2024年4月10日水曜日

医療器械焼失、遺体露出の墓地も・・・ シファ病院 WHO視察

 イスラエルと息を合わせているだけでは秋の大統領選に後れを取ると考えたバイデンがイスラエルに圧力を掛けた結果、ネタニヤフはラファへの大攻撃を延期しています。しかし大虐殺を中止したわけではなく、相変わらず食糧や医療の供給の妨害を続けています。 

 世界保健機関(WHO)は、イスラエル軍によって徹底的な破壊を受けたシファ病院の状況を、建物が大規模な破壊を受け、機器の大多数が使用不能になっていて、短期間で最小限の機能を回復できる「可能性はほとんどない」と説明しました。
 救急部門、手術棟、産科棟の建物が大きな損傷を受け、救急部門の少なくとも115のベッドが焼失し、14の新生児保育器が破壊されていました。
 シファ病院の病院長代理はイスラエル軍が包囲した時期に、患者が「食料、水、医療、衛生環境の深刻な欠如に苦しめられ、銃を突きつけられて建物から建物へと移動させられた」と証言。治療の中断などで少なくとも20人の患者が死亡したと述べました。
 現在ガザの36の主要病院のうち、部分的にも機能しでいるのは10病院だけで、イスラエル軍が計画している南部ラファヘの侵攻となれば、医療破壊がさらに深刻化し、「想像を絶する医療上の結果をもたらす」と警告しています。

 国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)は7日、ガザでの戦争開始から半年にあたっての声明を発表しました。
 グリフィス氏は、ガザ住民が「死、破壊、眼前に迫った恥ずべき人為的な飢饉」に直面し、イスラム組織ハマスの越境攻撃で「6ヵ月の悲嘆と責め苦」がもたらされてきたと指摘。「この戦争はずっとまえに終結していなければならない」にもかかわらず、「さらなる激化という、良心に照らして許しがたい見値しに直面している」と述べました。

 ドイツがイスラエルに輸出している兵器がガザでのジェノサイド(集団殺害)に使用されている可能性があるとして、ドイツの人権団体が共同で5日、ベルリンの行政裁判所に輸出の即時中止を求めて提訴しました。提訴にあたっては、国際司法裁判所が1月に、ジェノサイドを防止するあらゆる措置を取るよう命じたことや、紛争国への武器輸出を禁じているドイツの「戦争兵器管理法」を根拠にしています。
 すでにオランダの裁判所は2月、政府に対しイスラエル向けの戦闘機F35の部品輸出の停止を命令。カナダ政府は3月末、イスラエル向けの武器輸出を停止すると表明しています。

 イスラエルによるガザ攻撃から半年が経過した7日、日本の各地で「#ガザを殺すな! 全国連帯アクション」が行われました。東京では首相官邸前に約300集まり、ドラムに合わせて、「フリーフリーパレスチナ(パレスチナ解放) 今すぐ停戦」「岸田は許せん 今すぐ停戦」とコールしました。

 しんぶん赤旗の4つの記事を紹介します。
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医療器械焼失、遺体露出の墓地も・・・シファ病院 WHO視察
ガザイスラエル軍の妨害頻発
                        しんぶん赤旗 2024年4月8日

 世界保健機関(WHO)は、パレスチナ占領地ガザ北部で、イスラエル軍によって徹底的な破壊を受けたシファ病院の視察の内容を6日付で発表しました。
 訪問は5日に行われ、建物が大規模な破壊を受け、機器の大多数が使用不能か完全に焼失している現状が判明。多数の不発弾の危険もあって、短期間で最小限の機能を回復できる「可能性はほとんどない」と指摘しました。
 救急部門、手術棟、産科棟の建物が爆発物や火災で大きな損傷を受け、救急部門の少なくとも115のベッドが焼失し、14の新生児保育器が破壊されていました。建物が今後の使用に耐えるかどうかは専門家の評価を受けることになります。
 救急部門や事務棟、手術棟の外には浅く掘られたたくさんの墓地がつくられ、多数の遺体が埋葬されていました。遺体の一部が露出しているものもあり、訪問チームは一部しか埋められていない遺体5体を確認しました。病院全体に遺体の腐敗奥が漂っており、報告書は「死にあたっても尊厳を守ることは人道性の不可欠の行為だ」と述べています。
 シファ病院の病院長代理は、イスラエル軍の包囲の時期に、患者が「食料、水、医療、衛生環境の深刻な欠如に苦しめられ、銃を突きつけられて建物から建物へと移動させられた」と証言。治療の中断などで少なくとも20人の患者が死亡したと述べました。
 事前の調整が行われたにもかかわらず、視察団の病院訪問は「軍の検問所で大幅な遅れをきたした」と指摘。北部の別の病院二つに医療物資などを届けるWHOの車列は、トラック運転手1人が軍に1時間にわたって拘束されたことが原因で、日没までの帰還が難しいとの判断から中止されました。
 昨年10月半ばから今年3月末までに、WHOの派遣団の半数以上が立ち入り拒否、遅延、妨害、延期となったとしています。
 現在ガザの36の主要病院のうち、部分的にも機能しでいるのは10病院だけ。イスラエル軍が計画している南部ラファヘの侵攻となれば、医療破壊がさらに深刻化し、「想像を絶する医療上の結果をもたらす」と警告しています。


「人類への裏切り」 国連のグリフィス事務次長
                        しんぶん赤旗 2024年4月8日
 国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)は7日、ガザでの戦争開始から半年にあたっての声明を発表し、多くの犠牲者を出し続けている戦争を「人類への裏切り」と呼んで、強い怒りを表明しました。
 グリフィス氏は、ガザ住民が「死、破壊、眼前に迫った恥ずべき人為的な飢饉(ききん)」に直面し、イスラム組織ハマスの越境攻撃で「6ヵ月の悲嘆と責め苦」がもたらされてきたと指摘。「この戦争はずっとまえに終結していなければならない」にもかかわらず、「さらなる激化という、良心に照らして許しがたい見値しに直面している」と述べました。
 人道支援活動については、イスラエルを名指しせず「爆撃や、安全の欠如、立ち入りの禁止で妨害されつづけている」と指摘。犠牲の大きさに対して「世界でこれほど怒りが表明されることはまれだが、戦争終結に向けてはほとんど何もなされず、何の処罰もされていないように見える」と厳しく非難しました。
 また国連児童基金(ユニセフ)のラッセル事務局長は、(旧ツイッター)で、ガザで1万3000人以上の子どもが死亡したことに触れ、「住宅、学校、病院が破壊された。教師、医師、人道支援活動家が殺された。飢饉はすぐそこまで来ている。子どもたちには即時停戦が必要だ」と投稿しました。


独人権団体が提訴 イスラエルヘの武器輸出中止を
                        しんぶん赤旗 2024年4月9日
 ドイツがイスラエルに輸出している兵器がガザでのジェノサイド(集団殺害)に使用されている可能性があるとして、ドイツの人権団体が共同で5日、ベルリンの行政裁判所に輸出の即時中止を求めて提訴しました。
 提訴したのは、欧州法律支援センターー(ELSC)、パレスチナ公共外交研究所など4団体。ガザのパレスチナ人を代表しての訴えだとしています。
 ドイツがイスラエルに輸出した兵器が、「ジェノサイドや戦争犯罪などの国際法の重大な違反を行うのに使われていると信じる理由がある」と指摘。政府にイスラエルヘの武器供与の即時中止、輸出認可の中止を求めています。
 提訴にあたっては、国際司法裁判所が1月に、ジェノサイドを防止するあらゆる措置を取るよう命じたことや、紛争国への武器輸出を禁じているドイツの「戦争兵器管理法」を根拠にしています。
 ドイツは2023年にイスラエル向けに前年比の10倍にあたる3億2650万ドル(約537億円)の武器輸出を認可。大多数がイスラム組織ハマスによる越境攻撃が起きた10月7日以降に承認されました。輸出兵器には、対戦車兵器3000丁、銃弾50万発などが含まれます。
 すでにオランダの裁判所は2月、政府に対しイスラエル向けの戦闘機F35の部品輸出の停止を命令。カナダ政府は3月末、イスラエル向けの武器輸出を停止すると表明しています。


ガザ攻撃止めよ 官邸前 全国で抗議行動
                        しんぶん赤旗 2024年4月8日



ガザ攻撃開始6カ月に抗議するアクションに参加する人々=7日、東京・首相官邸前


 イスラエルによるガザ攻撃から半年が経過した7日、全国各地で「#ガザを殺すな! 全国連帯アクション」が行われました東京では首相官邸前に約300人(主催者発表)集まり、ドラムに合わせて、「フリーフリーパレスチナ(パレスチナ解放) 今すぐ停戦」「岸田は許せん 今すぐ停戦」とコールしました。

 パレスチナ人のアイラさんは、叔母、いとこ、いとこの2歳と6カ月の子どもがイスラエルに連行され、いとこは幼い子どもの前で拷問され、子どもは消えない傷を負わされたと告発。叔母はまだ戻らないと述べ、「私たちの苦しみの深さがわかるでしょうか。もう見て見ぬふりをするのはうんざりです。どうか連帯し、立ち上がって正義のための行動を起こしてください」と訴えました。
 パレスチナと日本の血を引き継ぐタチアナさんは「イスラエルはまるでゲームのように殺害し、日本はジェノサイドに加担しています。日本人としてパレスチナ人の虐殺に加担することに強い怒りと恥を感じている。目をそむけず、沈黙せず、あきらめず、虐殺を止めるために声をあげましょう」と語りました。
 埼玉県和光市のさめさん(仮名・21歳・大学生)は「政治を動かしている人に怒りと絶望を感じている」。東京都三鷹市のいるかさん(仮名・21歳・大学生)は「政治は怖いと思っている人がいるけど、一度デモに参加すると、情報が入り、それが日常になりました。何かしないとと思ってきました」と語りました。