入管法をめぐり難民問題に関する国対ヒアリングが22日、国会内で開かれ、在留資格がないために生活に制約を強いられてきた当事者とその支援者から聞き取りを行いました。
そこでは子どもにだけ在留を認め、親を本国に送還しようとする入管の重大な人権侵害の実態が語られ、入管担当者の裁量で収容や本国送致を執行する根本問題が放置されている実態があきらになりました。
21日には、入管法改悪に反対して7000人が東京都渋谷区をデモ行進し、渋谷ハチ公前では街頭宣伝も取り組まれました。
2つの記事を紹介します。
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家族ばらばらにしないで 入管法改悪案 当事者らに聞き取り 野党ヒアリング
しんぶん赤旗 2023年5月23日
入管法をめぐり難民問題に関する国対ヒアリングが22日、国会内で開かれ、在留資格がないために生活に制約を強いられてきた当事者と、その支援者から聞き取りを行いました。子どもにだけ在留を認め、親を本国に送還しようとする入管の重大な人権侵害の実態が語られました。
両親がガーナ出身で日本生まれ日本育ちの大学2年生は「私たち外国人にも、子どもが親と一緒にいる権利がある」「両親がいなければ生活もできない」と訴え、野党の対案が実現すれば「私のような若者、その家族を救える」と話しました。
母がペルー国籍で、一時的に入管施設への収容を解かれた「仮放免」状態の女性は、小学生のとき母が目の前で入管職員から「子どもを置いて国に帰りなさい」と言われたものの、「母を犠牲にしてビザをもらうなんてできない。家族がばらばらになることも考えられない」と話し、そんな選択を子どもに迫るのはおかしいと訴えました。
移住者と連帯する全国ネットワークの鳥井一平共同代表理事は「(入管庁の)担当者により対応が変わるのが実情だ」と述べ、入管の裁量で収容を執行する根本問題に手を付けない政府案を批判しました。
日本共産党の仁比聡平議員は、命と人権を無視し、家族を引き離すことは許されないと述べ、野党案の成立に全力を挙げると強調しました。
「入管法改悪案 必ず廃案」 渋谷ハチ公前宣伝 本村・山添氏訴え
しんぶん赤旗 2023年5月23日
入管法の改悪に反対して、7000人(主催者発表)が東京都渋谷区をデモ行進した21日、渋谷ハチ公前では街頭宣伝も取り組まれました。市民と一緒に野党の国会議員がスピーチし、「改悪案を必ず廃案にして、真の入管法改正を実現しよう」と訴えました。
(写真)入管法の改悪に反対するスピーチを聞く、大勢の人たち=21日、東京・渋谷ハチ公前
「#FREE USHIKU」をはじめ、市民有志が主催し、大勢の人が足を止めました。野党から、日本共産党の本村伸子衆院議員、山添拓参院議員、立憲民主党の石川大我参院議員、石橋通宏参院議員、れいわ新選組の木村英子参院議員が訴えました。
山添氏は、国会審議の前提となる資料すら明らかにせず、悪法を成立させるのは許されないと強調。「外国人はもちろん、この国で暮らすすべての人の人権、民主主義が問われています。廃案に追い込むため頑張りましょう」と呼びかけました。
次つぎと市民もスピーチ。2018年ごろに入管をめぐる問題を知ったと語る俳優の古澤裕介さんは、「みんなで行動することは苦手なので、ひとりで街宣をしています。これからも俳優という名を背負って声をあげ続ける」と語りました。
飛び入りでマイクを握ったラッパー(⇒ラップ歌唱の歌手)のダースレイダーさんは、民主主義国家で一番大切なことは移動の自由だと指摘。改悪案が成立するなら、先進国の看板を下ろさないといけないと話し、「とんでもなく先進的ではない法律は、直ちにやめるべきです」と述べました。