連合の平均賃上げ率が5%を超えるなど大企業は今年大盤振る舞いをしました。背景には貯まりにたまった内部留保の存在があるのでしょう。
3月28日、予算成立を受けて岸田首相は異例の会見を行い、「今 我々はデフレから完全脱却する千載一遇の歴史的チャンスを手にしている。・・・私の政権の存在意義はそこ(完全脱却)にあるという強い覚悟で取り組みたい」と述べ、国民に次の2つの約束をすると言い切りました。
「今年物価上昇を上回る所得を必ず実現する」
「来年以降、物価上昇を上回る賃上げを必ず定着させる」(日刊ゲンダイ)
昨年来の物価の高騰は経済活動が旺盛になったからでも国民の購買力がアップしたからでもなく、アベノミクスが誘導した円安政策が生み出した破局的現象であって、決して「千載一遇の歴史的チャンス」などと呼べるものではありません。
そもそも今年の大企業の対応を恒常的なものと見做す時点で誤っていて、国民の賃金上昇がインフレ率を上回ることは古来 ありませんでした。
かつて安倍晋三氏は所信表明で 覚悟もないままに「同一労働 同一賃金」を謳いましたが、勿論何の進展もありませんでした。岸田氏の今回の発言も、同じように「甘い認識」と評されるのが「落ち」です。
決定的に欠けているのが国民の大半の勤め先である中小企業の実態の認識であり、生活保護世帯や年金暮らしの人たちへの配慮です。
3月26日、なかまユニオンなか卯分会が7時30分~8時までのストライキに取り組み、「レイバーネット日本」にその際の「ストライキ宣言」が載りました。
そこには「なか卯」で夜勤を9年間続けた人の時間給が、9年間に最低賃金の改定分以外にはたった10円しか上がらず、1090円に留まっているということも謳われました。
以下に宣言の全文を紹介します。
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時給を15%賃上げせよ!なか卯のストライキ宣言
レイバーネット日本 2024-03-31
情報提供 : なかまユニオン
3月26日なかまユニオンなか卯分会が、7時30分~8時までのストライキに取り組みました。なか卯は非正規差別をやめろ! 時間給社員の時給を15%賃上げせよ! 更衣時間の賃金払え! 出勤時間の勤務時間15分未満切り捨て分を支払え! というのが要求です。
ストライキ宣言
私は、なか卯で主に夜勤の時間帯で9年間働いています。店舗の衛生管理に努め、お客さんに衛生的でおいしい食を提供しようと全力で頑張ってきました。しかし、9年間で上がった時給は、最低賃金の改定分以外には、たった10円に過ぎず、私の時給は現在1090円です。あまりに安すぎるのではないでしょうか。
私たちは、今春闘でなか卯に対して時給15%のアップを要求しました。また、現在制服の更衣時間の賃金支払いと不払いになっている15分未満の勤務時間不払い分の賃金の支払いを要求しました。3月21日に団体交渉が開かれましたが、なか卯の回答は、3月29日に正社員の賃上げを発表し4月1日から実施する。しかし、私たちのような契約社員やアルバイトは最低賃金の改定次第ということでした。こんな差別的な取り扱いがあるでしょうか。
なか卯は全国に 462 店舗を構えていますが、正社員は 276 名 に過ぎません。なか卯の現場を支えているのは、私たちのような契約職やアルバイトの労働者です。正社員と同等の扱いをすべきです。更衣時間の問題や15分未満の賃金未払いの問題も「マニュアルではそんなことになってない」と問題をごまかしています。このような不当な態度を許すことはできません。
本日、なかまユニオンなか卯分会は、労働組合の正当な権利であるストライキ権を行使して、なか卯に対して非正規職の時給を直ちに15%賃上げすること、制服の更衣時間、不払いになっている15分未満の勤務時間不払い分の支払いを断固要求いたします。 全国のなか卯で働く仲間の皆さん、外食産業で働く皆さん、一緒に立ち上がりましょう。 全国のみなさん、ぜひ私たちの闘いにご支援をお願いします。
2024年3月26日
なかまユニオン
なかまユニオンなか卯分会
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。