2024年8月28日水曜日

自民党議員も怯えている ポエム進次郎は本気で「自分はやれる」と思っているのか

 次期自民党総裁には小泉進次郎が就く可能性が大きいようです。
 しかし党内で枢要とされる地位についた経験もなく、それなりの知性や能力を有しているわけでもないのに なぜ彼なのでしょうか。それは「進次郎なら選挙の顔」になるからです。
 まさに「国にとってそれが良い」からではなく「自分にとって都合が良い」から総裁を選ぶという、議員たちの「利己主義」に拠るものです。
 でも経験、力量、資質のどれをとっても評価できない人間が首相になったらひどいことになるのは明らかなので、ボロが出る前に「一気呵成」に総選挙に入ると見られています。
 問題はその後です。真っ先に海外の元首たちに彼の力量を見抜かれることになります。彼が外交の場でどんな風に対応し、何を演じようとするのか想像もつきません。
 内政について同様です。何の構想も持っている訳ではないので、「これから勉強します」とでもいうのでしょうか
 日刊ゲンダイは「自民党議員も怯えている」と書いています。
 恐ろしいことになりそうです。
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自民党議員も怯えている ポエム進次郎は本気で「自分はやれる」と思っているのか
                           日刊ゲンダイ 2024/8/26
                        (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 下馬評では小泉進次郎が一歩抜けているが、この事態に肝を冷やしているのは他ならぬ自民党だ。人気にすがって、祭り上げているものの、乏しい経験で総理が務まるわけがない。国より自分の選挙のために軽い神輿を担ぐ無責任と身勝手な大博打。もちろん大マスコミも同罪だ。
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 自民党総裁選が世にもおぞましい展開になってきた。何がおぞましいかというと、ここにきて、「本当に進次郎になっちゃうのか」と皆がビビりだしてきたのである。もちろん、小泉の経験、能力に疑問符がつくからだが、恐ろしいのはそれでも「大本命」の流れが変わらないことだ。
 疑問符がつく候補者であれば、投票しなければいい。別の候補者を選べばいい。単純な話なのに、そうならないのは、「進次郎なら選挙の顔」になるからだ。
 次の選挙での生き残りを考えたら、無能だろうが、経験が浅かろうが、国民的人気がある進次郎を担いだ方がいい。とまあ、こんな調子で、「しょうがねえか」みたいなムードになりつつあるという。だから、早期解散論が出回る。ボロが出る前に「やっちまえ」ということだ。
「私も党内のそうした空気を聞きました。自民党議員の多くは本当に小泉進次郎総裁、首相が現実になったら、岸田政権以上にひどいことになると思っている。経験、力量、資質とどれをとっても裏付けるものがないからです。でも、そこはみんな目をつむり、馬脚を現さないうちに選挙になだれ込めばいいと思っている。中身は空っぽでもイメージで“刷新感”を出せればいいんですよ。つまり、小泉氏は選挙の道具でしかない。こんなことで国を動かす首相を選んでいいのか。長く政治記者をやってきましたが、自民党の惨状は末期症状というしかありません」(政治評論家・野上忠興氏)
 今度の総裁選が前代未聞なのは立候補者の数だけではない。その醜悪さと刹那さこそが前代未聞なのである。

短命だと思われるとますます孤立化
 それにしても、ここで素朴な疑問が浮かんでくる。小泉進次郎自身は本気で首相をやりたいのか、ということだ。まだまだ先の話と思っていたのではないか。それが担ぎ出され、「引くに引けない」展開になったように見える。彼自身にも「誤算」なのではないか。そんな疑問だ。
 周囲は無責任に「人寄せパンダ」を担ごうとしているが、担がれる方にも覚悟がいる。まして、首相の重責たるや、経験者しかわからないものだ。前出の野上氏は「小林鷹之氏がいち早く出馬表明したことで、小泉氏にしてみれば、ここで出なければ埋没するという危機感があったのだろう。本命視されて、いまはその気になってきたのではないか、単純な男だから」と言った上で、「しかし、政治はそんな甘いもんじゃない」とこう付け加えた。
「あの安倍晋三元首相ですら、権力の座を上るときは不安になり謙虚でした。覚えているのは小泉政権で幹事長になった2003年。閣僚経験もないのに、いきなり幹事長に抜擢されたときです。しみじみ、“俺でいいのだろうか”と言っていました。小泉氏は党三役も重要閣僚も経験していない。いきなり、総裁、総理は荷が重すぎますよ」
 首相補佐官を経験した政治家にも「小泉に首相が務まるか」を聞いてみた。
「経験不足で厳しいでしょうね。首相官邸には毎日、毎日、各省庁から報告が上がってくるんです。それに対するイエス、ノーのジャッジを求められる。各省庁出身の秘書官、補佐官などの官邸スタッフが10人近くいても、彼らは責任を取らないので、自分に都合のいいことしか言わない。結局、最後の判断は首相に任されるのです。孤独だし、とてつもない重圧です。老獪な官僚相手に渡り合える経験や胆力が必要なのは言うまでもありません。小泉さんにはそうした経験が少ない。だから、胆力にも不安がある。加えて、周囲に選挙までの短命政権だと思われたら、ますます、孤立を深めていくと思います」
 進次郎にマトモな神経があるなら、今回は出ない方がいいんじゃないか。それが本紙の老婆心だ。

修羅場をくぐり抜けてきたのが父親、純一郎
 進次郎の場合、父親の純一郎元首相が「50歳までは総裁選に出るな」と諭していたとされる。これも一理ある話だ。元国会議員で政治史研究家の中島政希氏はこう言った。
「何も年を取っていればいいというものではありませんが、マックス・ウェーバーの言葉に、『政治家は権力という悪魔と手を結ばなければならない。ファウストの悪魔も年をとっていく』というのがある。悪魔と渡り合うには経験に基づく胆力や見識が必要なのです。また、この胆力は権力闘争によって培われるので、もともと2世議員は弱い。やはり、豊富な閣僚経験による見識や党役員経験に基づく人間関係、それによって培われる人脈や胆力が必要最小条件だと思いますね」
 父親の純一郎はああ見えて、首相になる前に厚生相や郵政相、森派の会長などを歴任、野党との人脈も誇っていた。宮沢内閣の時は閣僚を辞任して、退陣を迫ったし、「加藤の乱」のときはYKKといわれた仲間の加藤紘一、山崎拓を潰して、森元首相を守った。いわば、修羅場をくぐり抜けての首相就任だったのだが、一方の進次郎は何もない。党務は筆頭副幹事長くらいだし、閣僚経験は環境大臣(原子力防災担当兼任)だけだ。
 で、自民党の間では菅前首相がバックについて、自身が官房長官や首相をやったときの官僚などを側近につけ、ドリームチームで進次郎を支えるプランなどが飛び交っている。中には菅自身が官房長官として復帰するなんて、絵空事まで囁かれている。

自民党は与党としての矜持を失っている
 進次郎では頼りないから、みんなで支えてゴマカしていく。軽~い進次郎は神輿に乗っかっているだけでよい。そんなシナリオを真顔で語る自民党関係者もいるのだから、ビックリだ。
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
「だったら、総裁選なんてやる必要はない。誰でもいいわけですからね。もともと、この総裁選は次の首相を選ぶのでもなければ、次の総裁を選ぶ選挙でもない。次の選挙の看板を選ぶだけの投票でしょう。そんな総裁選なのに、さも、“次のリーダーは誰か”みたいな演出がなされ、大メディアがそれに乗っかっている。国民をバカにした話です。自民党は次の選挙で負ける。その負けを少しでも減らしたい。そのための看板は誰にすればいいのか。藁にもすがる議員たちがその藁を探している。それだけの選挙じゃないですか。中身、能力、資質は問わず、刷新感だけ。藁はちょっとだけ浮いていればいい。だから、小泉進次郎氏が本命になるわけでしょう? 自民党は政権与党としての矜持を失ったように見えます」

 進次郎はまだ立候補の表明もしていないし、何をやりたいのかも語っていない。とはいえ、世論調査でも人気は断トツ、本人もその気、議員たちも刹那の生き残りに右往左往。異様なムードになりつつある。
「岸田首相が総裁選に出ない理由は裏金問題のケジメでした。だとしたら、新しい総裁は裏金問題や統一教会への対応で選ぶのが最低限のルールでしょう。推薦人に裏金議員がいれば論外、政治資金の疑惑がある人も駄目、統一教会に関わった人もアウト。そのうえで政治とカネの改革にどれだけ厳しく踏み込めるのか。そこを見極めなければいけません」(五十嵐仁氏=前出)
 もちろん、踏み込めば議員票は離れていく。だから、軽い神輿が重宝がられる。この総裁選は自民党、最後の宴に見えてくる。