2023年5月3日水曜日

大幅賃上げ 大軍拡・増税ノー 第94回メーデー 中央会場に1・5万人

  1日、第94回メーデーが全国256カ所で開かれました。4年ぶりに、ほぼコロナ禍前に戻した形で開催された東京・代々木公園の中央メーデーには1万5000人が参加し、集会後、都内3コースをデモ行進しました。しんぶん赤旗が報じました。

 日比谷公園大音楽堂で行われた日比谷メーデーには3,500人が集まりました。レイバーネット日本の記事を併せて紹介します。
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大幅賃上げ 大軍拡・増税ノー 第94回メーデー 中央会場に1.5万人
                        しんぶん赤旗 2023年5月2日
 「物価高騰分を上回る大幅賃上げ」「大軍拡・増税反対」などをかかげ1日、第94回メーデーが全国256カ所で開かれました。4年ぶりに、ほぼコロナ禍前に戻した形で開催された東京・代々木公園の中央メーデーには1万5000人(主催者発表)が参加。人気アニメのキャラクターを模して「インボイスは駆逐」とアピールするデコレーションカーなども復活し、集会後、都内3コースをデモ行進しました。志位委員長のあいさつ









     (写真)団結ガンバローを唱和する第94回中央メーデー参加者=1日、東京都渋谷区

 中央メーデー実行委員会の小畑雅子代表委員(全労連議長)が主催者あいさつしました。
 壇上からの決意表明で「職場の理不尽な業務命令に対し、2月に組合を結成。非正規雇用や離れた職場で働く人にも声をかけ、職場の多数派となった」と語り拍手に包まれたのは、全印総連国際マイクロ写真工業社労働組合の加藤恵委員長です。
 全国の国立病院でストライキを打った全日本国立医療労働組合(全医労)の前園むつみ委員長は、「多くの組合員の参加で大きくアピールできた。機構の姿勢を変えるために、団結してたたかっていく」と表明しました。
 日本共産党の志位和夫委員長が来賓あいさつ。日比谷メーデー実行委員会の中島由美子代表幹事は連帯あいさつで、「連帯し、平和の上にジェンダー平等を確立しよう」と呼びかけ。安全保障関連法に反対する学者の会の浅倉むつ子早稲田大学名誉教授は、労働時間を短縮して「生活時間」を取り戻し、民主主義のために使ってほしいと激励あいさつしました。

 「平和が1番」の手作りのプラカードを掲げて参加した全商連の女性(45)は、「武器商売をなくすことが一番の願いです」と話しました。

暮らしと平和守る共闘へ
小畑代表委員が主催者あいさつ
 主催者あいさつした小畑雅子代表委員(全労連議長)は「3年余りのコロナ禍のもとで、新自由主義経済政策の矛盾があらわになった」とのべ、物価高騰が追い打ちをかけていると指摘しました。
 春闘では大幅賃上げを勝ち取るために「たたかう労働組合のバージョンアップ」に挑戦し、貴重な教訓を積み重ねてきたと強調。国際労働機関(ILO)が掲げる「ディーセントワーク人間らしい生活を継続的に営める人間らしい労働条件の実現」のために労働組合の役割は大きいとして、「掲げた要求に確信をもち、労働組合への結集を高め運動をすすめよう」と訴えました。
 「戦争か平和かの重大な岐路に立つ今、大軍拡・大増税、改憲ではなく憲法を生かし、平和な日本をつくるために、幅広い労働者・国民の共闘を」と呼びかけました。

志位委員長があいさつ
 志位委員長は激励のあいさつで、賃上げをかちとるための二つの力を語るとともに、平和・暮らし・民主主義を破壊する岸田政権と「悪政4党連合」の暴走を国民・労働者のたたかいで包囲しようと呼びかけました。
 第一は、たたかう労働組合の結束した力です。志位氏は、全労連の呼びかけにより、昨年を大きく上回る労働者がストライキを決行したことに触れ、熱い連帯を表明。「資本から独立したたたかう労働運動の出番です」と述べ、世界でも大幅賃上げを求めるストライキの大波が起きていることを紹介し、「世界の労働者と連帯して、物価高騰を大きく上回る賃上げを勝ち取ろうではありませんか」と訴えました。
 第二は、政治の責任で賃上げを推進することです。志位氏は、岸田政権は財界に対して賃上げを「お願い」するだけで、中小企業に対する賃上げの具体策は何一つないと批判。大企業の内部留保増加分への時限的課税を行い、税収の10兆円を中小企業支援にあて、最低賃金を1500円に引き上げる日本共産党の提案の実現とともに、消費税5%への緊急減税とインボイスの中止を訴えました。
 志位氏は、国会の状況について、次々に悪法が衆院で強行されるなか、5年間で43兆円の大軍拡の財源を捻出する「軍拡財源確保法案」の連休明けの採決が狙われていると指摘。悪法の採決を強行してきた自民、公明、維新、国民の「悪政4党連合」の暴挙に強く抗議し、必ず廃案に追い込もうと呼びかけました。
 「希望は国民のたたかい」にあると訴え、たたかいの力で政権を包囲し、新しい日本をつくるために力を合わせようと訴えると、参加者から大きな拍手がわきおこりました。


物価高騰、人権侵害、外国人差別、戦争の危機をはね返そう!
    〜日比谷メーデー盛大に
                       レイバーネット日本 2023-05-02
   ⇒ 動画(9分) https://youtu.be/5RbXmkuHTxU
 物価高騰、職場での解雇や人権侵害、外国人差別、戦争の危機。働くものの環境がいっそう悪化するなか、5月1日、第94回メーデーが開催された。この日はメーデーにふさわしい5月の晴天に恵まれた。日比谷メーデーの会場である日比谷野音周辺の木々は鮮やかな緑色に染まっていた。そこに赤や青の組合旗が林立していた。コロナが開けたひさしぶりの大規模集会に参加者の表情も高揚していた。
 9時50分に式典が開始された。主催者・連帯・来賓挨拶に続いて、現場労働者からの「決意表明・訴え」があった。登壇したのは4人で4つのテーマを代表しての発言だった。「正規・非正規連帯」谷川紀子さん(郵政産業労働者ユニオン)、「外国人労働者」長谷川ウェナさん(全統一労組ピードア分会)、「組合弾圧」松尾聖子さん(全日建連帯労組関西生コン支部)、「反戦平和」菱山南帆子さん(5・3憲法大集会実行委員会)がマイクを握った。全員女性だった

 谷川紀子さんは非正規社員11人が原告になって「均等待遇」を求める裁判を起こし、最高裁で成果をあげたことを報告した。勝因は、非正規と正規が一緒にたたかっている郵政ユニオンの取り組みだった。

 長谷川ウェナさんは10数人の仲間と登壇した。仕事は都内のホテルでのベッドメイキング・清掃だが、2021年2月に「コロナで経営悪化」を理由に全員解雇された。長谷川ウェナさんの怒りは激しかった。「経営悪化はウソ!必要のない解雇でした。会社は別法人を立ち上げて営業を再開しています。そして社長は逃げ回っている。私たちには組合がある、パワーがある。こんな解雇は許せません。絶対にあきらめません。応援を宜しくお願いします」。会場から大きな声援が起きた。

 次に登壇した松尾聖子さん。「私は関西のメーデーには参加したが東京は初めて。緊張しています」。その言葉とおり、震えを押さえながらマイクに向かった。「関西生コンの弾圧は正当な労働組合活動が犯罪にされたことです。ユーチューブの動画でメチャクチャ悪いイメージをつくられたが、都合よく編集されたもので真実ではない。裁判も負けていたが、最近、無罪判決が続いた」。ここで感極まったのか「逆転無罪判決!ヤッタ!」と手を広げた。顔には涙があふれていた。「日本の司法では起訴された事件の有罪率は99%。それが勝ったんです。正当な労働組合活動は犯罪ではありません。無罪判決の流れを反転攻勢につなげていきたい。ストライキがあたりまえの社会にしたい」と訴えた。そして「悪いイメージを払拭するドキュメンタリー映画ができました。『ここから』です。関西生コン支部の本当の姿が描かれています。ぜひ見てください」と締めた。

 菱山南帆子さんは憲法審査会の現状を報告。岸田政権は「任期中にも改憲する意思を表明している。任期は来年9月。とても危険な状況だ。5.3の憲法大集会に総結集し、あらたな戦前を吹き飛ばしていこう!」と呼びかけた。

*団結ガンバロウ!
 参加者は、そのあと銀座に向けてデモ行進を行った。メーデーのメインスローガンは「働く者の団結で生活と権利、平和と民主主義を守ろう!」である。しかし自民党政権によって「生活と権利、平和と民主主義」がこれほど破壊されている状況はかつてなかっただろう。4月29日の連合メーデーにはその自民党総裁・岸田首相が堂々と出席している。大政翼賛でいいのか、労働組合のあり方がいまほど問われるときはない。(M)
〔追記〕参加者は主催者発表で3500人だった。