2024年4月24日水曜日

衆院3補選への臨み方(植草一秀氏)

 植草一秀氏が掲題の記事を出しました。

 現在の政治勢力は ・自公政権与党勢力、・維新・国民民主など自公補完勢力、・立民の一部、共産、れいわ、社民自公に対峙す革新勢力 の3つのカテゴリーに分けられるとして、主要な政策課題への対応でつの勢力を整理すると
安全保障政策では、自公補完勢力は米国に隷属を基本とするのに対して、自公に対峙する勢力は外交による日本の安全保障確立近隣諸国との平和友好関係の確立に注力する
エネルギー政策では自公補完勢力は原発を全面推進するのに対して、自公に対峙する勢力は原発の廃止を基本方針とする
経済政策では自公補完勢力は市場原理主義を基軸に消費税増税で財源を賄うのに対して、自公に対峙する勢力は国民に保障する最低水準の引き上げに注力し、税制では消費税を抑制し、富裕層と大資本に適正な負担を求める
となり、問題は立憲民主党の立ち位置がぐらついてきたことだと指摘します

 また早晩実施される衆院総選挙立民が、共産、れいわ、社民との野党共闘路線を再構築するなら政権交代の可能性も生まれるのですが、そのためには立民がこれまでの「こうもり」的な対応を克服なくてはならないとしています。

 そして有権者は目先の衆院3補選で、自公を選択するのか、自公補完勢力を選択するのか、自公対峙勢力を選択するのかを判断して投票に臨む必要があると述べています

 我々はトーマス・カーライルの名言「この国民にしてこの政府あり(国民は、自分達と同程度の政府しか持てない)」ことをよくよく肝に銘じるべきです。
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衆院3補選への臨み方
             植草一秀の「知られざる真実」 2024年4月23日
現在の日本政治では政治勢力が三つのカテゴリーに分類される
第一のカテゴリーは自公
政権与党勢力
第二のカテゴリーは維新・国民民主など。
新設された諸派勢力の多くもこのカテゴリーに分類される。
自公補完勢力
第三のカテゴリーは立憲民主の一部、共産、れいわ、社民
自公に対峙する改革=革新勢力

主権者はこのカテゴリーを認識した上で投票行動を決定する必要がある。
主要な政策課題への対応で三つの勢力を整理すると次のようになる。

安全保障政策
自公と自公補完勢力は米国に隷属するスタンスを基本とする。
米国の命令に隷従し、米国の命令に従い軍事費を増大し、米国から高額軍事装備品を言い値で購入する。
東アジアの緊張を人為的に高めることに注力する。
これに対し、自公に対峙する勢力は外交による日本の安全保障確立を図る。
近隣諸国との平和友好関係の確立に注力する。

エネルギー政策
自公と自公補完勢力は原発を全面推進する。
自公に対峙する勢力は原発の廃止を基本方針とする。

経済政策
自公と自公補完勢力は市場原理主義を基軸に置き、消費税増税で財源を賄う方針を示す。
自公に対峙する勢力は国家がすべての国民に保障する最低水準の引き上げに注力する。
税制では消費税を抑制し、富裕層と大資本に適正な負担を求める。

問題は、立憲民主党の立ち位置がぐらついてきたこと。
2017年に立憲民主党が創設され、躍進を遂げたのは、立憲民主党が自公に対峙する政治勢力であると認識されたため。
共産党の選挙協力で立憲民主党は躍進した。しかし、2021年の衆院総選挙で枝野幸男氏が共産、れいわ、社民との共闘を否定。立憲民主党が急激な右旋回を演じた。
これを契機に立憲民主党は凋落。

枝野氏の後継代表に就任した泉健太氏が野党共闘を否定するスタンスを強化したため、2022年参院選で立憲民主党は衆院総選挙をはるかに上回る大惨敗を演じた。
立憲民主党は党消滅危機に直面していた。

その立憲民主党が方針を転換して再浮上する可能性がある。試金石となるのが4月28日の衆院3補選。この3補選で立憲民主党は共産党との共闘に転じた。
共産との共闘で3補選に全勝する場合には、立憲民主党の基本路線転換が明示されることになる。立憲民主党が右旋回から再び、自公と対峙する路線に回帰する。

早晩、衆院総選挙が実施される。この選挙で共産、れいわ、社民との野党共闘路線を再構築するなら、政権交代の可能性も生まれる
これまでの立憲民主党は「こうもり」の存在だった。
維新・国民民主の自公補完勢力と連携する仕草を示す。
しかし、情勢が変化すると、今度は共産党との共闘を選択する。
このような「こうもり」対応を続けるなら、やがて、誰からも相手にされなくなる。

立憲民主党の本当の再生は「こうもり」問題克服なくしてあり得ない。
目先の衆院3補選で有権者は、自公を選択するのか、自公補完勢力を選択するのか、自公対峙勢力を選択するのかを判断して投票に臨む必要がある。
現在の政治権力勢力は「金まみれの腐敗勢力」。
これを是とするのか否とするのか。まずは、この判断が重要。
その上で自公補完勢力を選択するのか、それとも自公対峙勢力を選択するのかを考える。
この判断の上で衆院3補選に臨む必要がある。

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