河野太郎氏が首相候補ランキングの常連であるのは不思議なことで、どこがそんなに国民やメディアに信頼されているのか理解できません。
それは兎も角、河野氏は7月26日放映の英BBCのインタビュー番組「ハード・トーク」に出演し、「日本のナンバーカードの普及はうまく行っている」と大ボラを吹いたということです。
その前段で司会のサッカー氏が、日本経済が何十年にもわたり停滞している理由を尋ねると、河野氏は「1980年代のバブル以降、調整を重ねて今は立ち直りつつある」と強弁し、サッカー氏にすかさず「日本は多額の債務を抱え、円安が進み、生活コストの高騰が国民生活に影響しているが、それでも経済状況は改善しているのか」とツッコまれても「明確に改善している」と言い張ったということです。日本経済はいま困窮のただ中にいるわけなので唖然とするばかりです。これでは司会者も二の句が継げなかったことでしょう。日刊ゲンダイが「質問への答えがサッパリかみ合っていない」とする所以です。
マイナンバーカード普及の件でも、サッカー氏がデジタル先進国のシンガポールを引き合いに出し「人口500万人のシンガポールでは何千人ものスタッフが政府内でデジタル化を進めているのに対し、日本は人口1・25億人を抱えながらデジタル庁職員は800人程度だ」と問題提起すると、河野氏は「デジタル庁職員は増やしている」と前置きして「マイナカードの普及はうまくいっている」と答えました。
サッカー氏は、デジタル化担当職員数を「人口当たり」で比べると 日本はシンガポールの数十分の1に過ぎないと指摘したわけで、(1割?程度)「デジタルの庁職員を増やしたから大丈夫」では全く答になっていなかったのでした。これでは更に追及する気も起きなかったことでしょう。
そもそも河野氏はマイナンバーカードにすべての個人情報を紐づけすることが「ベスト」という、「世界の常識」に逆行する認識の持ち主です。彼がどこまで「デジタル化の本質」を理解しその「実務の大変さ」をどこまで認識しているのか大いに疑問です。それは着任してから現在まで「弥縫策」に次ぐ「弥縫策」の継ぎ重ねであったことを見れば分かるというものです。
日刊ゲンダイの記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
河野太郎デジタル大臣「マイナカードは強制ではない」 英BBC番組で世界へ大ウソ発信!
日刊ゲンダイ 2024/08/01
「もしトラ(もしかしたらトランプ再選)」とか「もしも徳川家康が総理大臣になったら」とか、「もし」があふれる世の中で、もしも「ホラ吹き大臣」なる役職があったら、ぴったりの人物がいる。河野デジタル相だ。9月に自民党総裁選を控え、国内メディアは首相候補ランキングの常連である河野大臣の動向を注視しているが、河野大臣が世界に向けてついた“大ウソ”には関心がないのか。
◇ ◇ ◇
「時が来たら決断する」──。29日のBS11に出演した河野大臣は、総裁選出馬について明言を避けた。「いずれ(総裁を)やってみたい」と意欲は隠さなかった一方、「まずは自分の任せられている仕事をきちんとやるのが大事」としおらしげに語った。
そんな物わかりの良いタマじゃないだろう。26日に公開された英BBCのインタビュー番組「ハード・トーク」に出演した際、得意の英語を駆使して言いたい放題だったではないか。
「ハード・トーク」は司会を務めるジャーナリストのスティーブン・サッカー氏による忖度なしの質問がウリの番組だ。サッカー氏が日本経済が何十年にもわたり停滞している理由を尋ねると、河野大臣は「1980年代のバブル以降、調整を重ねて今は立ち直りつつある」と強弁。「日本は多額の債務を抱え、円安が進み、生活コストの高騰が国民生活に影響しているが、それでも経済状況は改善している?」と、すかさずツッコんだサッカー氏に、「明確に改善している」と言い張った。
自民党がほぼ政権与党に居座っている「一党支配」が健全かどうかの認識を問われ、河野大臣は「日本国民は自民党を選び、我々は日本を再生してきた」と主張。「日本は第2次大戦以降、戦争の影響を受けておらず、満ち足りている」と続けた。質問への答えがサッパリかみ合っていないあたり、さすがは耳の痛い話を聞こうとしない「ブロック太郎」の異名を持つだけはある。
■「マイナカードの普及がうまくいっています」
認知の歪みもさることながら、看過できないのがマイナンバーカード普及に関する「大ウソ」だ。
サッカー氏がデジタル先進国のシンガポールを引き合いに出し、「人口500万人のシンガポールでは何千人ものスタッフが政府内でデジタル化を進めているのに対し、日本は人口1.25億人を抱えながらデジタル庁職員は800人程度だ」と問題提起。すると、河野大臣は「デジタル庁職員は増やしている」と前置きして、こう言い放った。
「マイナカードの普及がうまくいっています。(普及を)強制しているわけではありません。あくまでも、マイナカードを使いたいかどうか尋ねています」
待て待て待て。確かに政府は「マイナカードの取得は任意」と言い張っているが、あの手この手で「事実上の強制」と言える策を弄しているではないか。その象徴が、現行の保険証廃止に伴うマイナ保険証への一本化である。廃止日は12月2日だ。
■利用促進の一時金支給を延長
政府は5~7月をマイナ保険証の利用促進の「集中取組月間」に位置付け、利用人数の増加に応じて病院や薬局などに最大40万円の一時金を支給。さらに、支給対象期間を8月まで延長する強硬策に打って出た。「8月9日にデジタル庁と厚労省が医療機関を対象に利用促進セミナーを共同開催し、一時金の支給延長などを説明する予定」(医療関係者)という力の入れようだ。
現行の保険証を人質にマイナ保険証への切り替えを国民に迫り、医療機関にカネをばらまいてまで普及を図ることが「事実上の強制」でなくて何だろう。
世界に向けて平気で大ウソをつく大臣が、首相候補とは世も末だ。
◇ ◇ ◇
現行の保険証廃止まで残り5カ月を切ったが、マイナ保険証の利用率はいまだ9.9%(6月)。利用率向上に躍起の政府が、医療機関の頬をカネで張る新たな「ニンジン作戦」とは…?
【関連記事】
マイナ保険証ゴリ押しへ新たな「ニンジン作戦」…10月からこっそり診療報酬4割アップの姑息
日刊ゲンダイ 2024/07/19
現行の保険証廃止まで残り5カ月を切ったが、マイナ保険証の利用率はいまだ9.9%(6月)。1割にすら届いていない惨状だ。利用率向上に躍起の政府が、医療機関の頬をカネで張る新たな「ニンジン作戦」を打ち出した。
厚労省は5~7月を「マイナ保険証利用促進強化月間」に位置付け、予算217億円を元手に病院や薬局へ支援金をバラマキ。6月には補助額を最大20万円から40万円に倍増する“禁じ手”にまで手を染めた。
なりふり構わずニンジンをブラ下げたものの、まったく成果に乏しく、6月の利用率は前月比2.17ポイント上がっただけ。民間企業なら「コスパ悪過ぎ」とドヤしつけられる“営業成績”だが、厚労省は反省の色なし。懲りずに繰り出す次なる一手が、診療報酬の加算だ。
6月の診療報酬改定で、デジタル化を進めた医療機関にインセンティブを与える「医療DX推進体制整備加算」を新設。初診時に限り、診療報酬の点数に医科8点、歯科6点、調剤4点をそれぞれ加点する仕組みをつくった。
さらに医療機関へアメを与えるべく、厚労省は今月17日の中央社会保険医療協議会(中医協)に加算の見直し案を諮問。10月からマイナ保険証の利用率に応じて、最大で医科11点、歯科9点、調剤7点を診療点数に上乗せする案を諮り、中医協は即日、了承した。
診療報酬は1点につき10円。見直しによって、医科なら報酬は80円から110円に増額される。ざっと4割アップだ。保険証廃止の撤回を訴える全国保険医団体連合会(保団連)事務局次長の本並省吾氏が言う。
「マイナ保険証の利用促進キャンペーンが終わったら利用率が伸び悩むと分かっているからこそ、新たな『ニンジン作戦』を用意したのでしょう。本来、診療報酬は診療行為に応じて支払われるのであって、利用率の実績は目的外です。6月に診療報酬を改定したばかりのタイミングで、しかも国会での説明もなしにコソコソと進めるとは許しがたい。物価高によって光熱費や病院食のコスト増に頭を抱える病院もあるというのに、その窮状を脇に置いて利用率向上には大盤振る舞い。『医療の質の向上』をうたうなら、お金をかけるべきは病院設備や医療従事者の処遇の改善、医薬品の安定供給ですよ」
どれだけの税金と保険料をムダにすれば気が済むのか。
◇ ◇ ◇
河野太郎デジタル大臣が強行するマイナ保険証の導入で、町のクリニックや歯科医院が次々と廃業しているという衝撃!
【関連記事】
「マイナ保険証」強行導入の裏で医療機関が相次ぎ廃業…オンライン請求義務化が大きな負担
日刊ゲンダイ 2024/07/09
河野太郎デジタル大臣が強行するマイナ保険証の導入で、町のクリニックや歯科医院が次々と廃業している。政府は今年の9月までに医療機関にマイナ保険証の完全実施を義務化し、医療機関に導入奨励金(10万~20万円)を出して「実質負担はゼロ」と宣伝している。
ところが「NEWSポストセブン」の取材によると、今年の3月、4月の2カ月間で東京都内で病院・診療所・歯科医院の295機関が廃業したという。医療機関の廃業は昨年、全国で709機関。今年のたった2カ月で300近くは異常だ。問題は読み取り装置ではなく、医療費の「オンライン請求」の義務化だという。あるクリニック院長の話。
「これまで毎月、レセプト(診療報酬明細書)はCD-ROMに入れて保険請求団体に郵送していましたが、これから電子データをオンラインで送る。しかもNTTの光回線を敷設しなければなりません。古いビルに穴をあける工事費はべらぼーです」
全国保険医団体連合会のアンケート調査によると、「マイナ保険証が義務化されたら廃業せざるをえない」との回答は19%。全国1万712機関が廃業する可能性があると試算している。
そのマイナ強引太郎はこの秋、総裁選に出るつもりだ。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。