2024年4月29日月曜日

岸田首相と小池知事に不信任/いつから「連合自民党」になったのか

 植草一秀氏が28日の衆院補選の結果について、「岸田首相と小池知事に不信任」を示したとする記事を出しました。
 28日に投開票された東京15区、島根1区、長崎3区の衆院3補選は、自民が唯一候補者を立てた島根1区でも惨敗し、不戦敗2を含めて3戦全敗という結果になりました。これは9月の自民党総裁に再選を期している岸田氏にとって深刻な事態です。
 また小池都知事が応援した武洋匡氏が、421日投開票の目黒区長選に引き続いて落選したことで、7月の都知事選に3選を狙う小池氏に赤信号がともりました。
 一方これまで連敗続きだった立民党が3戦全勝になった要因は、「連合」の反対を排して共産党と共闘したからであるとして、今後は「連合」とたもとを分かち、共産党を含む野党共闘路線を明確に確立することが立民党再建し、政権交代実現への道を拓くものであると植草氏は述べています。
 逆に枝野幸男氏と同様に連合芳野会長の理不尽な横やりに屈するようでは、立民党は再び凋落のコースを辿ることになります。

 ところで27日の連合メーデー中央大会に、芳野友子会長は岸田首相武見敬三厚労相、更には小池都知事を招待した上で、立民党が衆院補選で共産党と共闘したことに対して「容認できない」と怒りを露わにしたということです。
 余りにも異常で、そもそも「メーデー」の意味を知っているのかが疑われます。

 「レイバーネット日本」の記事「いつから『連合自民党』になったのか!〜演壇には岸田首相、武見大臣、小池都知事」と「くろねこの短語」の記事「連合会長 ~ 衆院補選で共産党と共に街頭演説した野田元首相に『容認できない』~」を併せて紹介します。
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岸田首相と小池知事に不信任
               植草一秀の「知られざる真実」 2024年4月28日
2024年の政局に最大の影響を与える衆院3補選が4月28日に投開票日を迎えた。
結果は自民の3戦全敗、立憲民主党の3戦全勝に終わった。
小池百合子東京都知事が影響力を持つ都民ファースト系の候補者である乙武洋匡氏は落選した。都民ファースト系の候補者は4月21日投開票の目黒区長選でも敗北した。

政治の大きな潮流転換が始動した。
三つの重要点を抽出できる。
第一は岸田自民が国民から不信任を突き付けられたこと。
第二は小池百合子東京都知事が国民から不信任を突きつけられたこと。
第三は立憲民主党が共産党との共闘によって三戦全勝を果たしたこと。
極めて意味の深い衆院補選になった。

岸田文雄首相は選挙戦最終日の4月28日に現地入りした。
陣営の要請ではなく、党本部の意向で現地入りを強行したと伝えられている。
岸田氏は自分が現地入りすれば勝利できると予測したのだと見られる。
つまり、民意をまったく読めていないことが鮮明になった。
自民の3戦全敗の責任を負うのは岸田文雄氏自身である。

「政治とカネ」の巨大犯罪が明るみに出たのに、岸田首相は何もしなかった。
自民党の犯罪議員に対して厳正な対応が必要だったが、派閥抗争だけを演じて、ゆるゆるの対応を示し続けた。
「政治とカネ」問題を刷新するために政治資金規正法抜本改正が必要だが、岸田自民は法改正に全面的に背を向けた。何もしなくても自民党は安泰だと判断したと見られる。
問題の深刻さを何も理解していない。問題を解決するために力を注ぐ考えなど毛頭ない。
このことが明らかになった。

衆院補選の投票率は低かった。
東京15区が4070%、
島根1区が 5462%、
長崎3区が 3545%
だった。
低投票率は組織票に依存する自公に有利に働く。
しかし、すべての選挙区で自民系の議員は敗北した。

長崎では立憲民主と維新の一騎打ちになったが、維新は自民別動隊。
維新が接戦に持ち込んでおかしくない情勢だったが、大差で敗北した。
岸田首相と同時に凋落が鮮明になったのが小池百合子都知事だ。
7月7日東京都知事選での3選に赤信号がともったと言える。

立憲民主党は今夏の補選3戦全勝が共産党との共闘によって実現した事実を直視する必要がある。
立憲民主党が共産党との共闘路線から反共産に転向したのが2021年10月総選挙。
枝野幸男氏が共産党との共闘を明確に否定した。
この瞬間から立憲民主党の凋落が始動した。
引責辞任した枝野幸男氏の後継代表に就任したのが泉健太氏。
この泉健太氏が反共産路線を強化した。
その結果、2022年参院選で立憲民主党は21年衆院選以上の大敗北を喫した。
泉健太氏は直ちに引責辞任するべきだったが代表ポストに居座った。
しかし、立憲民主党の凋落傾向に歯止めをかけることはできなかった。
その立憲民主党が今回の衆院補選で3戦全勝の勝利を得た。
その要因は共産党との共闘にある。
3つの補選すべてで共産党が立憲民主党候補の当選に尽力した。
その結果として3戦全勝の戦果を得たのである。

立憲民主党の共産党との共闘を激しく攻撃し続けてきたのが「連合」だ。
「連合」は「勝共の連合」と表現できる、統一協会系の国際勝共連合と深い歴史的関りを有する反共勢力である。
「連合」とたもとを分かち、共産党を含む野党共闘路線を明確に確立することが立憲民主党再建、政権交代実現への道になる。

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いつから「連合自民党」になったのか!〜演壇には岸田首相、武見大臣、小池都知事
                       レイバーネット日本 2024-04-27








 連合メーデー中央大会(4月27日代々木公園)に、労働者を食い物にしている経団連の手先になり、労働者の搾取を手助けしている岸田文雄首相を呼んだ。そればかりではない。芳野友子連合会長が挨拶する横に並ぶのが岸田文雄首相、武見敬三厚労大臣だけでなく、人権を踏みにじる小池百合子都知事。この演壇の顔ぶれを見て、とてもじゃないが労働者の祭典などとは言えない。いつから「連合自民党」になったのか尋ねたい。
 「東京15区補選は自主投票」と敵前逃亡した「連合東京」。ここで再び芳野会長がお出ましになる。芳野友子会長は27日、衆院東京15区補欠選挙(28日投開票)で立憲民主党が共産党から支援を受ける状況に重ねて不満を述べた。








 立民の野田佳彦元首相と共産の小池晃書記局長が一緒に街頭演説(写真上)に臨んだことを「非常に残念だし、連合としては容認できない」と指摘したことを記者団に語った。怒っているのは組合員、早く消えてくれ!(宮川敏一


【連合会長】メーデー中央大会でヘタレ総理への「帰れ」の野次に「申し訳ない」!!&東京15区補選で共産党と共に街頭演説した野田元首相に「容認できない」・・・戦う相手を間違えたアンタこそ「残念」!!
                      くろねこの短語 2024年4月28日
 連合主催のメーデー中央大会の式典で、来賓として挨拶したヘタレ総理に「帰れ」と野次が飛んだそうだ。そりゃ、当然だろう。労働者の大会で権力者がドヤ顔で挨拶して、誰もリアクションを起こさないとすれば、そちらの方が異常だろう。

 もっと異常なのは、その野次について連合会長の反共・芳野君が「来賓に組織内から野次が飛んだということは、非常に申し訳ないと思う」って頭下げちゃったことだ。そもそも、総理であると同時に自民党の総裁でもある世襲政治家を、メーデー中央大会の式典に来賓として招待することが間違いなのだ。

メーデー中央大会で岸田首相に「帰れ」とやじ 連合・芳野会長「非常に申し訳ない」

— 山崎 雅弘 (@mas__yamazaki) April 27, 2024
搾取される日本の労働者が、搾取側の岸田首相に「帰れ」と野次を飛ばすのは普通でしょう。
普通じゃないのは、搾取側の岸田首相を「来賓」としてメーデー中央大会に呼び、野次られた搾取側の岸田首相に「お詫び」している連合の芳野友子会長ですよ。この人も頭の中は搾取側。
 https://t.co/sPvz21zvjC 

 

— 異邦人 (@Narodovlastiye) April 27, 2024
労組の中央組織たるナショナルセンターの責任者であれば、資本家と結託して労働者を搾取してきた自民党のトップに対し、確固たる意思を以て「帰れ」と声を上げた労働者と連帯すべきであるのに、芳野会長は岸田首相に「申し訳ない」などと言う有様。闘わない労組のトップなど存在価値がない。

 でもって、反共・芳野君の共産党アレルギーは止まるところを知らないようで、なんと東京15区補選で共産党のとっちゃん坊や・小池君と一緒に街頭演説したノダメを「非常に残念だし、連合としては容認できない」って罵ったってね。

 選挙協力してるんだから共産と立憲が同席したって何の不思議もないことで、いちいち共産党をdisする心の狭さって、とてもじゃないけど一般大衆労働者諸君と共に権力と戦う連合会長の器ではない。

東京15区補選 立民・野田佳彦元首相と共産・小池晃書記局長が〝共闘〟 連合会長「残念」

— 盛田隆二 �™ (@product1954) April 27, 2024
連合の芳野友子会長は#東京15区補選 で立憲の野田元首相と共産の小池晃氏が一緒に街頭演説に臨んだことは連合として容認できない」と重ねて批判
自民党を支える経団連の手先として、酒井なつみ氏の選挙妨害をした。連合傘下の労組は「御用組合」と蔑まれても黙っているのか
 https://t.co/l8le4NzsHN 

 戦う相手を間違えた連合会長こそ「残念」、ってなもんです