2024年4月22日月曜日

22- これやこの 維新のミャクも絶え絶えに 知るも知らぬも大阪万博

 「澤藤統一郎の憲法日記」に掲題の記事が載りました。

 意味が不明だとか気持ちが悪いなどと評されたミャクミャク(マーク)」は大阪万博のシンボルマークです。
 大阪は約1トンの強化プラスチック寝そべった姿ミャクミャク像を作り、大阪市役所入り口に台座を含めて幅4メートル、高さ2.5メートル、奥行きは2メートルの巨大なものを昨年12月に設置しました。
 それが3月13日の未明、顔部が何者かにぶん殴られて幾つかの傷が付けられる事件が起き(修理費用は33万円ほど)、3月25日に被疑者病院職員45歳)が出頭し4月19日書類送検となりました。
 澤藤氏はそれを機に、ミャクミャク像もろとも大阪万博とそれを強硬に推進する「維新」を痛烈に批判するブログを出しました。
 蝉丸の歌に模したタイトルからはじまる痛快な文章をお楽しみください。
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これやこの 維新のミャクも絶え絶えに 知るも知らぬも大阪万博
                   統一郎の憲法日記 2024年4月20日
 昨日のこと、「大阪・関西万博の損壊容疑で書類送検」というニュースが話題となった。その話題性は、大阪・関西万博の悪評ゆえのもの。

 税金の無駄遣いとして悪評高く、不人気極まる「大阪・関西万博」の公式キャラクターが、あの不気味な「ミャクミャク」。その巨大なモニュメントが、大阪市役所入り口に置かれている。寝そべった姿ながら、大きさは台座を含めて幅4メートル、高さ2.5メートル、奥行きは2メートル、重さ約1トンの強化プラスチック製の代物で昨年12月に設置したものだという。

 3月13日の未明、この像の顔部が何者かにぶん殴られて幾つかの傷が付けられた。被害額(修理費用)は33万円ほどだとという。府市合同で作られている万博推進局が被害届を出し、器物損壊として大阪府警(天満署)が捜査に乗りだした。誰もが、万博の開催を快しとしない人物の犯行と考えた。

 このモニュメントは、盛り上がらない万博開催に、何とか機運を盛り上げようと、市庁舎の正面玄関前に設置されたもの。それが損壊された。傷付けられたのは、単なる強化プラスチック製のモニュメントではなく、万博に向けた機運でもあった。

 損壊発見当時、大阪府の吉村洋文知事は自身のXに《ミャクミャクのモニュメント(市役所前)が何者かによって破損されました。どんな理由があったとしても、これは暴力行為であり、犯罪行為です。許されるものではありません。残念です》と書き込んでいる。「どんな理由があったとしても」という一文は、万博推進に反対の意思表示としての損壊行為と考えてのこと。おそらくは、思い当たることが多々あるのだろう。横山英幸市長も報道陣に《非常に残念。警察と連携して厳正に対処していきたい》と述べている。両者のコメントに共通するのは、《残念》の思いである。

 この事件、3月25日に被疑者が出頭し、昨日(4月19日)の書類送検となった。報道では、被疑者は「大阪府寝屋川市の病院職員の男性(45)」とされている。

 天満署の発表では、この男性は近くにあった鉄製看板(高さ約115センチ、幅約28センチ)を何回もたたきつけて、ミャクミャク像の「顔」の部分を損壊したとされている。立て看板も御難だが、ミャクミャクへの怨恨も相当なものと印象をもたざるを得ない。顔を殴りつけているのだ。
 
 関心は犯行の動機に集まる。どの報道も、「酒を飲んで酔い、終電を逃してイライラしていた。ミャクミャクを傷つけて発散しようと思った」と被疑者本人が述べているとしている。天満署が発表した以上の報道は見当たらない。被疑者の出頭は弁護士にともなわれてのことで供述は当たり障りのない内容になっているが、ハテ? なぜ八つ当たりの対象がミャクミャクであったのか、なにゆえかくも盛大にほかならぬミャクミャクの顔をぶん殴る気分となったのか、興味を禁じえない。

 「飲酒を過ごして終電を逃し、そのためイライラした」だけならよく分かる。が、それゆえになぜ、ミャクミャクをぶん殴りたくなったのだろうか。日頃からミャクミャクを快く思っていなかったのではなかろうか、あるいは寝そべって人を小馬鹿にしたミャクミャクの「表情」にカッとしたのだろうか。もしかしたら、維新や大阪府市の万博推進に確信的な反対意見があって、酔余の行動に表れたのかも知れない。

 器物損壊は微罪である。自ら出頭しており、示談もできているだろう。送検した天満署は、区検に対して起訴を求める「厳重処分」の意見を付けたそうだが、起訴猶予になることはほぼ間違いなく、これ以上の報道もなかろう。それでも、ミャクミャクに対する思いは本人に聞いてみたいところ。

 ところで、世にマスコットキャラクターは数多あるが、ミャクミャクほど評判の悪いものはあるまい。まず、一見して不気味である。異形の妖怪にも愛敬のあるキャラクターは多い。しかしなにゆえにか、ミャクミャクは徹頭徹尾薄気味が悪いばかり。なるほど、維新の不気味さ、薄気味の悪さを体現するものと考えれば納得はできよう。

 ミャクミャクの不気味さの根源は、まずあの眼の数である。哺乳類も鳥類も爬虫類も、そして恐竜だって眼は二つ。どこを見ているのか見当がつく。それ以上の数の眼には馴染みようがない。いったいどこを見ているのやら、何を考えているのやら、つかみどころなく、さっぱり分からない。ここが気味の悪さの原因であろう。維新もどこを向いて、何を見、何を考えているのか分かりようがない。ミャクミャクの不気味と維新の気味悪さは重なっているのだ。

 ミャクミャクを不気味とする感性は、私だけでのものではない。以下は、ネットで拾った声の数々。

「大阪・関西万博」の公式キャラクターデザインの最終候補作品が「怖い」「気持ち悪い」「パクリ?」「グロい」と話題になっています。

「万博のミャクミャクは気持ち悪い。妖怪大戦争のどこかに潜んでいそうな感じしかない。良さが全く分からない。」

「犯罪レベルの気持ち悪さ」大阪万博「ミャクミャクのしずく」キャンペーン開催も「不気味ポスター」に非難轟々

 不気味すぎて無理…「ミャクミャクのしずく」キャンペーンのポスター《「ミャクミャクのしずく」完全に動脈と静脈から吹き出る血が気持ち悪い》

《…す、すごいセンスのポスターだなぁ…。箱の中に体液と眼球を入れといたら腐敗し、腐敗ガスで蓋が開いて飛び散ったみたいな図になってる。しかもグッズが「ミャクミャクのしずく」って、その腐敗体液のしずくだろうか。大阪万博って何から何まで何がしたいんだ》

《万博ロゴやミャクミャクに嫌悪感を抱く人は少なくない。特に『ミャクミャクのしずく』は犯罪レベルの気持ち悪さ。一瞥しただけでPTSDを患いそうだ。開幕が近づくにつれ、万博ハラスメントが増長しないか不安だ》

 東京五輪・パラリンピックの図柄入りナンバープレートに比べ、万博特別仕様は圧倒的に不人気。ミャクミャクをイメージした白地に赤い水玉のデザインに、SNSで《血しぶき飛んだみたい》と批判的な声が多く上がっていた。

「2025年大阪・関西万博」開催まで1年を切り、「機運盛り上げ」が目立つようになってきたが、国民からは「ミャクミャクまみれ」に食傷気味の声があがっているようだ。

「万博さんも、盛り上げようというのはようわかりますけど、大阪は地下鉄も在来線も新幹線もバスも、ミャクミャクだらけ。言ってはなんですけど、『もうええわ』です」

《集合体苦手(蓮とか)な人には、この万博ミャクミャクの周りにある、ブツブツした発疹みたいなデザイン、きつい》《飛行機もミャクミャクしてんのかよ》《大阪まで行けない新幹線に大阪万博のラッピングとは》

海外の方の声をご紹介させていただきます。《人形にすると子供たちは泣く》《これは核放射線によって作られたものなのか》と言う人もいます。

ミャクミャクに罪はなけれどもこの評価。なんともはや。