2024年4月27日土曜日

自民は「政治とカネ」解決の意思なし/政治資金法改正 お粗末な自民党案/自民改正案は“抜け穴”だらけ

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて26日、衆院政治改革特別委員会が初めて開かれました。野党が政策活動費や企業・団体献金見直しを含めた幅広い政治改革の必要性を主張する一方で、自民案は議員の責任明確化に偏ったもので、それでさえも議員の処罰を巡って「言い逃れができる」と指摘されるなど、お粗末を極めたものでした(東京新聞)。
 植草一秀氏が24日に「自民は『政治とカネ』解決の意思なし」という記事を出しました。
 同氏は早くから政治資金規正法の改正が必須であるとして、最低限改正されるべき要点を繰り返し明確にして来ました。
 関連記事(下記他多数)
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 議員であればその至当性を分からない筈はないのに、今なおまともな改正案を出せないのは、裏金の甘みと議員の身分の保証を何とか残したいという願望があるからに他ならず、解決の意志を持っていないと断じるのが当然です。
 まるこ姫が「身内の公明党に突き上げられ出してきた政治資金法改正お粗末な自民党案」という記事を出しました。
 日刊ゲンダイは「岸田自民『政治資金規正法』改正案は“抜け穴”だらけのザル…専門家『悪質な論点ずらし』とバッサリ」という記事を出しました。
 3つの記事を紹介します。
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自民は「政治とカネ」解決の意思なし
               植草一秀の「知られざる真実」 2024年4月24日
自民党の裏金・脱税疑惑事件。表面化したのは昨年秋。組織ぐるみの巨大犯罪。
政治資金の入りと出は収支報告書に記載しなければならない。

政治資金規正法が定めている。この法律は議員立法で制定された。
国会議員が自らの行動を規制するために定めた法律。
その法律を自民党が組織ぐるみで踏みにじった。

しかし、検察は自民党の組織ぐるみ犯罪を適正に摘発しない。権力者の犯罪は無罪放免にし、権力者にとって邪魔な者は無実であるのに犯罪者に仕立て上げる
こうした刑事司法不正が繰り返されている。

しかし、政治とカネの問題の核心は顕在化した巨大犯罪にあるのではない。
政治資金規正法にポッカリと大きな穴が開いている。議員が政治資金規正法の実効性を失わせるために意図的に開けた大穴。この大穴を塞がなければ法改正の意味はない
この点を踏まえて、私は必要最小限の法改正事項を提示してきた。

三つの事項を盛り込むことが必要不可欠。
第一は21条の2の2項削除。
規正法の大穴を塞ぐこと。
第二は連座制の適用。
政治資金の不正が表面化したときに最終責任を負うのは政治家自身である。
会計責任者に罪をなすりつけて政治家本人の責任を問わないことはあり得ない。
第三は総括収支報告義務を課すこと。
政治家に関わる政治団体、資金管理団体は多数存在する場合が多い。
政治家が不正に資金を受領しても、その資金の帰属を特定できないと不正を摘発することが難しいと言われる。
この問題を解消するために、政治家に総括収支報告の提出を義務付ける。
政治家が受領した資金は必ず総括収支報告に記載されねばならなくなる。
このことによって資金の帰属が不明という問題を解消できる。
この三点を政治資金規正法改正に盛り込むことが必要不可欠。

最大の問題は21条の2の2項削除。
規正法は政治家個人への寄附を禁じているが、現行法21条の2の2項で政党が行う寄附を除外している。
この条文に基づき、巨額の政治資金が政党や政党支部から政治家個人に寄附され、その使途が明らかにされていない。
50億円もの政治資金がどのように使われたのかが完全に不明なのだ。これでは規正法が存在する意味がない。
したがって、21条の2の2項を削除することが絶対に必要

連座制の適用がなければ犯罪が繰り返される。連座制の適用によって政治家の行動が規制される。
政治家が「政治とカネ」で不正を行わないのは当然のこと。
したがって、不正があった場合に政治家の責任を問うことは当然のことだ。

これ以外に、企業団体献金の全面禁止を定めるべきだ。
政党交付金制度を構築した際の大前提は企業団体献金を廃止することだった。この点も明確にすべきだ。
野党は本来、予算審議の際に岸田首相から法改正の具体的内容について確約を取り付けるべきだった。
岸田首相が確約しなければ予算審議に応じない。この強い姿勢が必要だったが、野党は予算の年度内成立に全面的に協力した。野党が本気で法改正を断行する意思を有しているのかどうか。疑問符が付く。

ただ、一方で自民党は、後半国会においても抜本法改正の方針を示さない。
この自民党の対応をまずは断罪しなければならない。
4月28日に衆院3補選がある。主権者はこの選挙で自民党に明確なNOを突きつける必要がある。

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身内の公明党に突き上げられ出してきた政治資金法改正お粗末な自民党案
                     まるこ姫の独り言 2024.04.24
政治資金規正法の改正案は、野党は軒並み出してきているのに、裏金の本家本元自民党、本来は自民党が率先して案を出してこなければいけないのにいつまでたってもグダグダグダグダ・・・・・

野党案はどの党もすでに出してきている。

そもそも「岸田総理」が信頼回復のために火の玉となって取り組むと言っていたのに、「自民党案」が出てこないのはその場さえしのげれば国民は忘れてくれるという、従来の考えが強いからではないか。

私は、自民党は本格的な「政治刷新」をやるわけがないと思って来たから、全く期待はしていなかったが案の定、その場しのぎの「政治刷新本部」だった。

業を煮やした身内の公明党が国会で、政治資金規正法の改正案、「自民党」はどうなっているのか、やる気はあるのかと問われて慌てて出してきた「自民党案」のお粗末な事は!

自民、規正法「小手先」見直し 政活費、企業献金に踏み込まず 野党「改革に値せず」
                        4/24(水) 7:04配信 時事通信
>自民党は23日の党会合で、派閥裏金事件を受けた政治資金規正法改正の独自案をまとめた。
>焦点の一つだった政策活動費や企業・団体献金の扱いなどにはほぼ触れず、見直しが「小手先」にとどまった印象は拭えない。党内で議論を尽くした形跡もなく、野党は「改革案と呼ぶに値しない」(立憲民主党の泉健太代表)などと批判を強めた。

やっぱり、自民党にとって「裏金」は無くてはならないもので、これを断ち切られたら自民党じゃなくなってしまうという恐れがあったのではないか。

だから最後まで「自民党案」をまとめようとしなかった。

国会で身内の公明党から厳しく言われたことで慌てて出してきた案は、想像はしていたが自民党に甘くて抜け道だらけ。

しかも裏金の温床である「企業団体献金の禁止」「政治活動費」にも踏み込まず、連座制導入も明確にせず、小手先の改革案で国民を騙そうとしている。

この案だと、裏金のほとぼりが冷めたら、自民党は必ず法の抜け道を駆使して必ず裏金作りに邁進する。
企業も、この先も自民党政権が続くと思っているのだろうから自民党に「袖の下」を渡してくる。

そしていつまで経っても金権政治がまかり通る国になって、政治はもとより、経済、教育、少子化問題等々、世界からますます取り残されていくのではないか。

やはり政権政党が自民党一択ではこの国の発展はない。


岸田自民「政治資金規正法」改正案は“抜け穴”だらけのザル…専門家「悪質な論点ずらし」とバッサリ
                          日刊ゲンダイ 2024/04/24
 自民党は組織的な裏金事件をみじんも反省していない。26日に初開催される衆院政治改革特別委員会が迫る中、「ザル法」と呼ばれる政治資金規正法改正をめぐる独自案を23日、ようやく取りまとめた。これで主要各党の案が出そろった形だが、自民案は抜け穴たっぷり。
 岸田首相はこのところ「規正法改正をこの国会会期中に実現する」と力んでいるが、フタを開けてみればやっぱりハリボテだ。これで政治改革なんてふざけるにもほどがある。
 自民案はこうだ。政治資金収支報告書の提出時に国会議員による「確認書」添付を義務付け、不記載・虚偽記載への監督責任を明記。会計責任者が収支報告書への不記載などで処罰された場合の罰則規定は、議員が必要事項をチェックせずに確認書を交付したケースに限定した。厳罰化からはほど遠く、大甘だ。一方、不記載の相当額を没収し、国に納付させる規定を設けた。
 法大大学院教授の白鳥浩氏(現代政治分析)はこう指摘する。
法的責任を最大限回避し、金銭的責任を取るポーズでお茶を濁す。自民党案は盗品に色を付けて返せばいいだろう、と言っているようなもので、議論のたたき台にもなりません。悪質な論点ずらしです。会計責任者が有罪になった場合、議員が自動失職する連座制を導入しなければ、再発防止策にはなり得ない。岸田首相は会長を務めていた宏池会の元会計責任者が有罪になったにもかかわらず、自身にはおとがめなし。規正法改正案も“抜け道”だらけ。ここまで世論の怒りに鈍感なのは、国民を代表する首相ではなく、自民党員の首相だからなのでしょう」

自民作業部会の座長は“骨抜き”の自覚をポロリ
 白鳥氏は国会から独立した第三者機関による外部監査の導入、収支報告書のデジタル化のほか、政党交付金の減額や不交付などのペナルティーも必須だとする。調査研究広報滞在費(旧文通費)の透明化もしかりだ。連座制導入も含め、このあたりは野党も要求していて、政治資金パーティーや企業・団体献金、政治活動費の禁止も求めている。
 規正法改正をめぐる自民の作業部会座長の鈴木馨祐衆院議員はきのうの会合後、「厳密な『連座制』ではないが、『連座制』といわれるものには近いと思う」と発言。骨抜きの自覚をポロリした。
 自民の裏金問題は、派閥の政治資金パーティーの販売ノルマ超過分の還流にとどまらず、政治団体間で資金を移動させて使途公開率を引き下げるマネロン疑惑もくすぶっている。金権腐敗のド真ん中にいる連中が政治改革なんて片腹痛い。どだい無理な話なのだ。