入管難民法改悪案は9日、衆院本会議で自民、公明、維新、国民民主の賛成多数で可決され衆院を通過しました。立民党、共産党、れいわは反対しました。今後参院でも激しい論戦が予想されます。
入管法改悪案に反対する集会が7日、東京都杉並区高円寺中央公園で行われ、土砂降りの雨の中 市民や外国人ら約1200人が参加しました。そして「反対の声を高めて廃案に追い込もう」と声を上げ、集会後 阿佐ヶ谷までデモ行進しました。
しんぶん赤旗とレイバーネット日本の記事を紹介します。
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入管法改悪案「廃案に」 東京・杉並 反対デモ
しんぶん赤旗 2023年5月8日
入管法改悪案に反対するデモ行進が7日、東京都杉並区内であり、市民や外国人らが「反対の声を高めて廃案に追い込もう」と声を上げました。主催は「0507入管法改悪反対杉並デモ実行委員会」。
主催者によると同デモには約1200人が参加しました。参加者は、「入管法反対」「入管法は廃案一択」などの横断幕やプラカードを掲げて行進。打楽器や笛による音楽演奏もありました。
デモに先立つ集会で、市民や弁護士、母国への強制送還で命に危険が及ぶ外国人などが発言しました。
駒井知会弁護士は、ある外国人は難民認定に10年もかかったと述べ、「日本では、明らかに難民が難民として保護されていない」と批判。この外国人とともに母国で反政府活動をしていた仲間は、アメリカやイギリスに逃れた後にすぐに難民認定され「第二の人生を切り開くことができている」とのべ、日本の遅れを訴えました。
同法案は、難民申請に上限を設けて3回目以降は申請中の送還を可能にします。「#FREE USHIKU」の長島結さんは、「強制送還をしやすくするものだ。国会に反対の声を届けよう」と呼びかけました。
集会とデモには日本共産党の本村伸子衆院議員、立憲民主党の国会議員、名古屋出入国在留管理局で亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの遺族も参加しました。
「送還は殺人」入管法改悪反対!〜土砂降りのなか「杉並大行進」3500人
レイバーネット日本 2023-05-08
→動画(5分)
「難民いじめる政治家いらない」「人権守れ!命を守れ」のデモコールが杉並の街に拡がった。
入管法改悪法案の5月9日衆院本会議採決、12日の参院審議入りを前にして、5月7日午後、改悪反対の市民たちは大デモを敢行した。天候は最悪で土砂降りの雨となったが、それをものともせず、人々は高円寺中央公園に続々と集まった。公園は傘・傘・傘で埋まり、ステージがほとんど見えない状況だったが、人々は登壇者のスピーチに聞き入った。
「送還は殺人だ」の文字を大きく書いた傘をもっていた男性がいた。「衆院の法務委員会を通ってしまったので、本気どころか死にものぐるいでやるしかないと思った。杉並をひっくり返すくらいのデモをやりたい」と闘志をむき出しに語ってくれた。
集会スピーチはどれも熱いものだった。立憲の参院議員・石川大我さんは法務委員会所属で、国会の場で運動の先頭に立っている。「私たちが入管法に反対する理由はたった一つ。この法律が人の命を奪うということだ」「参院では弁護士や市民と一緒につくった“難民保護法”を対案として提出する。これを成立させるように頑張ろう」と訴えた。
ロヒンジャ難民当事者のミューチョーチョーさんは、「強制送還」の危機が迫る窮状を切々と語った。指宿昭一弁護士は、「みんなで声を上げ続けること。それが政府与党を追いつめ、廃案を決断させる道だ。あきらめずに廃案まで闘っていこう」と声を張り上げた。
(写真)
デモの長い長い隊列は、高円寺から阿佐ヶ谷までつづき、シュプレヒコールが街に響いた
デモは午後3時40分すぎにチンドン隊を先頭に出発した。高円寺は若者と文化の街。3.11のときの反原発デモもここが発祥地となったが、そのときを彷彿するような熱気があった。土砂降りでなければ、大規模な解放空間がうまれていたことだろう。
デモの長い長い隊列は、高円寺から阿佐ヶ谷までつづき、シュプレヒコールが街に響いた。
大人数のデモ隊に「なにごとだろう」と注目する街の人の姿が目立った。参加者は主催者発表で3500人、若者が多かった。(M)