなり政治のおおもとにある日米安保条約を国民多数の合意で廃棄して、対等・平等の日米関係をつくるのが綱領の一番のかなめでしょう。松竹さんが今回のような行動をとった根っこには日米安保条約堅持への政治的な変節がある。彼が主張する「党首公選」はマスコミが一昨年の総選挙以来いいだしていたから、それにのって安保についての自分の主張を宣伝したかったんでしょうね。
共産党の党首の選び方は?
晴男 共産党は「結社の自由」があるから、どういうやり方で党首を選ぼうが自由だと思うけど、どうして直接投票をやらないんだ?
陽子 共産党は党首一人を選ぶのではなく、指導部集団を選出するやり方をとっているの。党大会の代議員が選挙した中央委員会が、委員長、副委員長、書記局長などを選出するやり方だよ。
晴男 そういえばそうだね。
陽子 そのやり方が、個人の専断を排してみんなの知恵と力をあつめて党を民主的に運営するうえでも、党内に派閥をつくらず団結して前進をはかるうえでも、一番合理的なのよ。それに、共産党には立身出世や個人的栄達を求める人はいないから、ポスト争いはもともとないしね。
晴男 それはいえる。芸人のパックンが「共産党の健在さのもとはいまのやり方ではないか」「他党のまねをする必要はない」といったらしいよ。
「結社の自由」どう考える?
晴男 ただ、「結社の自由」と「言論・出版の自由」の関係はどう考えたらいいんだろう?
陽子 「結社の自由」というのは、だれもが自分の意思で政党に加入したり、脱退する自由があるし、政党には高度な自主性・自律性が認められるべきだというものでしょう。「言論・出版の自由」も「結社の自由」も同じ憲法21条で保障された重要な基本的人権だし、どちらが上ということはない。ただ、自分の意思で政党に加入した以上、その党のルールに従うのは当然ということになるでしょう。
晴男 「赤旗」で憲法学者の小林節さんが「岸田大軍拡の道を止めようと野党の中核でがんばっている日本共産党へのバッシング」だと批判していたね。
陽子 「朝日」は人権擁護を標榜(ひょうぼう)しているのに、共産党の「結社の自由」を侵害していると批判している。その通りだと思う。だいたい、大新聞は、敵基地攻撃能力保有でも大軍拡でも問題点をほとんど報道しない。共産党を攻撃する前にやることがあるでしょうといいたい。 〔2023・2・18(土)〕
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。