2024年4月14日日曜日

14- 小池知事学歴の「真実はいつもひとつ」/カイロ大学声明が虚偽である疑い

 植草一秀氏が掲題の2つの記事を出しました。
 その前には4月11日 付で「政局に激震走る学歴詐称新展開」 http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2024/04/post-5d5775.html を出しています。
 前回は小池東京都知事は カイロ大学卒業が学歴詐称という指摘を、意表を衝く方法で回避しましたが、今回ここまでその舞台裏を暴露されては難しいでしょう。
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小池知事学歴の「真実はいつもひとつ」
              植草一秀の「知られざる真実」 2024年4月12日
静岡県の川勝平太知事、大阪府の吉村洋文知事、東京都の小池百合子知事。
メディアは川勝平太知事だけを集中攻撃。
吉村知事を攻撃する記事をほとんど目にしない。小池知事を攻撃する記事も目につかない。
誰が一番悪いか。日本の主権者はメディアの情報に惑わされずによく考えるべきだ

吉村知事は3月23日に茨木市で開かれた日本維新の会の会合で「いま、批判しているね、名前は言いませんけど『(羽鳥慎一)モーニングショー』の玉川とかね。
いま、批判するのはいいけど、入れさせんとこうと思って」
「『入れさせてくれ』『見たい』といっても、もう、モーニングショーは禁止。
玉川徹は禁止と、言うたろうかなと思う」と発言。

吉村知事は『モーニングショー』に出演する玉川徹氏が2025年大阪・関西万博について批判的なコメントをしているとして、玉川徹氏と、同氏が出演する番組名を名指しして、同氏を大阪・関西万博に「出禁」にしようかと思うとの発言を示した。
吉村氏は「公益社団法人2025年日本国際博覧会協会」の理事・副会長の職位にある。
大阪・関西万博主宰団体の最高責任者の一人。

巨額の公金が投入されている万博事業の最高責任者が万博に対する批判をしたという理由で出禁にすると発言したわけだ。これ以上の「政治の私物化」はない
吉村氏は4月10日になってようやく発言の撤回と謝罪をした。
10日の会見で「いくら政治集会の場であっても僕が言いすぎた。僕が間違っていた。撤回して、玉川さんに謝罪します。」と述べた。

しかし、「(発言の)意図は変わっていない」とも述べた。
在野のジャーナリストの発言に対して実名を挙げて、権限を有する万博に入れさせないと述べた行為は憲法が保障する言論の自由を侵害する行為であり、出禁発言は公権力の濫用そのものである。
吉村氏に対してメディアが辞任を求めないことは川勝氏に対する対応と比較してあまりにも不自然。

他方、東京都の小池百合子知事には重大な公選法違反の疑いが向けられている。
疑惑を告発したのは小池氏の元側近である小島敏郎氏。
小島氏は環境庁高官を経て小池氏側近として活動した。
弁護士としても活動しており、2009年からは青山学院大学教授を務めてきた。
2020年にエジプト大使館がフェイスブックにカイロ大学声明を公表。
小池百合子氏がカイロ大学を卒業したと公表したが、その文書を作成し、エジプト大使館フェイスブックに掲載する行為を主導したのが小池氏と関係者であった事実を暴露した。

本当にカイロ大学を卒業しているなら卒業証明書を取り寄せて公表すれば済むこと。
小島氏は小池氏にそう提言したが、小池氏はこの助言には従わなかった。
2020年6月9日午後4時に、小池氏の学歴詐称疑惑を追及する記者会見が予定されていた。弁護士の郷原信郎氏とジャーナリストの黒木亮氏による外国特派員協会での会見だ。
小島氏が小池氏から呼び出されて相談に応じたのは6月6日の夕刻。
6月7日朝に小池氏からどのようにすればよいのかを尋ねるメールが届いたが小島氏は保留した。

ところが、2日後の6月9日、駐日エジプト大使館のフェイスブックにカイロ大学の声明が掲載された。小池氏の卒業を認める文書だった。
小島氏はあまりの手回しの早さに驚いたそうだが、のちに判明したのは、エジプト大使館フェイスブックへの声明掲載を主導したのが小池知事、現千代田区長の樋口高顕氏、ジャーナリストA氏であったということ。

のちに小島氏がA氏から詳細な経緯を聞いた。その詳細を小島氏が告発した。
焦点は経歴詐称という公選法に抵触する重大問題。
小池氏サイドはエジプト大使館フェイスブックに掲載された声明を盾に経歴詐称でないと主張すると見られるが、重要なのは真実。
「真実はいつもひとつ」
小池氏が最大の窮地に追い込まれつつある。

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カイロ大学声明が虚偽である疑い
                植草一秀の「知られざる真実」 2024年4月14日
小池百合子氏の元側近が重大な告発を行った。
小池百合子氏はカイロ大学を卒業したと主張している。
かねてより、カイロ大学を首席で卒業したと主張してきた。
しかし、このことについて虚偽であるとの告発がなされている。

告発者の一人はかつて小池百合子氏がカイロに滞在した際、現地で同居していた女性。
2020年5月に刊行された石井妙子氏の著書『女帝 小池百合子』においては、女性の身の安全を考慮して「早川玲子」という仮名で登場していた
しかし、2023年秋の文庫本刊行に際して本人から仮名を実名に改めたいとの申し出があり、実名に切り替えられた。早川玲子氏の実名は北原百代氏

北原さんは昭和16年生まれ。80代を迎えている。
人生の晩年を迎え、自分には事実を伝える義務があるのではないか、黙っていることも罪なのではないかとの思いを強くしていった。
大手メディアに「小池百合子氏はカイロ大学を卒業していない」ことを手紙に書いて送った。
しかし、大手メディアからの反応はなかった。
その後、作家の石井妙子氏の文章に目が止まり、北原さんは石井氏に手紙を送った。
これが契機となり、石井氏が北原氏と面会。

精密な面会を重ねた末に『女帝 小池百合子』が刊行された。
北原氏は小池百合子氏とカイロで2年間同居した間柄。
カイロにおける小池氏の実態を知っている人物である。
石井妙子氏の記述によれば、小池氏がカイロ大学を卒業したと公表している1976年の試験の結果は、
「本人が『ダメ(落第した)だった』と言っていて、教授と交渉しても『あなたは最終学年ではないから追試を受ける資格がないと言われた』と落胆していた」
という決定的な証言を北原さんがしている。
この北原氏が実名を出して、「小池百合子氏はカイロ大学を卒業していない」と告発している。

今回、新たに実名告発をしたのは小池氏の元側近であった小島敏郎氏。
小島氏は元環境庁高官で退官後は青山大学教授を務めた人物。
弁護士資格を有し、現在は弁護士としても活動している。
2020年6月9日に、小池氏の「虚偽事項公表罪」ならびに「偽造私文書行使罪」の疑いについて弁護士の郷原信郎氏と作家の黒木亮氏が外国特派員協会で記者会見を開催する予定が示されるなかで、小池氏が緊急の対応を取った際に小島氏は小池氏から相談を受けた。
6月6日夕刻に小池氏から呼び出され、学歴詐称問題について、どのように対応すればよいかについて相談を受けた。
その際、小島氏は「カイロ大学から、声明文を出してもらえばいいのではないですか」と提案した。

翌6月7日午前に小池氏から小島氏に、具体的にどのような対応を取ればよいのかを訪ねるメールが送られたが、小島氏は返答を保留した。
その後、6月9日の郷原氏らによる記者会見開始時刻の2時間前に、エジプト大使館フェイスブックにカイロ大学声明が掲載された。
声明には小池百合子氏がカイロ大学を卒業しているとの内容が記載された。
小島氏はあまりに早い対応に疑問を感じたという。
その後、ジャーナリストA氏から、カイロ大学声明の文章を作成したこと、また、エジプト大使館フェイスブックに掲載されるまでの経緯の詳細を聞いた。
これらの内容を小島氏が今回、文藝春秋で明らかにした。

小島氏も小池氏がカイロ大学を卒業していないとの認識を有していることを表明している。
これに対して、小池氏は小池氏がカイロ大学を卒業していることをカイロ大学が公表しているとして、問題がないと主張している。
メディアは小池氏の主張を大きく取り上げているが、小池氏の主張だけでは小池氏がカイロ大学を卒業したことは立証されていない。
なぜなら、2020年6月9日にエジプト大使館フェイスブックに掲載されたカイロ大学声明の文章は小池氏の側で作成、準備したものであると考えられ、内容が真実とは言い切れないからだ。

文章にはカイロ大学学長のサインなどが記されているが、カイロ大学が真実でない文書に署名等を行った可能性を全面的に排除することができない。
日本政府はエジプトに対して巨額のODAなどの利益供与等を行っており、そうした政治的要因によってカイロ大学が事実ではない文書に署名等を行う可能性は十分に考えられるからだ。
現時点で小池氏が「カイロ大学を卒業した」ことに対する疑念はまったく払拭されていない。

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