植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
現代の戦争は世界最大の産業=軍事産業の経済的な必要によって生じています。米国防総省予算規模は100兆円に近い額ですが、それでも10年に1度、中規模戦争がないと軍事産業を維持することができません。年間100兆円規模の予算を恒常化するために必要という意味です。
トランプが北朝鮮の金正恩と会談したときは本気で和平を実現しようとしたのですが、米国軍産複合体が総力を挙げて和平実現を阻止したため挫折しました。
ウクライナ戦乱については、15年に成立した「ミンスク2」(ウクライナ東部2地域に高度の自治権を付与する)をウクライナ政府が誠実に履行していれば起きなかったとしています。
そもそも19年に大統領に選出されたゼレンスキーは、「ミンスク合意履行による東部和平の実現」を公約していました。ところが米国に公約破棄を強制され、逆にロシアとの軍事的緊張を高める行動を取りました。ウクライナ戦乱は米国の誘導によって創作されたもので、いま何よりも重要なことは、この不毛な戦争を停止させること、停戦実現こそ最優先の課題であると述べています。
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不毛な戦争創作する戦争屋
植草一秀の「知られざる真実」 2023年5月 9日
戦争ほど愚かなことはない。地球よりも重いと言われる人の命。意味もなく人命を奪う戦争。
誰が戦争を煽り、戦争を創作しているのか。そのメカニズムを知ることが重要だ。
現代の戦争は必然によって生じない。現代の戦争は必要によって生じている。
誰のどのような必要か。答えは明白。軍事産業の経済的な必要である。
軍事産業は世界最大の産業。
原発産業が巨大すぎて潰せないと言われる。それでも日本の原発産業の規模は年間2兆円。
米国国防総省予算規模は100兆円に近い水準。巨大すぎて潰せないと言われる原発産業規模の50倍の水準。超巨大すぎる産業。それが軍事産業である。
この産業が存続を続けるために必要なもの。それが戦争である。
軍事産業は10年に1度の中規模戦争がなければ産業を維持することができない。
この「必要」に迫られ、「戦争」が創作されている。
米国のトランプ大統領は北朝鮮との和平を実現しようとした。
トランプ大統領は本気だったと思われる。北朝鮮の金正恩主席との会談を実現した。
和平実現阻止に総力を結集したのが米国軍産複合体。陣頭指揮を執ったのはボルトン大統領補佐官だったと見られる。トランプ大統領は和平実現を断念した。
北朝鮮は軍産複合体の要請に従ってミサイル等の発射を実行していると考えられる。
日本で重要な選挙が実施されるタイミングで北朝鮮が必ず動く。現在の日本政治権力に北朝鮮が加担していると見られる。
ウクライナでの戦乱は回避可能だった。
ウクライナ戦乱は2014年以降にウクライナ国内で勃発した内戦の延長線上で生じたもの。
この内戦を収束するための協議が行われ、ミンスク合意が成立した。2015年に成立した「ミンスク2」は国連安保理で決議されている。国際法の地位を獲得した。
ウクライナ東部2地域に高度の自治権を付与することが定められた。
自治権が付与されるとウクライナのNATO加盟可能性は消滅する。ロシアがミンスク合意に同意した重要な理由がこの点にあった。
ウクライナ政府がミンスク合意を誠実に履行していればウクライナ戦乱は発生していない。
2019年に大統領に選出されたゼレンスキーはミンスク合意履行による東部和平実現を公約に掲げた。ところが、大統領就任後に公約を破棄する行動を示した。
ミンスク合意を踏みにじり、ロシアとの軍事的緊張を高める行動を取った。
ミンスク合意はウクライナ政府と東部2地域との間で締結され、フランス、ドイツ、ロシアが協定締結に関与した。
ゼレンスキーのミンスク合意破棄を主導したのは米国。
2020年大統領選でバイデンが勝利した。バイデンはウクライナ利権疑惑の中心人物。
子息のハンター・バイデンがウクライナのエネルギー企業ブリスマから高額報酬を受け取り続けていた。
ブリスマ社は脱税やマネーロンダリングの疑いをかけられている曰わく付きの企業。
ブリスマ社の疑惑を捜査しようとしたウクライナ検事総長をバイデン副大統領が恫喝によって解任させた。このことをバイデンが自慢して発言した動画映像が流布されている。https://bit.ly/3piWHcC
バイデンがミンスク合意を踏みにじるようゼレンスキーを誘導した。
ウクライナ戦乱は米国の誘導によって創作されたもの。いま何よりも重要なことは、この不毛な戦争を停止させること。停戦実現こそ最優先の課題である。
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「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。